ゆうちゃんの家

メンサ・科学者・自閉症スペクトラム。心理学・薬学・医学・アイディア発想・エッセイ等(@UCHAM0410)

科学的根拠のある「相手の心に刺さる」メッセージの伝え方!

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今回は相手の心に刺さる話の仕方に関する記事です。

「プレゼンの方法」にも使える技法をいくつかご紹介します

 

 

みなさんは相手の関心を引きつけたいときに、どのような工夫をしますか?

とくに相手があなたに興味をもっているか分からない状況で。

どのようにして相手の心に「刺さる」話をしますか?

 

わたしはコミュ障なので(笑)日常会話などはあまり上手ではないですが、プレゼンは得意がどうかは別として好きなほうです。

 

プレゼンの技術は日常でだれかの助けを借りるときも、相手の関心を引きたいときも、就職・転職活動の際や大事な交渉の場でも大事な技術になりますので、身につけておいて損はないです。

 

今回の内容は

①始めにサプライズ。

②途中で質問を挟む。

③プレゼンにキレをもたらすSUCCESs法とACE法。

④論理・権威・データだけでなく、感情・ストーリーを語る。

の4点を紹介したいと思います。

 

 

<①はじめにサプライズ>

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相手はあなたに関心があるのか、あなたの話に興味があるのかわかりません。

そのような人はあなたの話を人ごとのように効いてしまうかも知れません。

そんなときに効果抜群なのが「サプライズ」です(*1)。

 

たとえば、以前ご紹介した「サイコパス」に関して、みんなの興味を持ってもらうためのプレゼンをするとしましょう。

 

みなさんはどうしますか?

どういう出だしで話し始めますか?

 

多くの人は「サイコパスとは何か?」という定義の説明から始めると思います。あるいはサイコパスの危険性を説明するかも知れません。

サイコパスとは人格障害の一つで、日本語では精神病質と言われています。...」

みたいな出だしだと、聞いている聴衆は「ふーん」「へー」「そうなんだ」としか反応してくれないでしょう。スルーされてしまいます。

 

私なら下記のような切り出し方をします。

 

「ここにおられるみなさんの100人に一人はサイコパスです」

 

こう切り出すことで、聞いた人は「今日乗ってきた満員電車の中にもサイコパスはいたってこと!?」「うちの学校にも何人かサイコパスがいるってことじゃん!!」「この会場にも一人はいるってことなの!?と」とびっくりするでしょう

 

このようにサプライズをしかけ相手をびっくりさせることで、

①:相手が勝手に色々と想像を膨らませます・疑問に感じたり、個人の感想をもったりすします。その結果、聴衆はそのような想像・疑問・感想を確かめたくなる衝動に駆られます人は疑問を持ったまま待てない動物なのですその結果、聴衆は「この人の話を聞いて確かめてみよう」という心理になります。よって、聴衆の集中力が増し、真剣に話を聞いてくれるようになります。

②:相手が自分のこと・あるいは自分に関係の深いことを話しているように感じ、人ごとのようにあなたの話を聞くことはなくなります(前のめりになって聞いてくれる)

③:サプライズが成功した場合、相手のあなたへの警戒心は消え去ります。その結果、「とりあえず話を聞いてみよう」という姿勢になってくれます。

 

人によってはあえて人を「挑発」するようなことを冒頭で述べる人もいます。挑発された側の聴衆はどういう心理状態になると思いますか?

「なんとかコイツのプレゼンのあらを探して、反論・論破したい!」

という心理になるでしょう。その結果、聴衆は一生懸命あらさがしをするために、プレゼンしている人の話を一言ももらさないように聞くようになります

 

つまり「サプライズ」も「挑発」も、聴衆の心理・印象をコントロールする一つの手段なのです。

 

こちらの発したメッセージにより、聴衆の頭の中に感情や想像の嵐を起こさせなくては、こちらの言いたいことが刺さらないのです。

 

このサプライズや挑発を上手く使い、相手を誘導するのもプレゼンのよい手法の一つです。

 

ちなみにこのサプライズという手法、マイクロソフト社のビル・ゲイツスティーブ・ジョブズもよく使っていました。

 

 

<②途中で質問を挟む>

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これも結構重要です。①のサプライズと似ています。

 

質問された聴衆の心理はどうなるでしょう?

当然、質問に対する答えを考えようとしますね?

その結果、相手はいままでのプレゼン内容を思い出そうとしたり、いろいろと関連する情報を想像します。

また、やはりこちらのプレゼン内容に対する聴衆の注意・集中力が向くことになります。

また質問をして、そのあとで答えを教えてあげることで相手の納得感・信頼感を得られます。

 

 

<③SUCCESsとACEの法則(*2)>

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これは有名なのでご存知の方も多いでしょう。

SUCCESsとACEはそれぞれ頭文字を合わせたものになっています。

自分のメッセージを、このSUCCESsとACEの法則に則って発すれば、相手が理解しやすく、また広まりやすいということが言われています。

 

SUCCESsは以下の通りです

S...Simple(メッセージは簡潔であること)

U...Unexpectable(メッセージが予想外なものであること。もっと知りたいとおもわせること)

C...Concrete(具体的であること。聴衆がはっきりとしたイメージを描けるようにすること)

C...Credible(統計データや科学的根拠などを引用し、プレゼン内容に信頼性を持たすこと)

E...Emotional(人間の感情・本能に訴えること)

S...Story(現状に変化が生まれる可能性と、そのストーリーをはっきりとイメージさせること)

 

またACEは以下のとおりです。

A...Actionable(ただ話を聞いてもらうのではなく、話を聞いてもらった上で行動をうながすようにすること。)

C...Connected(相手に送ったこちらのメッセージが、その場にいない人たちにも伝わるようにすること)

E...Extensible(拡張性があること。こちらのメッセージ・アイディアを、相手が色々と手を加えてよりよいものにアレンジし、発展できるようにすること)

 

これらの法則をもとにプレゼンを行えば、こちらのメッセージやアイディアがより伝わり、行動や決断をも促してくれます。

 

 

<感情・ストーリーで語る>

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論理や統計データ、権威者の引用なども非常に重要です。

しかし人は感情や直観、共感で動く生き物です。

 

たとえば貧困問題を例にしましょう。

あなたは貧困問題をプレゼンし、恵まれない子供たちへの寄付金を募っています。

あなたは以下の二つの例のどちらでプレゼンを行いますか?

 

例①:アフリカ大陸のxxという国では、一日に100万人が貧困にあえいでいます。この国では昨年の降雨不足で、穀物の生産量が56%も低下して100万人が飢餓に苦しみ、また十分な医療行為を行うことができないため、毎年何万人もの人が命を落としています。

 

例②:リディアちゃんはxxという国の7歳の女の子です。彼女の家は貧しいため学校にも行けず、朝から遠く6kmも歩いて水を汲みにいっています。そのあとは町のゴミ集積場で使えそうなものを拾い、それを売ってわずかな生活費を稼ぐ毎日です。両親は重い病にかかっており、彼女の将来の夢は両親を助けるため、学校に行きお医者さんになりたいそうです。

 

例①はデータで攻めており、例②は完全にストーリープレゼンです。

どちらもプレゼンとして悪いわけではないです。

 

ただこれについては既に答えが出ていて、例②のようなストーリープレゼンをした場合に得られた寄付金の平均額は、例①のような統計のみのプレゼンの場合の2倍にもなったそうです。

またストーリープレゼンは共感をよびやすく、さらに記憶に残る確率が段違いなのです(プレゼンのストーリー部分を覚えている確率は63%なのに対して、統計を覚えている確率はたったの5%との調査報告もあります(*3))

 

 

以上いかがだったでしょうか?

プレゼンの基本的な部分をご紹介させていただきました。

プレゼンの目的や環境、聴衆のタイプなどによってプレゼン形式は柔軟に変えるべきではありますが、今回ご紹介した内容は比較的汎用性が高いものだと思いますので、ぜひ機会があればとりいれてみてくださいね。

 

みなさんのお役に立てれば光栄です...!

 

それではまた次の記事で〜。

 

 

 

<参考図書>

*1:カーマイン・ガロ著,  スティーブ・ジョブズ 脅威のプレゼン,  日経BP

*2:ジェレミー・ハイマンズ, ヘンリー・ティムズ著,  NEW POWER これからの世界の「新しい力」を手に入れろ, ダイヤモンド社

*3:佐藤智恵 著,  スタンフォードで一番人気の授業, 幻冬舎

 

90%が騙される?人に操られないために、人を操るテクニックを知ろう!

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今回は心理学のお話です。

 

みなさんは「ほんとうはイヤなんだけどなあ」と思いながらも、しぶしぶ相手の要求どおりに動かされたり、買いたくもなかったものを買ってしまったりしたことはないでしょうか?

 

ビジネスの世界でも、広告の世界でも、果てはコンビニの商品陳列方法に至るまで、人を操る心理術が多用されています。

 

そんな人を操る心理術をあらかじめ知って対処し、しっかり自分の意志で判断できるようになるため、世にはびこる心理術のほんの一部をご紹介をしたいとおもいます

 

どう使うか、自分を守るために使うか悪用するかはお任せします(笑)

 

 

<人を操る心理術>

①権威の力と群衆効果

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  有名な心理実験「ミルグラム」の実験より効果があきらかにされています。人がいかに権威に弱く、権威に命じられるがままに行動・判断してしまうかを証明した実験です。

  部屋を二つ用意します。片方の部屋の被験者Aはかんたんなクイズに答えます。もう片方の部屋には被験者Bが入ります。被験者Bは、被験者Aがクイズに間違うと、白衣を来た研究者の指示によりボタンを押し、被験者Aに電流を流します。つまり実験の目的は「被験者Bはそんな残酷な実験に命じられるがままに行うのか」を確認することです。

  結果ですが、被験者Bは相手に電流を流すことは悪いことであると分かっていながらも、なんと65%の人が命令どおり相手に電流を流したのです。ちなみにこのとき電流を浴びせるように指示をした人が白衣をきていなかった場合、指示に従う確率は30%まで低下したとのことです。白衣が権威となって意志を強制し、被験者Bの自由意志を奪ったと解釈されます。

  さらに、被験者Cを用意します。被験者BはCにボタンを押すように指示を出すだけで、実際にボタンを押すのはCです。このように複数の人物を介入させることによって、各個人の責任感を低下させたのです(これを群衆効果といいます)。すると被験者BがCにボタンを押すよう指示する確率はさきほどの65%から90%まで跳ね上がったのです(もちろん被験者Bは電流を流すことは悪いことだと分かっているのに、です)。

  権威や群衆効果(たとえば相手がサクラを仕込んでいるとか)は、かなりの確率でみなさんの自由意志を奪い、指示に従わせてしまう効果があります。気をつけましょう。

(ここで言う権威とはさまざまなものを含みます。例のように服装である場合もあるでしょうし、専門知識や経験値を権威に利用してくる人もいるでしょう意思決定に重要な情報ををわざとぎりぎりまで隠していて、ここぞというときに出してくる輩もいるでしょう。みなさま、おきをつけください)

 

②フット・イン・ザ・ドア

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  これはあまりにも有名なので聞いたことがあると思います。一応解説しますね。「操りたい対象に、最初にだれでも受け入れられるような小さな頼み事をした後で、大きな頼み事をした場合、受け入れられる確率が飛躍的にあがる」、という手法です。

  どれぐらい効果があるのでしょうか?

  フリードマンとフレイアーの実験です。

  「安全運転」と書いてあるデカデカとした看板を庭に置かせてくれないか?、というお願いをしたところ、受け入れてくれた人は17%しかいませんでした

  次に彼らは、始めに交通安全に関する嘆願書にサインをしてくれないかと頼み、そのあとでさきほどのデカデカとした看板を庭に置かせてくれないか頼んだところ、55%の人が応じてくれたのです。約3倍近い人が受け入れてしまったのです。

  なぜこのようなことが起こったのかというと、人間の心理には「一貫性の原理」つまり「人はだれしも筋を通したいと考える傾向があるから」なのです。始めに交通安全に関して嘆願書にサインしておきながら、交通安全の看板を拒否してしまうと、その人の心の中に矛盾が生まれます。人は自分の考えが矛盾するのを嫌う傾向があるのです。そこでその矛盾を解消するために、看板を置くことを受け入れる、という判断をするようになるのです。なかなか汚い手口ですよね〜。

  相手が何かカンタンなお願いをしてきたときは要注意ですね...!

  

 

③パブリックコミットメント

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  これはやり方はカンタンで「みんなの前で約束させる・宣言させる」ということです。

  たとえば全員の前で、会社側に都合のいいことを宣言・約束させるのです。先ほど紹介した「一貫性の原理」が働きますので、全員の前で言ったことを撤回しにくい心理状態になり、無理をしてでも実行しようとしてしまいます。朝の朝礼とかで「今月は売り上げをxx%あげます!」なんて無理な宣言をさせといて、引っ込みつかなくさせておいて、社員を無理にこき使う...出来なかったときには「お前が言い出したことなんだけど」とうそぶくブラック企業が使いそうな手ですね

  「出来ない約束はできません」という姿勢の方が潔いし、よっぽど誠実です。上手く回避していきましょう。

 

 

 

以上いかがだったでしょうか?

人を操ろうとする人は結構多いです。

でも手口をしっておけば十分対処可能です。

ぜひご自分の身を守るためにも、心理術を身につけておくことをつよくおすすめします。

それではまた次の記事で〜。

極めればミステリーやサスペンスの結末も推理できちゃう!5W1H法について!!

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今回は推理方法の紹介です

この推理方法もかなりたくさん知られているのですが、今回は一番単純で使いやすいけど応用範囲の広い思考法をご紹介します。

 

それは5W1H法です。

 

先日出したラテラルシンキング問題をもう一度出しますね。

今日はこれを5W1H法で解いていきましょう。

(前回お伝えしました通り、あくまで水平思考クイズ・推理問題ですので、不良設定問題となっています。与えられた情報が少なすぎて正解は一つにはしぼれません。今後紹介していく、あるいはみなさんの得意な思考法などを駆使して何通りも筋の通った推理をたくさん発想して楽しんでください

 

 

<問題2>

ある村では毎年ある決まった日時に、とある現象が起こっていた。

村のいたるところに大きな穴があくのだ。

中には村人の倉庫の屋根が破壊されてしまうこともあった。

しかしながらケガ人が出たことは一切なく、その不思議な現象を恐れたり、警察に連絡する村人は一人もいなかった。いったいどういうこと?

(実話をもとにしています)

 

 

ある問題が与えられたとき、最低限行うべきことがあります。

それは以下の通りです。

 

①直観:まず直感的にどう思うか?(これ、意外とあたります(笑))

②目的:自分が何をどういう形にすることを望んでいるかを再確認する。

③定義:目の前の問題と答えは、たとえばどういうジャンル・タイプか?

答えはどういう表現方法で表されるか?

 

①・②は別の記事で述べるとして、今回は③を掘り下げていきたいともいます。

 

<問題のジャンルを特定する>

簡単にいうと目の前の問題が、数学の問題なのか国語の問題なのかそれ以外の問題なのかを特定するということです。

もしみなさんが目の前の問題に対して正解を求めているのであれば、国語の問題には国語のスキルで、数学の問題には数学のスキルでトライすることが必要です。

目の前の問題が国語の問題なのに、テストの回答欄に数式を書いたって的外れな結果に終わるだけです

(正解ではなく独創性を求めているのであれば、国語の問題を数学的に・物理化学的に解いてみる、というのは面白いとは思いますが)。

 

しっかりと「目の前の問題がどういうジャンルの問題か」を出来るだけ間違わないように特定する、というのが正解を求める上では重要です。

 

<答えのジャンルを特定する>

これも重要です。

音楽の実技での答えは「演奏する」「歌う」「楽器を弾く」などです。なのに問題に対する答えが「数式が求められているかも?」「複雑な言語的説明が求められているかも?」みたいに答えのイメージが的外れであれば正解は出ません

 

答えがどういうジャンル・タイプのものか、答えはどう表現されるだろうかという部分を大幅に間違えない範囲で特定することが大切です

 

と長々と書いてしまいましたが、まとめると

3-1:問題のタイプ・ジャンルを正しく特定する。

3-2:答えのタイプ・ジャンルを正しく特定する。

ということが推理推論で大事だということになります。

 

この3-1と3-2を兼ね備えた方法は5W1H法になります

 

それでは<問題2>をもう一度見てみましょう。

 

 

<問題2>

ある村では毎年ある決まった日時に、とある現象が起こっていた。

村のいたるところに大きな穴があくのだ。

中には村人の倉庫の屋根が破壊されてしまうこともあった。

しかしながらケガ人が出たことは一切なく、その不思議な現象を恐れたり、警察に連絡する村人は一人もいなかった。いったいどういうこと?

(実話をもとにしています)

 

これを5W1H法で整理します。

問題は「だれがあるいはなにがこの不思議現象を引き起こしているのか?」です。

(だれが):?

(いつ):毎年いつも決まった時間

(どこで):村の中で

(どうやって):?

(なにを):村の屋根や道が壊れた

(どうなった):こんなことが起こっていながら誰一人ケガをせず、誰一人不安や文句はないようだ。

 

と整理されます。

つまり「誰が」と「どうやって」を解決すれば一応の推理が出来上がることになります。

たとえば「どうやって」に着目してみましょう。事故説を考える人がいるかもしれませんね。飛行機から貨物が落下して落ちてきたとか。ただその可能性が極めて低いことが、5W1Hで整理したことで分かります。

なぜなら「誰一人不安や文句はなかった」ことが警察に通報しない姿勢から分かるからです。事故だったら通報するでしょうし、不安にもなるでしょうし、引っ越したくなる村人も出るはずですし、毎年決まった日時に起こる事故だったら航空会社も対処するでしょう。事故説はかなり可能性は低いです。

 

自然現象説も低いでしょう。なぜなら毎年起こるだけでなく、日時まで毎年同じタイミングで起こるのです。それにいくら自然現象とはいえ、屋根に穴が空けられて、対処不能で命に関わるとすればやっぱり通報するでしょう。

 

つまりこれは事故説でもなく、自然現象でもなく、人為的な可能性があります

そこでさきほどの表をもう一度埋めてみましょう。

 

問題は「だれがあるいはなにがこの不思議現象を引き起こしているのか?」

(だれが):人間が

(いつ):毎年いつも決まった時間

(どこで):村の中で

(どうやって):?(ただ人間が出来うる手法で)

(なにを):村の屋根や道が壊れた

(どうなった):こんなことが起こっていながら誰一人ケガをせず、誰一人不安や文句はないようだ。

 

 

 

ポイントは「こんなことが起きていながら村人は通報もしないし、引っ越しもしない」「誰一人ケガをしないこと」と「毎年同じ日時に起こる」ことです。つまり人為的にだれかが安全に配慮しながら行っている可能性があるのです。

 

毎年同じ日時に人為的に行われることとはなんでしょう?

 

 

以下、回答です。

 

収穫祭の一環である。

この村では、その年収穫されたもっとも大きな野菜を自作の大砲に乗せて飛ばし、その飛距離を争う収穫祭が定期的に催される。

村人全員参加のただの収穫祭なのだから、その内容を事前通達されている以上ケガ人が出るわけがないし、通報なんてするわけがない。もちろん恐れたり不安になったりすることもない。みんな収穫祭を楽しんでやっているのだから。

 

 

ちなみにこれは以前わたしが出された水平思考クイズで、上記のように考え、答えたら当たっていました(外れることも多々ありますが)。あくまで論理的推論ではなく、ただの推理ですので、みなさんが考えてみて、筋のきちんと通った推理を展開できれば良いと思います

 

 

今回は以上です。

それではまた次の記事で〜。

 

 

わたしの適応障害闘病記(その①)

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通常このブログでは、科学的根拠のある生活に役立つ情報をお届けすることを目的にしております。あまり個人的な意見や経験を書くことはありません。

 

ただ、いま私はメンタル系の病気と消化器疾患で長期のお休みをいただいております

 

病名は適応障害です。

 

今回の話はいつもとは違い、膨大な統計データに支えられた根拠のある話ではなく、あくまで私一個人の経験の話に過ぎません

 

ただ、今まさにメンタルを病んでいる人や、病みかけている人がよりよい生活を送るヒントになればと思い、私の体験を書こうと思いました

 

 

 

 

<病気の診断が分かるまで>

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あまり詳細は書けないことはご容赦ください。

 

私は長い間、消化器症状をはじめとするさまざまな症状で悩んでいました

胃もたれ・ひどい吐き気・歩けなくなるほどの頭痛・意欲の低下(趣味は多いほうなのですが、以前と比べ明らかに趣味への関心・意欲が薄らいでいく)など。

 

ただこれらは身体的な病気が原因なのだろうと考えていました

検査をすれば原因は見つかるだろうと...

そこで、脳画像を観察するMRI、内臓の状態を簡易的に検査する腹部エコー、胃カメラ、全身の内臓の形態を詳細に観察できるCT検査などさまざまな検査を行いました。もちろん会社で行われる血液検査、肺レントゲン、心電図測定なども...。

 

しかし、激しい症状に苦しんでいるにも関わらず、これらの検査ではまったく異常がなかったのです

 

複数の内科や消化器内科の医師に診察を受けましたが、「難しいですね」「よく分からないですね」などと言われ、医師たちが診断特定はおろか次に必要な検査の提案もできないくらい原因不明なのです

 

正直そのときの私の感情としては

「じゃあどうすればいいの?」

です。

 

さまざまな症状は薬で抑えてきましたので、なんとか頑張って仕事には通っていました。

 

ただ一日の飲む薬の量は毎回6〜8錠を超え、それに加えて頓服の薬も服用していました

「いつになったら治るの?それとも一生このままなの?」

そんな不安に苦しむ毎日でした。

 

私の症状(とくに激しい頭痛と吐き気)は発作的に悪化することがありました。

そのため常に薬を持ち歩き、「また発作が出たらどうしよう?」と常に悩んでいました。

 

「もし満員電車の中で発作が来たらどうしよう?」

「大事な会議中に体調が悪化したらどうしよう?」

「友人と遊びに行っているときに悪化したらどうしよう?」

 

そんなことばかりを毎日考えているうちに、電車に乗るのも、人ごみも、人と話すのも不安になり、仕事以外はできるだけ家にこもっている状態でした

 

私の毎日が、病気が中心の生活に変わっていってしまったのです

常に急な体調悪化を心配し、薬を飲む時間ばかりを気にするようになりました。

 

そのうち、自分の大好きだった趣味や仕事や生活のことがすっかり色あせたように感じられ、毎日が苦痛の連続となっていきました。

 

あるとき、主治医から新しく処方されたメンタル系の薬をためしに飲んでみました。

すると、いままでの激しい頭痛や吐き気が嘘のように軽くなったのです。

 

私は薬学部卒で博士号も持っている医薬品研究者です。

これが意味することはすぐに分かりました。

 

そこで心療内科に行き、医師と話し合ったところ、「適応障害」という診断と長期療養を要する、という判断をいただきました。

 

 

 

<適応障害とは?>

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適用障害やうつ病は似ている部分があります。

原因は長期にわたるストレスです。

ストレスの原因が明らかな場合は適応障害と診断されるケースが多いです。

 

私のストレスの原因はおそらく長い間悩んできた消化器症状なのでないかと考えています。

ただその消化器症状のストレスが原因で適応障害になったと仮定すると疑問が生じます。

つまり、さまざまな検査を受けて異常がなかったその消化器症状の原因はなんなのか?ということです。

 

「消化器症状→消化器症状によるストレス→適応障害

であるのならば、その消化器症状の原因はなんなのか?消化器症状の原因が身体の病気であるのなら、あれだけ検査をやったのだから何かしら異常が出るはずです。

にも関わらず異常は出なかった。

 

実は私にも自覚のない隠れたストレスがあって、それが原因で消化器症状が起こっているのではないか?と今は考えています。

 

「隠れたストレス→消化器症状→消化器症状によるストレス→適用障害」

 

この隠れたストレスがなんなのかは、今のところわかりません。

 

 

 

<私の性格>

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私の性格は内向的で、お世辞にも社交的とは言えません。

ただひょうきんな性格ですので、人とは楽しくしゃべりますし、あまり周りのことを気にしない「飄々とした性格」だと言われます(自分でもその自覚があります)。

人と争うようなことはほぼなく、けんかにならないように自分の意見を伝えることもできます。無理に自分を抑制することはありません。

自己肯定感は高く、決して落ち込むような性格ではありません。

 

職場にも職務内容にもお給料にも不満はなく、自由な時間もあります。

 

正直ストレスで悩む性格でもなければ、ストレスが環境にあるとも思えないのです。

 

ストレスは嫌なことばかりではなく、環境の大幅な変化も含まれるとする説がありますが、環境の変化もとくにはなかったはずです。

 

 

 

<現在取り組んでいること>

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①薬による治療

  処方されている薬は以下の通りです。

  ・イフェクサー抗うつ薬

  ・ジアゼパム(鎮静剤)

  ・スルピリド(胃腸の動きを促し、吐き気を抑制する。食欲増進)

  ・プリンペラン(吐き気止め)

  ・六君子湯(吐き気止め、食欲増進)

  ・デパス(頓服用。鎮静剤)

  ・アモバン睡眠薬

 

  ちなみに抗うつ薬イフェクサーは飲んでいません。臨床試験のデータを見れば明らかですが、効き目が弱い・あるいはあまり期待できない割に、離脱症状がある・副作用が多いなどの困った薬です

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②運動

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  以前の私の記事でもご紹介させていただきましたが、この手のメンタルの病気には運動が効果てきめんであることは科学的に証明されています。特にグリーンエクササイズはリラックス効果が高いことが知られていますので、毎日続けています。私の運動は、毎朝40〜50分のウォーキングと軽い筋トレです。

  運動によるメンタルの効果はやはり科学的に証明されているだけありますね!劇的な効果でした。さまざまな体調不良が改善しつつあります。とくに気分の落ち込みには短期的にも効果大でした

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③見えるところから変えていく。行動からかえていく。

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  これは記事でご紹介したことはなかったのですが、今の自分の性格・考え方を変えていく単純な方法は「見えるところから変えていく」「はじめから考え方を無理に変えようとはせず、まず行動から変えていく」ということが有効であることが分かっています。

 

  「見えるとことから変えていく」というのは簡単で、家の大掃除をしたり、部屋を大胆に模様替えをしたりして、目に映る風景自体を変えてしまうのです。毎日目に映る風景が変わってしまうのですから、自分も少しづつ変わっていくでしょう。思い切って引っ越してしまうとかもとてもよい方法だと思います(わたしはやってないですが)。

 

  「はじめから考え方を無理に変えようとはせず、まず行動から変えていく」というのはどういうことなのかを説明します。

  人の考え方や感情・悪い思考の癖などを短い期間で変えようとするのはかなり難しいです。さまざまな科学の本を読みましたが、最短でも8週間かかります。よって自分の思考の癖をいきなり変えようとはせず、行動を先に変えるということを行っています。よく聞く名言?に「悲しいから泣くのではない。泣くから悲しいのだ」というものがありますが、これは心理学的に解釈すると「感情の末梢起源説」ですね。末梢である行動を先に変えることにより、自然と自分の考え方も変わっていきます。

 

 

 

<現状>

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  症状は改善しつつあります

  まず消化器症状について。以前欠かさず飲んでいた、プリンペランデパスはほぼいらなくなりました。私の場合は漢方がよく効いたようです。この六君子湯というのは、実はがんの化学療法の際に起こる吐き気の抑制にも効果があるとする報告があるぐらい、吐き気によく効く漢方です。ためしに使ってみて本当に良かったと思います。

  また、運動は前述のとおり、気分の落ち込みに劇的な効果がありました。ウォーキング後軽い筋トレを行うと、その瞬間から気分の落ち込みがほぼなくなるくらいの効果でした

  

  改善の兆しが見えてきてよかったと思います。

  ただまだ不眠・中途覚醒は治っておらず、これを解決するのが今後の課題ですね。

 

 

 

以上です。

繰り返しになりますが、私の一個人の経験に過ぎませんので、あくまで参考程度に!

それでは次の記事でお会いしましょう!

 

 

 

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発想力を試されるラテラルシンキングパズルについて♪

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今回は「ラテラルシンキングパズルについて」の記事を書いてみたいと思います。

 

ラテラルシンキングとはLateral Thinking、つまり直訳すると「水平思考」となります。

ものごとの考え方の分類の仕方にはいろいろありますが、たとえば下記のような分類があります。

 

ロジカルシンキング

 →いわゆる論理的思考法のこと。帰納演繹法などさまざまな方法があります。正しい前提(情報・知識・事実データ)をもとに、正しい論理を構築し、正しい結論を導くためのものです

②ラテラルシンキング

 →あまり論理やルール、型にしばられない思考です。正しいか間違っているかよりも、飛躍的な発想や面白い発想・奇抜な考え方・新しさ・独自性などを重視します。発散的思考を促すアイディア発想法の大半はラテラルシンキングです。アイディアの量、ジャンルの幅広さなども重視されます

クリティカルシンキング

 →前向きに・建設的に批判する・疑う思考法です(ただ批判したり疑えばよいというわけではないです)。そもそも前提はいつも正しいのだろうか?もっとよいアイディアがあるのではないか?自分のロジックは他の人にとっては当てはまらないのではないか?等々、さまざまな部分に疑いを持ち、それを丹念に解決して最終的によりよいアイディアを求める思考です

 

 

このうちラテラルシンキング寄りの問題のことをラテラルシンキングパズルといいます。別名シチュエーションパズルとも言って、出された問題がどういう状況なのかを答えるというパズルです。

 

例を挙げて説明します。

たとえば下記のようなものが問題が出されます。

 

 

<問題1>

ウィルソンは病院で1週間を過ごした。

彼は病気もケガもなかったのに、

退院するときは自分で歩くこともできなかった。

なぜ?

 

 

(答えは一番下の方にまとめて書いておきます)

 

 

おそらくみなさんがこの問題を見た第一印象は「問題の背景がよく分からないので答えようがない」「筋の通る答えが複数あるのでは?」と思ったことでしょう。まったくそのとおりです

 

ラテラルシンキングパズルは上記のようにわざとあいまいな問題(不良設定問題といいます)が出題されます回答に至るために必要な情報が意図的に伏せられています。

答えは出題者だけが知っています

回答者は、出題者にさまざまな質問をすることが許されています

出題者は、回答者の質問に「はい」「いいえ」「関係ありません」としか答えられません

つまり回答者は、出題者に質問をたくさんすることによってすこしづつ問題のあいまいな部分をあきらかにして、真相に迫っていく、というゲームです

 

質問力も試されますし、あいまいな質問は許されないため、ある程度想像力も要求されるゲームです。

 

ちなみに私のラテラルシンキングパズルの遊び方は「とにかく考えられる答えを幅広くたくさん列挙して、その中に出題者の答えが入っていればOK」ということをやっています。これなら一人でも遊べますし、数多くの答えを考え抜くのは発想力の訓練にもなります

 

いかがでしょうか?

ラテラルシンキングパズルの問題集はネット上にもたくさんありますし、有名な本ではポール・スローン著の「ウミガメのスープ」などがあります。

もし興味があればトライしてみてくださいね!

 

最後に問題をもう一問出してみます。ぜひ挑戦してみてください!

 

 

<問題2>

ある村では毎年ある決まった日時に、とある現象が起こっていた。

村のいたるところに大きな穴があくのだ。

中には村人の倉庫の屋根が破壊されてしまうこともあった。

しかしながらケガ人が出たことは一切なく、その不思議な現象を恐れたり、警察に連絡する村人は一人もいなかった。

いったいどういうこと?

(実話をもとにしています)

 

 

 

 

 

 

<問題1の答えの例>

ウィルソンはその病院で病気もケガもなく、無事に生まれた赤ちゃんだった。

赤ちゃんなのだから退院してもすぐには自分で歩けない。

腸内細菌を育てて、メンタルも体調不良も改善できるかも!?

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今回は腸内細菌とさまざまな病気との関連についてまとめます。

 

腸内細菌とは、読んで字のごとく腸内に生息する細菌のことです。

善玉菌と悪玉菌がおり、善玉菌は人体だけでは合成できないさまざまな栄養素を合成してくれたり、腸内の免疫系を正常に保ってくれています。

 

近年、この腸内細菌に関してさまざまな研究が急速に進んでいて、腸内細菌群(腸内フローラともいいます)を正常に保つことにより、メンタルの改善だけでなく、さまざまな疾患を予防・改善できる可能性を示唆する報告がなされています

 

今回は「腸内細菌を改善することで軽減できるかもしれない疾患」、「腸内細菌とメンタルの関係」、「腸内細菌を正常に保つために気をつけること」などをまとめたいと思います。

 

やや難しい内容になってしまっているのはご容赦ください...!

出来るだけ簡単に解説できるようがんばります(笑)。

 

 

<腸内細菌とメンタルの関係>

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「腸脳相関」という言葉があります。

簡単にいうと、「腸内の異常が神経やホルモン・分子を介して脳に伝わり不安やうつに関与するとともに、脳内の異常も腸のさまざまな不調に関与する」ということです。

 

実際にマウスをつかった動物実験でも、ストレス下にあるマウスとそうでないマウスの腸内細菌群は異なっており、それが原因でさまざまな自己免疫疾患(多発性硬化症や全身性エリテマトーデスなど)が発症するのではないか、との仮説も提唱されています。

またヒトにおいても、腸内細菌サプリ(プロバイオティクスともいいます)を4週間にわたり飲むと、攻撃的な思考が減り、レジリエンス(ストレスやトラウマから回復する能力のこと)が向上したとの報告もあります。

 

こういうわけで、腸と脳は機能的にもつながっているため「腸は第二の脳」とも呼ばれたりします。

それだけ腸の状態は脳、すなわちメンタルに影響を与えるということですね。

 

二つの研究の結果をご紹介します。

まずカリフォルニア大学の研究です。

被験者に4週間にわたって乳製発酵食品を食べ続けてもらいました。その結果、注意力の向上が有意に認められました。これと似た結果が、他の発酵食品(キムチや納豆)などでも得られており、発酵食品に含まれる有用微生物が脳機能の改善をもたらす可能性が示されています(*1)。

 

またベルギーで約1000人を対象に行われた研究でもメンタルと腸内細菌の関連が示唆されています。

うつ病と診断されている人の腸内細菌を調べたところ、ある特定の細菌が少ないことが分かったのです。

さらに治療抵抗性のうつ病患者と健常人の腸内細菌を比較解析したところ、腸内細菌由来のドーパミン合成能と精神状態に関連が認められたそうです(*2)。

 

うつ病の患者さんの脳内ではドーパミンセロトニンが不足して、その結果うつ病になるという仮説(モノアミン欠乏仮説)が提唱されています。

腸内で合成されたドーパミンあるいはその前駆物質が血液脳関門を通過するのかなどの課題もありますが、ドーパミンを作ってくれる腸内細菌を腸内で増やすことができれば、うつ病の軽減につながるという可能性を示唆した報告になります。今後の研究に期待です。

 

 

<腸内細菌とさまざまな疾患>

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①腸内細菌サプリでアレルギーやアトピーが改善

  フロリダで行われた実験です。花粉症の被験者173名が腸内細菌サプリ(ビオフェルミンとかビオスリーなどの、よくドラッグストアで売っているものです)を8週間にわたり飲んだところ、目のかゆみが改善したり鼻水の量が減っていたりしていて、花粉症の改善が見られたそうです。

  また別の研究で、家族にアトピーの患者が多い妊婦さん約150人を集め、二つのグループに分けました。片方のグループにはLGG乳酸菌を摂ってもらい、もう片方のグループにはプラセボ(乳酸菌の入っていないカプセル)を飲んでもらい、生まれてくる赤ちゃんのアトピー発症率を比較しました。その結果、LGG乳酸菌を摂ったグループの赤ちゃんのアトピーの発症率は、そうでないグループに比べ半減していました。(*3)

  腸内細菌サプリがアトピーやアレルギー症状の程度や発症率を軽減させるということが分かったのです。

 

過敏性腸症候群にも腸内細菌が効く?

  過敏性腸症候群とはなかなかやっかいな病気です。腹痛、おなかが張る、ガス(おなら)が止まらない、下痢が起こる、便秘が続くなどの症状が出るのですが、どんな検査を行っても異常は見つからない病気です。原因はストレスといわれていますが、詳細は不明です。このやっかいな過敏性腸症候群にも腸内細菌の投与が良い効果を示したという報告もあります。報告では、Bifidobactrium infantis 35624という腸内細菌を投与すると、腹痛・腹部膨満感が改善したという結果でしたLactobacillusでは効果がなかったため、腸内細菌サプリなら何でも良いというわけではないようです)。(*4)

 

<良い腸内細菌を増やすには?>

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抗生物質を飲むと腸内細菌は壊滅する。

  よく風邪で病院に行ったりすると抗生物質が処方されます。抗生物質の濫用は社会的にも問題となっていますが、なぜだか分からないくらいよく処方されます。

  たしかに本当に感染症になっているのなら抗生物質の投与は必須です。病気のもととなる菌をすみやかに退治してくれます。ただこの抗生物質、腸内細菌をも退治してしまうのです。抗生物質を飲むとお腹を壊すのはそのためです。

  お医者さんが処方するのだから、勝手な判断で服用を止めたりすることは出来ませんが、どうしても抗生物質を飲まないといけないときは、いつもより多めにヨーグルトや腸内細菌サプリを摂って腸内細菌を補ってあげてください

 

②発酵食品・腸内細菌サプリを摂る。

  発酵食品である納豆やキムチ、味噌、ヨーグルトなどには豊富に善玉菌が含まれています。発酵食品を日常的に摂ると、心臓病や糖尿病の予防にも効果があり、メンタル改善にもよいなど、いいことづくしです。積極的に摂るようにしましょう。注意点としては、いろいろな発酵食品をバランスよく摂るということです。前述の過敏性腸症候群の例のように、ある病気には特定の腸内細菌しか効果がない、というケースも存在します。色々な発酵食品をバランスよく食べて、いろいろな腸内細菌をおなかに持っておくことが重要です。

 

③野菜を摂る

  また、おなかの中にいる腸内細菌にエサを与えてあげることも重要です。腸内細菌のエサは「野菜」です。野菜は適度に消化が悪いため、小腸を通過し、腸内細菌がたくさん住んでいる大腸まで到達しやすいのです(消化の良すぎるたべものは小腸でほとんど吸収されしまい、大腸まで届きません)。野菜もバランスよく摂ることが重要です。ただし、体質によっては野菜を摂りすぎるとおなかが張る・ガスが出るなどの症状が出ることもありますので、ご自分の体調に合わせて摂るように心がけてください

 

 

今回は以上になります。

腸内細菌の改善はさまざまな身体・メンタルの不調に効果が期待されますので、ご自分の体調と相談して、日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?

 

腸内細菌と病気・脳・メンタルの関係の研究は非常に多いのですが、臨床報告レベルやサンプル数の少ない研究などもかなりあり、必ずしも質の高い研究ばかりではないのが現状です。とはいえ希望的な研究結果もたくさんありますので、今後に期待したいです!

 

それではまた次の記事で〜!

 

 

  

<参考図書・文献>

*1:鈴木 祐 著,  最高の体調,  株式会社クロスメディア・パブリッシング

*2:Valles-Colomer M.,et al (2019).  Nature Microbiology 4, 623-632.

*3:Kaliomaki.,et al (2001) The Lancet 357, 1076-1079.

*4:福土 審.,(2018) 腸内細菌学雑誌 357, 1-6.

ダイエット中は浮気しやすくなる?心理学的「意思力」について

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今回は「意志力」についてです。

 

みなさんは、人間が「意志の力」だけで何かを成し遂げる確率はどれくらいかご存知でしょうか?

 

ダイエットの成功率や禁煙成功率などさまざまな統計データを平均すると約40%くらいだと言われています。

 

もしあなたの意志の力が強ければ、困難なことや嫌なこと、ダイエットや禁煙、浪費癖をなおす、英語を勉強したほうが良いのは分かっているけどなんとなくめんどくさいと思っていることをやり遂げる、集中力を持続させる、モチベーションを高く維持する、リスクを伴うかもしれないけど自分の人生にとって大事なことにチャレンジする・企業する...等を次々と解決してくれますし、チャレンジ精神も培ってくれます。

意志力はあなたの持てる力をフルに発動させてくれる最強の力といってもよいでしょう。

 

今回の記事では

「①意志力とはそもそも何?」

「②意志力の性質について」

「③意志力を上手に回復させるには?」

を解説していこうとおもいます。

 

 

<意志力とはそもそも何?>

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意志力とは簡単にいうと以下の3つに分類されます。

①やる力

②やらない力

③望む力

 

「やる力」とは、先ほどのように「運動が身体にいいと分かっているのにさぼりたくなる」「英語を勉強したほうが出世もしやすいのになかなかとりかかれない」ようなときに「やる」力のことです。

「やらない力」とは、「ダイエット中だけどケーキが食べたくなる」「禁煙中にタバコがすいたくなる」などの誘惑を我慢する力のことです。自分の感情や思考、行動をしっかり自分で制御できる力のことですね。

最後に「望む力」です。「運動が身体にいいと分かっているのにさぼりたくなる」としましょう。この怠け癖を自制するのが「やる力」でした。

「望む力」とは「運動して健康な身体になって、前からあこがれだったトライアスロン大会に出たい」「いい身体になって異性からモテたい」など、自分の本当の目的は何だったか・本来目指していた理想の自分像とは何だったかを思い起こす力のことです。

 

この「やる力」「やらない力」「望む力」の三つが意志の力であり、最後までやり遂げる原動力なのです。

 

 

<意志力の性質について:一日の意志力には上限がある?>

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この意志力の性質で特筆すべきことがあります。それは、意志力は決断を行うたびに消費されていくということです。

 

禁煙中の人がその反動でどか食いして太ってしまうというのはよく聞く話ですよね。ほかにもダイエット中の人がイライラしやすくなったり、人間関係のストレスに弱くなったもします。ダイエット中の人は浮気をする確率がぐんと上がると言う統計データもあります。

 

また海外で、受刑者の仮釈放を認めるかどうかを判断する委員会を調査した研究もあります。その調査の結果、判断を始めたばかりの午前中は仮釈放が認められる確率が高かったですが、そのうちどんどん時間を追うごとに仮釈放を認める確率が下がっていったのです。いわゆる「決断疲れ」で、何度も難しい判断を繰り返していくうちに「意志力」が低下して、判断力が鈍った結果であると考察されています。

 

このように、あることを自分の意志で行おうとすると、意志力はその分消費されて、他のことへの耐性・忍耐力・集中力がなくなることが心理学的に証明されています

ゲームでいうとMPですね。意志の力を発動させるとMPはどんどん消費されて、最後には集中力も自制心もなくなってしまうのです。

 

よって、ここで注意してほしいことは、「自分が決断疲れな状態になっていないか」「自分は精神的に疲弊していないか?集中力や自制心は落ちていないか?」をしっかりと振り返ってみてください。もし自分の意志力が低下していると思うのであれば、そのような時は自分にとって重大な決断(結婚する・離婚する・転職する・退職する...)は避けるべきですダイエットに意志力を使ってしまい浮気をしてしまう人々のように、間違った判断を起こしやすいです。

意志力や集中力、自制心の回復を待って改めて決断しましょう。

 

それでは意志力を回復するにはどうすればよいのでしょう?

 

 

<意志力を上手に回復させるには?>

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以下に意志力を回復させる方法を列挙します。

①睡眠をとること。

②食事・おやつを上手に摂ること。

③座りっぱなしの人は定期的に立ち、歩くこと。

④軽い運動をすること

 

①は自明でしょう。意志力も身体の疲労状態と連動しています。以下に優れた人でも、疲労した状態では意志力は保てませんし、良い決断もできません。

快眠の方法に関しては以前の記事をご参照ください。

yuukoki.hatenablog.com

 

②の食事も重要です。前述の仮釈放の研究の続きの話です。

判断を始めたばかりの午前中は仮釈放が認められる確率が高く、しかしどんどん時間を追うごとに仮釈放を認める確率が下がっていったのですが、お昼ご飯を食べた後はなんと仮釈放される確率は午前中の値に戻ったのです

これは血糖値と関連があるのではないかと考えられています。

脳は身体の中でも特にブドウ糖の消費量が多い臓器です。よって血糖値が下がってしまうとその機能が低下し、意志力や決断力が鈍ると考えられています。

そこで食事を摂ることで、下がった血糖値を元に戻し、意志力も回復できるのではと考えられています。

ただ、意志力・集中力が下がったからといって、ジュースやお菓子を毎回食べると虫歯や肥満の原因にもなります。また糖分が多すぎる食事・おやつは血糖値の上昇も速いのですが、下がるのも速いため、意志力の回復効果は一時的なものとなってしまいます。

ナッツのような低GI食品を食間に摂るのが理想的でしょう。

 

③について。座りっぱなしは健康に悪いことが知られていますが、意志力にも悪い影響を与えます。その原因は姿勢です。

座りっぱなしになるとどうしても姿勢が崩れてしまいます。そうすると、大量の酸素とブドウ糖を必要とする脳への血流が悪くなります。その結果、意志力が低下することも考えられます。出来るだけ定期的に立ち上がり、5分程度日光があたる場所へ散歩に行くとよいでしょう。

 

④についても同様です。運動はさまざまな健康効果だけでなく、頭脳をつかった活動にも良い影響を与えることは前の記事で紹介してきました。

yuukoki.hatenablog.com

 

軽い運動は脳への血流改善を促し、また気分転換にもなるため、意志力の回復にはもってこいです。

 

 

以上いかがだったでしょうか?

良いと分かってても何となくめんどくさくてやらない・先延ばしにしてしまう、悪いとおもっててもついついやってしまう悪い習慣などを、意志力を高めることでチャレンジして人生をより良い方向に変えてみませんか?

 

今日はここまでです。

また次の記事で!

 

 

 

<参考図書>

*ケリー・マクゴニガル著,  スタンフォードの自分を変える教室,  大和書房

*メンタリストDaiGo著,  自分を操る超集中力,  株式会社かんき出版

身近でやっかいなあの病気の意外な原因

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こんにちは!

今日は身近でやっかいなあの病気の意外な原因についての話です。

その病気とは何かというと「ぜんそく」です。

 

ぜんそくというと子供がかかる病気とお思いの方も多くいます。

そして大人になるにつれて自然と治るイメージがありますよね。

このイメージ、間違ってはいないのですが、大人にも「せきぜんそく」というものがあり、気管支を広げる薬が手放せないという方も結構おられます。

 

ぜんそくは非常につらい病気です。

呼吸がしにくくなるというのは、苦しいですし恐怖です。

発作以外のときも「またいつ発作が来るかわからない」という不安に襲われ、日常生活にも大きな影響を与えます。

 

今日はそんなぜんそくの以外な原因をご紹介します。

結論からいうとカビです。

 

アメリカの環境保護庁の2007年の行った調査によると、ぜんそく患者のうち21%がカビ毒が原因だと推測しています

かなりの割合ですよね...!

 

まず家の中のカビから気をつけていきましょう。カビが生えやすいところはやはり水回りです。蛇口の周り、水道の周りの床、お風呂場、脱衣所の天井(お風呂の湯気などが触れる場所)などは特にカビが生えやすく、蛇口のまわりなどは放っておくと24時間でカビが生えてくるそうです。このカビはエンドトキシンといったカビ毒を空中に散布しますので、あっという間にカビ毒に家が汚染されてしまいます

 

またアメリカ小児科学会は、1歳以下の幼児はカビが多い場所には近寄らないように勧告を出したほどだそうです

 

ではどのくらいの建物がカビに汚染されているのでしょうか?

 

アメリカでの研究ですが、なんと一般的な家庭の50%は有害なカビで汚染されていると推測されています。

 

カビはぜんそく以外にもアレルギーの原因ともなっていることが知られています。

このカビ、なんとかしたいですよね!

 

対策は以下の通りです。

①水回りは定期的に掃除する。

②換気を良くする。

③空気清浄機を付ける。

④外出するときはできるだけマスクをする。

 

こうして見てみると、意外と当たり前の対策でカビ毒は防げるのです。

 

③の空気清浄機に関してですが、HEPAフィルターを使っているものを使用してください。HEPAフィルターが現在のところもっとも効率よくアレルゲンやほこりを除去してくれるフィルターになります。

 

 

今回の記事は以上になります。

カビは前述の通り、さまざまな体調不良の原因ともなります。

家を清潔にして身体も健康にしていきましょう!

それではまた次の記事で!

 

あなたのその性格、遺伝かも?人間は遺伝でどこまで決まるの?

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 今回は「人の性格は遺伝でどこまで決まるのか?」についての記事です。

 

 みなさんも何となく経験はあると思います。

 背が高い親の子はやぱり背が高い、性格が親子で似る、親がくすぐったりだと子供もそう...等々。

 

 人は遺伝子と環境、つまり先天的要因と後天的要因の影響を受けて形成されていきます。

 では実際のところ、「何が」「どの程度」遺伝で決まるのでしょうか?

 

 

<遺伝子の影響を知る実験>

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 どのようにして、「何々は遺伝子の影響である」と結論づけるのか?

 科学の世界では一般的に一卵性双生児の追跡研究で調べられます

 

 一卵性双生児は遺伝子が完全に同じ双子です。

 そのような双子のうち、たまたま何らかの事情で、離ればなれに育った双子を調査します。

 つまり、同じ遺伝子を持ちながら、異なる環境で育った双子を観察研究するのです。

 もし、その双子の性格や身体的特徴に違いがあれば、その特徴は遺伝よりも環境の影響が大きいと判断できます。このような手法を用いて、人間のさまざまな特性を調べていくのです。

 

 

<性格はどの程度が遺伝で決まるのか?>

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 以前の記事で紹介した性格分析、ビッグファイブがどれくらい遺伝するかについてまとめます。

 

①外向性(遺伝率46%)

 →性格が外向的なのか、内向的なのかの指標です。

神経症傾向(遺伝率46%)

 →カンタンに言うとメンタルの弱さ・感情的な感受性の高さのことです。

③誠実性(遺伝率52%)

 →こつこつ努力したり、我慢強いかどうかの指標です。

④協調性(遺伝率36%)

 →周りに合わせる、周りを慮る傾向があるかどうかの指標です。

⑤開放性(遺伝率52%)

 →新しいことにチャレンジしたり、受け入れたりするかどうかを示す指標です。

 

 このようにおおむね性格は50%程度は遺伝子で決まってしまいます

 

 知能はどうでしょうか?

 知能に重要な「空間認知能力」「推理推論能力」は約70%も遺伝で決まるそうです。

 

 

 また、精神病の遺伝率も研究されていて、統合失調症自閉症スペクトラムは遺伝率が高く、それぞれ81%と74%と高いのに対して、うつ病に関しては35%程度であったようです

 

 ほかにも誘惑にどれくらい弱いのか、身長や肥満はどれくらい遺伝するのか、持久力の高さ、タバコやお酒への依存度から方向音痴などに至るまで...さまざまなものの遺伝率が研究されています。ご自分のルーツを知る一つの手段として調べてみてはいかがでしょうか?

 

 

<まとめと考察>

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 前述の通り、おおむね性格は50%程度は遺伝子で決まってしまいます。

 もちろん遺伝率50%ですので、後天的な要因で決まる部分もあるといえばあります。

 どういう幼少時代を過ごしたか、どういう人間関係の中で育ったか、どういう学び・経験を積んできたか、どういう努力ををしてきたか...等々によっても性格は影響を受けるでしょう。極端な例ではありますが、動物実験でも性格に対する後天的影響が確認されています。生後すぐに親から引き離した子供と、親から愛情を受けて育った子供とでは、暴力性やストレス耐性などに大きな差が出たという研究報告もあります。

 

 ただし、もし人生の経験値が性格を決めるのだとすると、年をとればとるほど双子の性格は変わるはずなのですが、実際の研究結果は逆でした。年をとればとるほど双子の性格は似ていく傾向があるそうです。

 

 つまり次に考えなくてはいけないのは、「遺伝で決まる性格を無理に変えることは得策なのか」という問題です。

 

 例えば生まれながらに内向的な性格の人が、無理に外向的に振る舞うと本人にとっては毎日の生活がストレスでいっぱいになるでしょう。嫌なパーティや飲み会に毎週のように引っ張りだされるのは内向的な人にとっては苦痛でしかありません。

 私も超内向型な性格なのでとてもよく分かります。私はよほど気の合う親友や家族なら話は別ですが、仕事だろうがなんだろうが飲み会にはいっさい参加しません。昔はそれでも無理に周りにあわせようとして参加したことはありますが、「行かなきゃ良かった」と毎度のように思いました。

 

 遺伝で性格がある程度決まってしまうことを受け入れつつも、自分が環境に合わせることも重要だとは思いますが、それだけだとストレスフルな毎日になってしまいます。

 自分の生まれながらの性格が合う環境を探すという考え方も、幸せでストレスのない人生を歩む上で大事な戦略となってくるのではないでしょうか?

 

 

 以上です。

 性格に関する遺伝の研究を簡単に紹介させていただきました。

 みなさんのより良い生き方の参考にしていただければ光栄です。

 それではまた次の記事でお会いしましょう!

ブレーンストーミング以外の、だれでもカンタンに出来るアイディア発想法①

 

今回もアイディア発想法に関する紹介記事です。

 

前回、歴史上の偉人たちを例にあげ、アイディアはとにかく量が重要であることを説明しました。

また、アイディアをとにかく量産する基本的な方法として、いろいろなブレーンストーミング法をご紹介しました下記の記事をご参照ください

yuukoki.hatenablog.com

 

今回はだれでも簡単にすぐ行える便利な発想法を二つご紹介したいと思います

 

「アルファベットシステム」「名詞・動詞・形容詞法」という発想技法です。

 

 

<①アルファベットシステム>

手順①:テーマを決める。

手順②:AからZまで、そのアルファベットで始まる単語を列挙していく。

手順③:テーマに沿って、手順②の単語を連想・解釈する。

 

これだけです。

簡単な例をあげて説明します。

 

 

(例)テーマ:「毎日30分早起きして、自由な時間を作る。」

 

手順①:「毎日30分早起きして、自由な時間を作る。」

手順②:A→Apple、B→Baseball、C→Clock、D→Deliver...etc(何でも可)

手順③:②をテーマに沿って連想・解釈する。

  ・Apple→りんご→食事→朝食→...→

  (解釈)朝食をいつもより軽めにすませるあるいは職場で食べる...等。

 

  ・Baseball→野球→テレビ→ネットサーフィン→...

  (解釈)夜テレビやネットを見る時間を制限し早寝する、もしくは自由な時間を 夜に持ってくる。あるいはメールチェックなどネットでできる仕事は会社ではなく移動中に行い早く帰宅する単純に睡眠時間を削る...等

 

  ・Clock→時計→時間→スケジュール→...

  (解釈)目覚ましの時間を30分前に設定する無駄な時間を見直す仕事の効率化を行って早く帰宅して自由な時間を作る出社時間を遅らせて時間を確保するもっと自由な時間が出来る仕事へ転職するor移動願いを出す...etc

 

  ・Deliver→注文する→運ぶ→外注する→...

  (解釈)他の人に頼める仕事は頼むFace-to-Faceの仕事(会議、プレゼン、営業等)を電話会議やネット会議にする在宅ワークでいい部分は在宅ワークにするもっと早く帰宅できる移動手段を考える...etc

 

 

このように単語から自由に連想ゲームを初めて、その単語からイメージできることをテーマに沿って記述していくだけです。

単語は適当でかまいません。辞書をめくって適当な単語を拾えばいいです。

解釈は、単語からの連想語から想像するのでもいいですし、その後の解釈からさらに連想してもOKです。

重要なのは連想力とそこからの想像力です。

(ちなみにアルファベットがめんどくさいと言う人は「あいうえお」でも「いろはにほへと」でもなんでもいいです)

 

 

 

<名詞・動詞・形容詞法>

これもカンタンです。

辞書やら分厚い小説本でも使って適当な名詞・動詞・形容詞を拾い、それを組み合わせて文章化、最後にそこから連想・想像してアイディアを作成するだけです。

 

(例):「自作の小説のあらすじを作る。」

手順①:名詞・動詞・形容詞を適当に列挙する。

  ・名詞...鷹、まぐろ、予言、くらげ、バラ、競技者、理論、場所、泥棒...

  ・動詞...向かう、混ぜる、育てる、工業化する、演じる、変える、狂う...

  ・形容(動)詞...うまい、こわい、ひどい、あつい、粗い、偉そうな... 

手順②:上記を組み合わせて文章を作る。

  ・「競技者」は「鷹」を育てるのが「うまい」。

  ・「理論」により「場所」が「狂う」。

  ・「泥棒」が「予言」を「演じる」。

                    ...etc

手順③:上記の文章に適当に肉付けをしてアイディアの種を作る。

  ・「競技者」は「鷹」を育てるのが「うまい」。

  (解釈)工業化・技術の高度化が過度に進んだ時代、人と機械は対等な権利を持ち暮らしていた。機械はつぎつぎと改良され、その進化の速度は生物である人間をはるかに上回り、高い知能を得るに至っていた。一方で人間は知能ではない「感情」を「共感させる」という能力を見いだし、世のすべての動植物と対話できる能力を持つに至った。機械は知性を、人間は共感能力による全生物との和合を担い、両者は平和に暮らしていた。

 人間の中で、特に「競技者」と呼ばれるものは、非常に高い共感能力を持っており、他の生物の感情を理解し対話するだけでなく、その心を操ることさえも出来た(「鷹」→「全動植物」に、「育てるのが上手い」→「高い共感能力で操れるから」に変換しました。このへんは自由に連想・想像していただければOKです)。時には平和的に振る舞い、時には他の生物を滅ぼすように仕向けさえした。「競技者」は古い聖書に描かれる神にも似た存在として敬われ、あるいは恐れられた。

  ・「泥棒」が「予言」を「演じる」。

 (解釈)機械は、その高い知性を以て「予言」と言われるプログラムを作成していた。この「予言」のおかげで天災や犯罪・反乱を予測し、未然に防ぐことが出来ていた。この「予言」は最高機密として扱われ、一部の機械と人間のみがアクセスすることを許されていた。しかしあるとき、「泥棒」と呼ばれる集団が、この「予言」を書き換えてしまった。そのため、世界は未曾有の災害と内乱の時代を迎えることになる。一方で本来の「予言」は「泥棒」の手に渡り、彼らは予言者のごとくふるまい(ここはそのまま手順②の文を採用しました)、多くの人間と機械は彼ら「泥棒」に従った。

 

 こんな感じでしょうか?文章・内容が下手なのは理系ですのでご容赦ください(笑)。

 

 対立軸は、よくありがちな「機械 vs 人間」ではなく、「一般の機械+人間 vs 特殊な人間」ですね。特殊な人間は「泥棒」と「競技者」なので、三つどもえです。三国志みたいに適度に複雑で適度に奥深い感じになるといいですねー。

 ただいくら特殊な能力とは言え、動植物しか操れない(機械は操れない)「競技者」と「予言」を持っているだけの「泥棒」が、全能に近い機械相手にどう張り合っていくのかも考える余地はありそうです。何か未知の能力を秘めた動物・植物が居るのか?、機械の味方をしている人間を操るとかなのか?、隠れた特殊能力がまだあるのか?、そもそもなんで「共感」なんて能力が生まれたのか?の謎を解き明かすタイミングもストーリー上重要になるかもしれないですね。

 また最後の文章に「多くの人間と機械は彼ら「泥棒」に従った。」とありますが、そもそも「予言」は存在自体が機密なはずなので、「何が何やら分からないけど、「泥棒」たちの言う通り動けば、なぜか天災や犯罪を回避できるので従わざるを得なかった」と言う感じでしょう。「予言」が盗まれた、書き換えられたこと自体を、機械や人間の上層部は公表するのかしないのかもストーリーの設定上重要ポイントになるかもですねー。

 

...等々、長くなりましたがこの「名詞・動詞・形容詞法」の長所は、組み合わせの数が膨大な点です(名詞・動詞・形容詞を10個づつ列挙すれば、その組み合わせは1000通り以上になるので、アイディアの種作りにはとても効率がよいです)。しかもカンタンなので、ぜひお試しください。前述の通り、アイディアの種に刺激を受けて働く自由な連想力と想像力が重要です

 

 

今回は以上になります。

アイディア発想法はいろいろ収集しているので、また紹介していきたいと思います。

それではまた次の記事でお会いしましょう!

 

 

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