ゆうちゃんの家

メンサ・科学者・自閉症スペクトラム。心理学・薬学・医学・アイディア発想・エッセイ等(@UCHAM0410)

ダイエット中は浮気しやすくなる?心理学的「意思力」について

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今回は「意志力」についてです。

 

みなさんは、人間が「意志の力」だけで何かを成し遂げる確率はどれくらいかご存知でしょうか?

 

ダイエットの成功率や禁煙成功率などさまざまな統計データを平均すると約40%くらいだと言われています。

 

もしあなたの意志の力が強ければ、困難なことや嫌なこと、ダイエットや禁煙、浪費癖をなおす、英語を勉強したほうが良いのは分かっているけどなんとなくめんどくさいと思っていることをやり遂げる、集中力を持続させる、モチベーションを高く維持する、リスクを伴うかもしれないけど自分の人生にとって大事なことにチャレンジする・企業する...等を次々と解決してくれますし、チャレンジ精神も培ってくれます。

意志力はあなたの持てる力をフルに発動させてくれる最強の力といってもよいでしょう。

 

今回の記事では

「①意志力とはそもそも何?」

「②意志力の性質について」

「③意志力を上手に回復させるには?」

を解説していこうとおもいます。

 

 

<意志力とはそもそも何?>

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意志力とは簡単にいうと以下の3つに分類されます。

①やる力

②やらない力

③望む力

 

「やる力」とは、先ほどのように「運動が身体にいいと分かっているのにさぼりたくなる」「英語を勉強したほうが出世もしやすいのになかなかとりかかれない」ようなときに「やる」力のことです。

「やらない力」とは、「ダイエット中だけどケーキが食べたくなる」「禁煙中にタバコがすいたくなる」などの誘惑を我慢する力のことです。自分の感情や思考、行動をしっかり自分で制御できる力のことですね。

最後に「望む力」です。「運動が身体にいいと分かっているのにさぼりたくなる」としましょう。この怠け癖を自制するのが「やる力」でした。

「望む力」とは「運動して健康な身体になって、前からあこがれだったトライアスロン大会に出たい」「いい身体になって異性からモテたい」など、自分の本当の目的は何だったか・本来目指していた理想の自分像とは何だったかを思い起こす力のことです。

 

この「やる力」「やらない力」「望む力」の三つが意志の力であり、最後までやり遂げる原動力なのです。

 

 

<意志力の性質について:一日の意志力には上限がある?>

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この意志力の性質で特筆すべきことがあります。それは、意志力は決断を行うたびに消費されていくということです。

 

禁煙中の人がその反動でどか食いして太ってしまうというのはよく聞く話ですよね。ほかにもダイエット中の人がイライラしやすくなったり、人間関係のストレスに弱くなったもします。ダイエット中の人は浮気をする確率がぐんと上がると言う統計データもあります。

 

また海外で、受刑者の仮釈放を認めるかどうかを判断する委員会を調査した研究もあります。その調査の結果、判断を始めたばかりの午前中は仮釈放が認められる確率が高かったですが、そのうちどんどん時間を追うごとに仮釈放を認める確率が下がっていったのです。いわゆる「決断疲れ」で、何度も難しい判断を繰り返していくうちに「意志力」が低下して、判断力が鈍った結果であると考察されています。

 

このように、あることを自分の意志で行おうとすると、意志力はその分消費されて、他のことへの耐性・忍耐力・集中力がなくなることが心理学的に証明されています

ゲームでいうとMPですね。意志の力を発動させるとMPはどんどん消費されて、最後には集中力も自制心もなくなってしまうのです。

 

よって、ここで注意してほしいことは、「自分が決断疲れな状態になっていないか」「自分は精神的に疲弊していないか?集中力や自制心は落ちていないか?」をしっかりと振り返ってみてください。もし自分の意志力が低下していると思うのであれば、そのような時は自分にとって重大な決断(結婚する・離婚する・転職する・退職する...)は避けるべきですダイエットに意志力を使ってしまい浮気をしてしまう人々のように、間違った判断を起こしやすいです。

意志力や集中力、自制心の回復を待って改めて決断しましょう。

 

それでは意志力を回復するにはどうすればよいのでしょう?

 

 

<意志力を上手に回復させるには?>

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以下に意志力を回復させる方法を列挙します。

①睡眠をとること。

②食事・おやつを上手に摂ること。

③座りっぱなしの人は定期的に立ち、歩くこと。

④軽い運動をすること

 

①は自明でしょう。意志力も身体の疲労状態と連動しています。以下に優れた人でも、疲労した状態では意志力は保てませんし、良い決断もできません。

快眠の方法に関しては以前の記事をご参照ください。

yuukoki.hatenablog.com

 

②の食事も重要です。前述の仮釈放の研究の続きの話です。

判断を始めたばかりの午前中は仮釈放が認められる確率が高く、しかしどんどん時間を追うごとに仮釈放を認める確率が下がっていったのですが、お昼ご飯を食べた後はなんと仮釈放される確率は午前中の値に戻ったのです

これは血糖値と関連があるのではないかと考えられています。

脳は身体の中でも特にブドウ糖の消費量が多い臓器です。よって血糖値が下がってしまうとその機能が低下し、意志力や決断力が鈍ると考えられています。

そこで食事を摂ることで、下がった血糖値を元に戻し、意志力も回復できるのではと考えられています。

ただ、意志力・集中力が下がったからといって、ジュースやお菓子を毎回食べると虫歯や肥満の原因にもなります。また糖分が多すぎる食事・おやつは血糖値の上昇も速いのですが、下がるのも速いため、意志力の回復効果は一時的なものとなってしまいます。

ナッツのような低GI食品を食間に摂るのが理想的でしょう。

 

③について。座りっぱなしは健康に悪いことが知られていますが、意志力にも悪い影響を与えます。その原因は姿勢です。

座りっぱなしになるとどうしても姿勢が崩れてしまいます。そうすると、大量の酸素とブドウ糖を必要とする脳への血流が悪くなります。その結果、意志力が低下することも考えられます。出来るだけ定期的に立ち上がり、5分程度日光があたる場所へ散歩に行くとよいでしょう。

 

④についても同様です。運動はさまざまな健康効果だけでなく、頭脳をつかった活動にも良い影響を与えることは前の記事で紹介してきました。

yuukoki.hatenablog.com

 

軽い運動は脳への血流改善を促し、また気分転換にもなるため、意志力の回復にはもってこいです。

 

 

以上いかがだったでしょうか?

良いと分かってても何となくめんどくさくてやらない・先延ばしにしてしまう、悪いとおもっててもついついやってしまう悪い習慣などを、意志力を高めることでチャレンジして人生をより良い方向に変えてみませんか?

 

今日はここまでです。

また次の記事で!

 

 

 

<参考図書>

*ケリー・マクゴニガル著,  スタンフォードの自分を変える教室,  大和書房

*メンタリストDaiGo著,  自分を操る超集中力,  株式会社かんき出版

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