「孤独を愛する人」はスキゾイドパーソナリティかも?
今回はパーソナリティ障害の一つ、スキゾイドについて紹介します。
みなさんの周りにはいませんか?
一人が好きな人。
かといって、一人でいることを寂しいと思っている節はない。
もしかしたら、そういうひとはスキゾイドパーソナリティなのかもしれませんね。
(実は私も自分はスキゾイドなんじゃないかなあと思っています笑)
<孤独な人の「性格」とは?>
孤独な人にも実はいろいろなパターンがあります。
以下のスキームをご覧ください。これは人間関係が成立するまでに必要なプロセスを表しています。
(実際の人間関係の心理学はもっと複雑ですが、今回は表面的な話をします)
ステップ①:人と関わろうと思う(動機)
↓
ステップ②:人は多くの場合、危険ではないと思う(信頼・安全)
↓
ステップ③:人と関わる能力を持っている(対人・社会的スキル)
↓
ステップ④:人と関係を構築できる(関係性の維持・発展)
このステップ①〜④をすべてクリアすると人間関係が生まれます。
たとえば回避性パーソナリティの人の場合を考えてみましょう。
彼らは人と関わりたいという欲求はもっています。しかしながら、すべての人が自分に友好的かどうかに強い不安を持っています。上記スキームでいうとステップ②でつまづいてしまい、孤独になってしまうのです。
いわゆるコミュ障の人はどうでしょう?
人と関わりたいという欲求もあり、別段人を恐れてもいないのですが、ステップ③の対人・社会的スキルで失敗してしまい、孤独になりがちです。こういう人の場合、コミュニケーション能力や相手の感情を理解するためにEQを上げるなどを行えば、孤独は治ります。
それではスキゾイドの人の場合。
彼らは人を恐れている訳ではありません。社会的スキルも低いわけではないのです。実際に仕事で仕方なくプレゼンを行う必要があった場合、いざやらせてみると、意外とそつなくこなしたりできるそうです。
ただ基本的に彼らは人とかかわり合いたいという動機自体が弱いのです。外の世界や周りの人への関心・興味がもとから薄いため孤独になりがちなのです。つまりステップ①が欠落しているのです。
彼らはとくに能力が劣っているわけではないので生活に困ることもあまりありません。人とかかわり合いたいという欲求がもとからあまりないため、結果的に孤独になったとしても、それを「つらい」と感じる傾向もあまりありません。
<スキゾイドの特徴>
スキゾイドパーソナリティの人はだいたいどれぐらいいるのでしょう?
パーソナリティ障害とはスペクトラムですので一概には言えないのですが、一説には4〜8%ほどもいると言われています。
(もっとも前述の通り、スキゾイドの人はそもそも自分の状況を「つらい」と思わないケースが多いので、他のパーソナリティ障害と比べ、心療内科を受診しないケースが多いです。また診断基準もあいまいなため、正確な数値は分からないと思います。)
スキゾイドの診断基準は以下のうち4項目以上を満たすかどうかで診断されます。
①家族も含め、親密な関係を持ちたいとは思わない。もしくはそれを楽しいと感じない
②孤立した行動を好む
③異性との性体験への興味・体験が、もしあったとしても少ししかない
④喜びを感じられるような活動が、もしあったとしても、少ししかない
⑤第一親族以外には、親しい友人、信頼できる友人がいない
⑥賞賛にも批判に対しても無関心(に見える)
⑦情緒的な冷たさ、超然とした態度あるいは平板な感情(のように見える)
意外と当てはまる方も多いのではないでしょうか?
<まとめ>
スキゾイドパーソナリティは決して害をおよぼすような人格ではありません。
周りの人から見ると「ちょっと変わった人」「付き合いの悪い感じ」「何を考えているのか、どういう人なのかよく分からない」といった第一印象をもたれることが多いようです。しかし、彼らに悪気はまったくないのです。ただ孤独を好む傾向があるというだけです。
なので、あまりずけずけと接してしまうと避けられてしまうかもしれませんね。
決して悪い人格ではないので、適度な距離を保ちつつ接していけば、意外と仲良くなれるかもしれませんね。また周りへの関心が薄い分、ユニークな発想・冷静な視点を持っているため意外と頼りになるかもしれませんよ...!
以上になります。
4〜8%ほどいるらしいので、きっとみなさんの周りにもいるはずです。
上記の特徴を尊重してあげた上で、どうか優しく接してあげてくださいね!
それではまた次の記事で!!
<参考記事>
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