「泣く」ことは身体に良い!不安やうつも改善されるかも?
今回の記事は「泣くこと」の健康への効果についてです。
映画に感動したり、うれしい夢をみたときに涙が出たことはありませんか?
またくやしい思いをしたとき、つらい思いをしたときなど...。
泣くと気分がすっきりした経験をお持ちの方も多いと思いますが、このような現象を心理学では「カタルシス効果」と呼びます。
今回は「泣く」ことの効果を脳科学的にご紹介します。
<涙には3種類ある>
①基礎分泌
目の表面を潤すために、常に分泌されている涙。まばたき動作により刺激されて分泌されます。
②反射分泌
目に異物が入ったときの刺激で分泌される涙。
③情動性分泌
喜怒哀楽などの感情の刺激により分泌される涙。
このうち、リラックス効果や抗うつ効果があるのは、情動性分泌です。
<情動性分泌の涙の効果>
情動性分泌とは感情の刺激による涙です。
この感情刺激が原因で「泣く」ことによるメリットは下記のとおりです。
①ストレスホルモンが涙と一緒に排泄されるので、ストレス軽減効果が期待できる。
②苦痛を和らげる物質エンドルフィンがつくられるため、幸福感を感じたり、さまざまな苦痛に耐える力が増すことが期待される。
③副交感神経が優位になるため、リラックス効果が期待できる。
ちなみに悲しいときや悔しいときに泣くことも上記の効果が期待できますが、より効果が高いのは「感動」「共感」の涙だということが科学的に分かっています。
<科学的根拠:泣くとメンタルが安定しストレスが軽減する>
POMS心理テストというものがあります。
おもに「不安・緊張」「抑うつ」「怒り」「活力」「疲労」「混乱」などの心理状態を測るテストです。
とある研究報告です。
被験者に映画を見せてました。そして涙を流した人を集め、映画を見る前と後のPOMS心理テストのスコアを確認したところ、上記6項目のいずれも半分程度の改善が見られました。
またアメリカの研究でも同様の結果が得られています。
被験者に映画を見せて流した涙と、タマネギによって流した涙の成分を比較しました。
その結果、映画を見せて流した涙にはストレスホルモン(ACTH)が含まれていましたが、タマネギ刺激が原因の涙には含まれていませんでした。
さらに血液中のストレスホルモンも測ったところ、感動などの情動変化が原因で泣いたグループの血中ストレスホルモンは有意に低下し、この現象はタマネギ刺激で泣いたグループでは認められなかったのです。
また脳の部位に内側前頭前野という場所があります。
この部位の機能低下はうつ病の患者でよく見られます。
感動で人が涙を流し場合、この内側前頭前野の血流の上昇が起こることが確認されていますので、このような生理現象も「抑うつ」の改善に役立っているのではないかと推察されています。
以上です。
定期的になくことは、みなさんのメンタルをケアする上でも重要そうですね。
泣きたいときは無理せず泣くことも大事です。
泣くことでカタルシス効果が得られ、すっきり吹っ切れます。
良ければ参考にしてください。
それではまた次の記事で!