ゆうちゃんの家

メンサ・科学者・自閉症スペクトラム。心理学・薬学・医学・アイディア発想・エッセイ等(@UCHAM0410)

あなたの周りにも必ずいる!『隠れて人を攻撃する人たち』【受動攻撃性パーソナリティ】

f:id:yuukoki:20190907223127j:plain

今日はみなさんをじわじわ追いつめる攻撃性パーソナリティをご紹介します。

サイコパスやソシオパス、ナルシシズムなどのダークテトラッド・ダークトライアドに遭遇する確率は決して高くはないですし、そこまで危険度も高くはないですが、受動攻撃性パーソナリティーはめんどくささだけはピカイチです笑。今回ご紹介する攻撃型人格の持ち主はみなさんの周りにもかなりの確率で存在しています。

お気をつけ下さい。

 

 

【二つの「隠れた」攻撃性パーソナリティ】

f:id:yuukoki:20190907223246j:plain

人間の攻撃特性には能動的攻撃受動的攻撃があります。能動的攻撃とはあからさまな無視・暴言・脅迫・暴力・権力の乱用などの、誰が見ても攻撃と分かる攻撃行動です。

一方で受動的攻撃(つまり隠れた攻撃行動)とは、あからさまな攻撃行動には出ず、表面化・露見化しにくい方法でみなさんを攻撃する「回りくどい攻撃行動」です。このような受動的攻撃を主に使うパーソナリティ障害には2タイプあります。一つは以前ご紹介しました潜在的攻撃性パーソナリティ障害(covered aggression:カバードアグレッション)です。もう一つは受動攻撃性パーソナリティ障害(passive aggression : パッシブアグレッション。別名、拒絶性パーソナリティ障害)と呼ばれるものです。

 

 

【具体的に受動性攻撃行動とは?】

f:id:yuukoki:20190907223321j:plain

潜在的攻撃性パーソナリティ(カバードアグレッション)については以前ご紹介しました過去記事をご参照ください。彼らの手口と対策をまとめてあります。

yuukoki.hatenablog.com

 

今回ご紹介する受動性攻撃とは何なのでしょうか?以下にまとめます。多少、潜在的攻撃性パーソナリティとも重複する部分はありますが、ご了承ください。基本的に彼らはみなさんを直接非難したり批判することはありません。ただし、さまざまな方法で妨害活動をやってきます。

 

①わざと無能・無知・混乱を装う。

⇒例えばあなたが上司・同僚だったとします。「〜やっていてください」と頼み事をしたとしましょう。普通の人なら、きちんとこなしてくれたり、あるいは出来なかったとしても謝罪してくれたり、出来なかった理由をきちんと説明してくれたりするはずです。ですが、受動攻撃性パーソナリティの人は、(できるのにもかかわらず)わざと雑に行ったり、わざと忘れてたふりをしたり(選択的不注意といいます)、わざと期限に間に合わないように故意に遅らせたり、あるいはやり方がよく分からなかったからとウソをついたりします。こうして彼らは無知や無能を装って、あなたの頼み事や頼んだ仕事をダメにすることで、あなたにいやがらせをして喜んでいるのです。

 

②被害者を演じる。

⇒前述のとおり、彼らは直接的にみなさんを批判したりしません。代わりによく被害者を演じます。あなたのちょっとした言動の揚げ足を取りオーバーリアクションし、被害者ヅラして大騒ぎします。なぜ彼らはこのようなことをするのでしょう?答えは簡単で、あなたの罪悪感や恥・良心の呵責をかき立て操ろうとしているのです。最悪、事実無根なのに加害者にされてしまうこともあります。また被害者のふりをすることで、彼らは自分に攻撃が及ぶのを避ける傾向もあります。

 

③拒絶を行う。

⇒彼らはあなたと面と向かって戦う気はありません。彼らにそんな勇気はないのです。ただあなたの頼み事だけを選択的に拒絶します。その拒絶の方法も回りくどい方法で、時間はあるのに「時間があったらやります」と言う返答をしたり、暇なのに「今ちょっと忙しいので」といって、これもまた回りくどく拒否をします。たとえばあなたが上司で彼らに用事があり電話をかけたとします。しかし彼らは電話に出れるのに出ないことがあります。あとで理由を問いただすと「ちょっと席を外していたもので...」というウソをつきます。彼らはあなたにあからさまな攻撃はせず、「拒絶」という手法であなたに嫌がらせをするのです

 

ほかにもさまざまな攻撃方法がありますが、上記3つが受動性攻撃の顕著な特徴です。

 

 

【受動攻撃性パーソナリティ障害の彼らは、なぜこのようなことをするのか?】

f:id:yuukoki:20190907223347p:plain

彼らはあなたに対して何らかの要望・不満があるのだけれど、それを伝えるだけのコミュニケーション能力やプレゼン能力・度胸を有しません。よって「攻撃」という手段であなたにアピールしたり、望みを叶えてくれないあなたを攻撃して自分を慰めているのです。かなり根暗な人たちです。

 

ただし注意してほしい点があります。彼らは暴力や暴言などのあからさまな攻撃は確かにしてきません。用いてくるのは回りくどい妨害活動のみです。だからといって、彼らのあなたへの敵意が弱いわけではありません。攻撃方法は確かに回りくどいですが、他の攻撃性パーソナリティと同等の攻撃衝動をもってあなたを見ています。

 

 

【彼らの特徴は?】

f:id:yuukoki:20190907223612j:plain

実は彼らを一見して見分けるのは容易ではありません。しかしながら、しばらくつき合ってみると比較的短期間に判別することができます

 

①一見して大人しく目立たない

⇒彼らはあまり目立ちません。自己主張を正面切って行う度量はないのです。それを論理的に伝える能力も多くの場合持ちません。自発的なコミュニケーションの頻度も高くはありません。ただ能力や実績を上回る欲求をもつ傾向があります。また自分よりも厚遇されている人、能力のある人、地位のある人を異常に羨む・嫉妬することがあります

 

②受動攻撃が失敗に終わると、不平不満を異常に漏らす

⇒これもたいていは隠れた行為になりがちなので、一見してわかりません。ただ受動攻撃が奏功しないと分かると、少しずつ彼らの行動はエスカレートしていきます。まず不平不満の言動が増大します。それら以外はだいたい無口になります。この時点で、こいつなんとなくおかしいな、と気付くはずです。

 

③自暴自棄な行動に出る。

⇒職場であれば、彼らは「小さなルールを破る」というしょうもない反撃に出ます。ちょっとだけ遅刻してきたり、仕事のスピードを少し遅くしたり、電話がなっているのに電話をとるのを遅くしたり(とらないと批判されるので、それを恐れてとらないことはないのです)、あからさまにため息をついたり、挨拶をしなくなったり、毎日マスクをしてきて病気を装ったりするような、何度も言いますが「回りくどい主張・攻撃」に出ます。この段階になると彼らはかなり情緒不安定になっていますので、近寄らないのが懸命です。

 

 

【対処法】

f:id:yuukoki:20190907223645j:plain

①毅然として現実を突きつける。

⇒彼らのように野望を持つこと自体は悪いことではありません。彼らが問題なのは、野望に見合った努力をしないこと、野望を叶えるために人を攻撃することです。彼らの野望を叶えるためには、「〜な基準・要件を満たす必要がある」ということをはっきり伝えましょう。

 

②「隠れた攻撃行動」をきちんと取り上げる。

⇒彼らは正面切って攻撃を仕掛ける勇気はありませんし、なにより自分の攻撃が表沙汰になるのを恐れます。彼らがいままで何をやってきたのかを明確に伝え、反省・改善を促すことです。これを行うことにより、「卑怯な振る舞いで望みが果たされることがない」というメッセージが正確に伝わります

 

 

【まとめ】

f:id:yuukoki:20190907223701j:plain

①攻撃行動には、能動的攻撃と受動的攻撃がある。

 

②受動的攻撃を使う攻撃性パーソナリティには、潜在的攻撃性パーソナリティ(カバードアグレッション)と受動攻撃性パーソナリティの二つのタイプがある。

 

潜在的攻撃性パーソナリティ(カバードアグレッション)への対処法は困難だが、受動攻撃性パーソナリティには、「現実を突きつける」「隠れた悪事を明らかにする」が効果的である。

 

 

以上になります。

判断として難しいのは、彼らが単に仕事が遅いだけなのか、受動攻撃を行っているのかの部分です。前者の場合は悪気はないですので、出来る限りケアをしてあげましょう。受動攻撃人格の裏には、特定の人への嫌悪や不満、あるいは組織への不満という心理があります。特定の人に対して受動攻撃が見られたり、組織に対しては反抗的なのに、趣味などはとてもよくこなしているなどの場合は受動攻撃人格の場合もあるので、きちんと対処していきましょう。受動攻撃人格はある程度は更生可能です。

 

このような、野望は高いが努力はせず、人の足ばかり引っ張ったり、目立てば望みが叶うという人はいます。

ただ深刻なパーソナリティではありませんので、職場の雰囲気を良くするためにも、このような人たちを上手く更生していければいいですね!もともと彼らは野望の高い人なので、能力・努力が伴えば伸びるはずです。

それではまた次の記事で!

 

 

 

<過去記事>

 

yuukoki.hatenablog.com

yuukoki.hatenablog.com

yuukoki.hatenablog.com

yuukoki.hatenablog.com

yuukoki.hatenablog.com

yuukoki.hatenablog.com

yuukoki.hatenablog.com

 

 

プライバシーポリシー