ゆうちゃんの家

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【睡眠不足の弊害】睡眠不足でIQ(知能)が下がる!

【概要】

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今日の記事も睡眠のお話です。

過去記事でもご紹介しましたが、睡眠不足や睡眠の質の低下はさまざまな弊害を及ぼします(過去記事を下にまとめていますのでぜひご参照ください)。

健康面では生活習慣病やガンなどありとあらゆる病気のリスクを上げてしまいますし、メンタル面においてもうつ病発症リスクを40%上昇させるという研究もあります。

 

実は睡眠不足は知能にも致命的なダメージを与えます。

 

yuukoki.hatenablog.com

 

 

【各論】

①睡眠不足でIQが下がる

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睡眠にとって大切なことは「時間と質」です。

大半の人にとって必要な睡眠時間は7〜8時間と言われています。6時間を切ると、さまざまな健康リスクを抱えることになります。また、睡眠の質とはレム睡眠とノンレム睡眠の適切なリズムと深度を意味します。

ある研究によると、なんらかの慢性的な睡眠障害を抱えた人の知能指数(IQ)は、平均5ポイントほど低下しているそうです。また健常人においても、徹夜をする前と後とでは、IQスコアは1σ(IQスコアで15ポイントにあたります)も異なるという報告もされています。

IQテストの考案者の一人でもあり、スタンフォード大学教授の心理学者ルイス・ターマン氏の著書『天才の遺伝学的研究(Genetic Studies of Genius)』においても、よく眠る子供は、年齢に関係なく知能が高いと報告しています。

また一卵性双生児を追跡調査した研究でも、睡眠時間が長い子供のほうがIQと学業成績が良かったという報告があります(一卵性双生児の研究ですので、遺伝子は同じです。つまり睡眠時間が長いという『環境』が知能と学業に影響を与えるという結果になります)。

さらに研究室内で行われたコントロールされた研究においても、睡眠時間が40〜50分長い子供のほうがIQスコアが高くなる傾向が観察されています

またまたさらに別の研究によると、5日間連続で睡眠時間を5時間以下に制限したグループは、48時間眠らなかったグループと同程度の認知・処理能力しか発揮できなかったという研究結果も報告されています。これはほぼ酩酊状態の認知機能に相当します

 

IQとは簡単にいうと推理推論能力や短期記憶能力、処理能力などを意味します。このIQが、長期的な睡眠障害や短期的な睡眠不足で低下してしまうのですから、当然仕事への集中力・パフォーマンスも低下することでしょう。

睡眠時間を削ってまで頑張るべきかどうかを短絡的に捉えていると、中長期的な視点では仕事は捗らないかもしれないことを考えましょう!

IQを高める手法は下記の過去記事にまとめていますので参考にしてくださいね!

 

yuukoki.hatenablog.com

 

②睡眠不足で成績上位者が簡単に下位になる。

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上述の通り、睡眠不足はIQの低下を招くため、当然学業成績の低下も招きます。

それでは睡眠不足で一体どれだけ成績は落ちるのでしょうか?

ある研究によると、成績上位10%に入っていた学生の睡眠時間を一定期間7時間以下に制限したところ、彼らの成績は下位9%まで落ち込んだそうです。

勉強することは大切なことですが、勉強したことが短期記憶から長期記憶に変換されなければ勉強の意味はありません。この、短期記憶が長期記憶に変換されるのに、良質な睡眠が必要であることが脳波研究やMRIを使った実験で分かっています(少し難しい話をすると、深い睡眠中に、短期記憶を司る「海馬」と呼ばれる脳の部位から、『皮質』という長期記憶を司る部位に信号が送られるそうです)。

 

睡眠時間を確保すれば成績が上がるという報告は他にも多数あります。たとえばアメリカで始業時間を遅らせることで生徒の成績が上がった事例や、朝にテストを受けた生徒の成績よりも昼に受けた生徒の成績の方が高かったという事例など枚挙にいとまがありません。

 

③睡眠不足で判断力・認知機能が低下する。

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アメリカにおいて、医療ミスによる死亡事故は心臓発作やガンに次ぐ死因だそうです。優秀な医師たちでさえ睡眠不足による判断力低下が起こることが分かっています。

ある研究によると、一睡もせず30時間勤務し続けた医師は、充分睡眠をとったときに比べて、診断ミスをする確率が460%も上昇したそうです。

 

 

 

以上いかがだったでしょうか?

日本人は頑張り過ぎで、平均睡眠時間は世界的に見ても短いです。

頑張ることは大切なことですし、時に自分を犠牲にしてまで社会に尽くそうとする日本人の気質が日本を支えている部分もあるとは思います。

しかし、多くの科学的研究は、睡眠不足により人の能力が低下することを示しています。

素晴らしい業績を上げている人もそうでない人も、もう一度ご自分の睡眠時間と睡眠の質を見直してみてはいかがでしょうか?

 

次の記事では、「じゃあどうやったら睡眠の質はあがるのか?」について言及したいと思います。

今日はこの辺で!

 

 

 

【参考文献】

1:マシュー・ウォーカー著、『睡眠こそ最強の解決策である』、SBクリエイティブ株式会社

2:樺沢紫苑著、『脳を最適化すれば能力は2倍になる』、株式会社文響社

3:ベネディクト・キャリー著、『脳が認める勉強法「学習の科学」が明かす驚きの真実!』、ダイヤモンド社

 

 

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