脳を大きくし、IQを高める簡単な方法
今回は脳の萎縮を食い止める簡単な方法をご紹介します。
何だと思いますか?
結論からいうと「青魚を食べること」「適度な運動」です。
<青魚を食べると脳の灰白質の容積が増える>
巷でもよく昔から「青魚を食べると頭が良くなる」と言われているのを聞いたことがあると思います。
それが科学的に検証された結果が発表されました。
65歳以上の参加者260人を10年間追跡調査し、脳のMRI(脳大きさや形を画像化する機器)を行いました。さらに各自の食生活も調査しました。
その結果、週に1度以上青魚を食べていた参加者の脳の灰白質の容積は、前頭葉で14%、海馬で4%ほど増加していたそうです。
(前頭葉とは判断・認知・推論能力などを司り、海馬は記憶力を司るといわれています)
青魚の調理法もポイントのようで、高温で調理した魚を食べていた参加者では、上記のような脳灰白質の増加は認められなかったとそうです。私見ですが、おそらく青魚に含まれるω脂肪酸が酸化・破壊されてしまったのではないかと思います。
日本人は魚を食べる習慣がありますから、そういう習慣はとても大事なのかもしれませんね...!
<適度な運動が、脳の海馬の萎縮を食い止める>
年をとると、物覚えが悪くなったり、覚えたはずのことがなかなか思い出せなかったりします。
記憶力を司る脳の部位は、前述の通り「海馬」ですが、この海馬の萎縮を運動によって食い止めることが出来たという研究結果があります。
アメリカで行われた120人を対象にした研究です。
研究グループは被験者たちを二つのグループに分けました。
一つは「持久力トレーニングをさせるグループ」、もう一つは「心拍数の上がらない運動をしてもらったグループ」です。
その後2年間に渡り、脳のMRI画像を撮って、脳の海馬の容積を計測しました。
その結果、持久力トレーニングを行ったグループでは海馬が2%ほど大きくなっていたのに対して、軽い運動をしたグループではそのような現象は見られなかったのです。
運動が創造性を高めることは以前の記事で紹介しましたが、脳の大きさにも影響するのですね...!
<運動はIQも向上させる?>
IQは知能指数のことです。IQのうち結晶性知能(いわゆる知識)の遺伝率は10%ほど。
一方で、流動性知能(推理推論能力や空間認知能力など)は70%ほどが遺伝で決まると言われています。
今回はその一般論とは少し違った結論の研究結果を紹介します。
一卵性双生児の追跡研究です。
一卵性双生児はご存知の通り、遺伝子は全く同じです。もし本当にIQが遺伝によってのみ決定されるのであれば、一卵性双生児のIQは同じになるはずです。
ところが一部の双子はIQは異なっていたのです。
双子のうち持久力が高い方の子は、IQが高い傾向にあることが分かりました。
ちなみに筋力の多さと知能は関係がなく、持久力と相関があったそうです。
持久力のつく運動をすればIQがあがるかもしれないことが示唆される結果です。
以上、いかがだったでしょうか?
現在の心理学の研究では、個人の幸せは知能だけでは決まらないという説が主流ではありますが、知能の高さもまた大切な能力の一つです。
皆さんもぜひ運動や魚を取り入れた料理を食べて、脳を健康に保ってくださいね。
それではまた次の記事で!
<参考文献>
アンダース・ハンセン 著, 「一流の頭脳」, サンマーク出版