ゆうちゃんの家

メンサ・科学者・自閉症スペクトラム。心理学・薬学・医学・アイディア発想・エッセイ等(@UCHAM0410)

【考察】ハンニバル・レクターはサイコパスなのか?

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【概要】

今回は考察記事です。

ちょっと前に見た海外ドラマ版の「ハンニバル」についての心理分析をしてみたいともいます(映画版は見たことがないので今回は海外ドラマ版の考察のみとなっております)。

ちなみに、原作者のトマス・ハリスハンニバルをソシオパスとしてイメージしていると言います。ただ映画などの中では、ハンニバルサイコパスとして描かれているそうです。

 

 

目次

サイコパスとは?

ハンニバルの犯行・言動概要

・考察

サイコパスっぽい海外ドラマのキャラクター

 

 

サイコパスとは?】

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これは過去記事を参照してください。主な特徴は下記の通りです。

・共感能力の欠落(人の気持ちや感情を読み取る能力が低い)

・衝動性が強い(自分の行動や感情をコントロールする能力が低い)

・良心や道徳の欠如

・社会的罰から学べない(なんども同じ悪事を繰り返す)

・不安や緊張、恐怖をあまり感じない 

yuukoki.hatenablog.com

 

 

ハンニバルの犯行・言動】

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ハンニバルの犯行

シリアルキラー

・犯行現場については隠蔽するどころか、意味なく飾り付けたり、放置したりしていることが多い一方で、証拠は一切残さない

・被害者の一部を調理して食べてしまう

 

まずFBI式プロファイルによると、シリアルキラーは白人の男性が多いとされています(この点は当たってますね)。また犯行現場について、死体の隠匿などを行っていないことから無秩序型にも見えますが、証拠を一切残さないことから秩序型の犯人像も想定されます。このようにプロファイリング像が複数考えられる場合、犯人は複数犯である可能性・犯人は多重人格である可能性・犯人は複数の妄想を患っている可能性・愉快犯的側面がある可能性・混合型(無秩序型にも秩序型にも分類されないタイプの犯人)の犯人である可能性・何らかのアクシデントにより犯行スタイルが変化した可能性などさまざまなケースが考えられます(ただ多重人格、いわゆる解離性同一性障害の場合は、人格交代を自身でコントロールすることは不可能で、対人関係で何らかの違和感を周囲に与えているはずです。またこのようなタイプの犯人が証拠を残さないような計画性のある犯行を起こすことは難しいでしょう)。

以上より、個人的な見解ですが、全く証拠を残さず、長年司法当局の捜査を逃れていることから秩序型に分類されるべきだと思います。つまり、通常の社会的地位を持ち(きちんとした職業についている)、知能も平均かそれ以上、精神疾患というよりは人格障害であること、通常の社会的生活を営んでいることが考えられます。ただ混合型の場合も完全には否定できません。

 

また被害者の一部を食べてしまうという点に関して。これは、尊敬する相手の一部を自分の体内に取り込む「儀式的行為」として行われる文化圏もあります。あるいはただそのような妄想を抱いている可能性もあるでしょう(この場合は妄想性分裂症などが該当しますが、この場合は人格破綻の程度が大きいため、計画的で証拠を残さないような犯行は難しいでしょう)。逆に相手を虐げる目的で食べるという行為を当人が位置づけている場合もあります(この場合は加虐性パーソナリティ、いわゆるサディズム的人格です)。また、妄想性パーソナリティやサイコパスというだけでは食人行為を行うほどの人格破綻は説明はつきません。なんらかの精神疾患を疑わせるような障害を併せ持つ可能性は捨てきれません。

 

ハンニバルの言動

ハンニバルはとても洗練された趣味・嗜好を持っています。さまざまな楽器を弾いたり、整った自宅・クリニックを持っています。食事に対するこだわりも強く美食家といっても良いでしょう。人間関係についても礼儀正しく知的で紳士的な振る舞いをしています。このようなことから明確な人格破綻は見られないため、すくなくとも重度の精神疾患の可能性は低いように思います。あるとすれば人格障害もしくは人格の破綻を伴わない精神疾患でしょう。

ハンニバルの対人関係は、ウィルグレアムやジャッククロフォード、ハンニバルのカウンセラーに対して時折、人心操作的な振る舞いが見られます。また嘘(明確な嘘ではなく、重要な事実だけを伏せていたり、詳細を曖昧化するなどのタイプの嘘)も頻繁に見られ、さらに表面上は魅力的な人間に見えることと裏では連続殺人を犯しながらも平然と振る舞っていることから、他者への共感能力の欠如や捕まることへの恐怖の欠如なども見られます。こういう点はサイコパス・ソシオパスと合致する点ではあると思います。

 

ただサイコパスの特性だけでは連続殺人や食人行為を説明することは出来ません。サイコパス的特性の他にもなんらかの人格の問題があると思われます。

 

 

【考察】

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ハンニバルには目立った人格破綻は見られません。これは生活様式は一貫して秩序があり、一見社会的・対人的に問題がないことから明らかです。人格破綻が見られるようであれば、仕事や生活や対人関係に一貫性のなさやトラブルが必ず現れるはずです。

ハンニバルの対人関係については操作的で、巧みに隠蔽された嘘がちりばめられています。また犯行を行いながらも、平然としている点は、共感能力や道徳・良心の欠如、不安や恐怖の欠落が推察され、サイコパスと酷似していると思わされます。

ハンニバルの犯行様式としては、証拠を残さないという計画性はありながらも、「遺体を飾り立てる」「食人行為」などの快楽殺人的側面があり、サイコパス以外にも複数のパーソナリティ障害や、人格破綻を来さない程度の精神疾患の併存が疑われます。ハンニバル本人はシーズン2で「無礼者は可能な限り食べる」と述べていたり、プロファイラーのウィルグレアムの言葉を借りればハンニバルの犯行は「被害者を豚扱いだ」となっており、これらが正しいとすれば、相手を虐げる目的を持っている「加虐性パーソナリティ障害:サディズム」や「無礼者は食べなくてはならない」という強い強迫観念に支配された強迫性障害、妄想性障害などが該当すると思われます(この場合は幼少期になんらかのトラウマがあった可能性が推察されます)。

いずれにせよ、ハンニバルに象徴的な「食人行為」はサイコパス特性由来の行為ではないと思われます。

 

 

サイコパスっぽい海外ドラマのキャラクター】

ラムジーボルトン

海外ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のキャラです。この人はある王家の子なのですが、嫡男ではなく落とし子なのです。そのため、さまざまな策略を用いて父に認められようと画策します。そのためなら手段を問わず、最終的には父を暗殺して、王の座を射止めます。そういう権力に固執し、人心操作を行う部分はサイコパス的特性があると言えるでしょう。また、捕虜を過剰にいたぶったりする行為からはサディスト的特性もあると思われます。

 

・グレゴリー・ハウス

海外ドラマ「ドクター・ハウス」の主人公です。天才的な診断医である一方、患者の命を救うためなら手段を問わない型破りな医師です。ブラックジョークをいつも炸裂させるユニークな先生ですが、共感能力の欠如・時に見せる冷酷さ・嘘や対人操作能力の高さ・自己中心的...など多くの部分がサイコパスに酷似します。ハウス先生はけっして悪人ではないですが、実際多くのサイコパスも悪人ではありません。私からするとハウス先生のような人こそサイコパスの典型例であり、現実世界にいるちょっと迷惑でめんどくさいけど犯罪を起こさないタイプの「良いサイコパス」だと思います。

 

 

以上になります。

海外ドラマやサスペンスものは、ストーリーを推理しながらみたり、上記のように心理分析をしてみたりと色々な面から楽しめます。

みなさんもためしてみてくださいね!

 

 

<参考記事>

 

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