やりたい放題の「他人を操りたがる人」回避法
今回は「他人を操りたがる人」の特徴と回避法のお話になります。
皆さんの周りにはいませんか?
高圧的な態度であなたにYesと言わせようとする人、すぐにマウントをとってくる人、いつの間にかあなたを悪者・加害者に仕立て上げる人、すぐに被害者ぶる人、なんでだか分からないけど勝ち負けにこだわりまくってくる粘着気質な人...。
ちなみに私の周りにはちらほらいます(笑)。
そういう人たちは攻撃性パーソナリティである可能性があります。
攻撃性パーソナリティとは、もともと人格として攻撃的な言動や思想を持つ人たちのことです。
攻撃性パーソナリティには5つのタイプがあります(*1)。
その中の一つ、潜在的攻撃性パーソナリティ(coverd aggression.カバードアグレッション)の人たちは、あなたへのあからさまな敵意は見せませんが、とても露見しにくい言動を使って攻撃し、自分の思い通りにしたいという欲求を満たすために必死です。また、権力や他人への影響力、他人への勝利を求める指向があり、そのためには手段は選びません。
一言で言うと「とてもめんどくさい人たち」です(笑)。
今回は参考図書、ジョージ・サイモン著の「他人を支配したがる人たち」(草思社文庫)の内容を紹介しながら、私の個人的経験も含めて書いていきたいと思います。
まずは潜在的攻撃性パーソナリティの手口を、次に彼らに操られやすい人たちの特徴を、最後に対策を紹介していきたいと思います。
<潜在的攻撃性パーソナリティの手口の特徴>
①無知・無実・混乱を装う。
→彼らの言動の責任を追求しても、「知らない」「自分は悪くない」「こんなのよくあることでしょう?」「そうなの?そんなつもりじゃなかったんだ」などと言いはぐらかします。
②被害者を演じる。
→彼らは自分が加害者になることを徹底的に隠蔽します。そう思われないように細心の注意を払っています。そして被害者を演じることで周りの注目を集め、周りの助力を得ようとします。あるいは誰かを加害者にしたくて被害者を演じる場合もあります。
③はぐらかす・否認する。
→①ととても似ています。話題を変えたり、わざと気づかなかった振りをしたり(選択的不注意といいます)...。とにかく彼らが責任を認めることはほぼありません。
④罪悪感を抱かせる。
→彼らが人を操る手法の典型です。
⑤他人をそそのかす。
→いわゆる流言飛語です。彼らの手口はいつも隠れたところで、人を騙す形で行われます。
<潜在的攻撃性パーソナリティに操られやすい人・目をつけられやすい人>
潜在的攻撃性パーソナリティの人たちは勝ち負けに非常にこだわります。また自分の利益しか考えない傾向があります。逆に言えば自分が負ける可能性のある人には攻撃しませんし、利益を得られない場合も攻撃の的にされる可能性は低まるでしょう。
下記に当てはまる方は、彼らにとって「カモ」に映るかも知れません。
①ナイーブな人
②過剰に良心的な人
→優しい方は、たとえ相手が自分を攻撃してきても「相手がそんな言動をとる原因は、自分にもあるかもしれない」と考えてしまうでしょう。場合によっては優しい人は攻撃性パーソナリティにすら同情を憶えてしまうかも知れません。そういう優しさはつけ込まれやすいのです。
③自信がない人
→彼らは弱い人を狙ってきます。孤立した人を狙ってきます。
④理詰めすぎる人
→②と似ています。理詰めで考える人は公平なので、「相手にも問題はあるが、自分にも問題があるかもしれない」と考えてしまいます。
⑤依存的な人
→潜在的攻撃性パーソナリティの人はあからさまな敵意のある言動をとらないことが多々あります。また人を操ろうとする傾向があるため、最初はとても愛想の良い好人物に見えることがあります(この点はサイコパスと非常に似ています)。人間関係へ依存しやすい人はそんな彼らと仲良くなってしまうかも知れません。そうなるともう彼らはやりたい放題です。彼らが多少あなたを傷つけたとしても、依存性の高いあなたが自分を裏切らないことを知っているからです。
<潜在的攻撃性パーソナリティへの対策>
様々な対策が提唱されていますが、私の経験上、あからさまな反撃は事態を深刻化させます。ただし、彼らにとってこちら側が「カモ」ではないことははっきり示すべきです。
①言い訳を聞き入れない
→潜在的攻撃性パーソナリティの手口でも紹介しましたが、彼らは自分の非を認めません。場合によっては責任転嫁してきます。下記の②でも述べますが、彼らの言葉ではなく行動とそれが招いた事実をしっかり認識することが重要です。繰り返しますが彼らは嘘や言い逃れが上手いです。口車に乗らないようにしましょう。
②相手の意図ではなく、行動・結果・事実で判断する。
→「自分にも問題があるかもしれない」「相手にも特別なんらかの事情があるかもしれない」と考えるのではなく、相手が何を言ったのかやったのか、事実ベースで考えることです。あなたに対してひどい言動を行ったのであれば、相手の意図を慮る必要はありません。
③「ここまでは許す・これ以上は許さない」、という基準を設けておく。
→これをはっきり態度で示すことで、相手がずるずる延々と攻撃してくる確率は下がります。
④握るところを握っておく
→彼らがあきらかに犯罪的な言動(脅迫、パワハラ、名誉毀損など)をとってきた場合に備えて、証拠を集めておくこと。相手が取引先の人間であればしっかり契約をにぎっておくこと(簡単に口約束をしないこと)。彼らの言動が度を超した場合は迷わず当局に相談しましょう。
自分を攻撃しても利益は得られないこと、自分を攻撃すればただではすまないことを示すことが重要です。仲間を増やしておくこと・多数派に属しておくことも有効でしょう。自分を攻撃するにはハードルが高いということを態度で示しておくことも「カモ」にされないために重要です。
いかがだったでしょうか?
残念ながら身の回りに居るサイコパスや攻撃性パーソナリティに対処する方法は多くはありません。
それでも今回の記事が皆さんの身を守る一助になれば幸いです。
それでは次回の記事でお会いしましょう!
<参考文献>
*1:ジョージ・サイモン著の「他人を支配したがる人たち」(草思社文庫)
<過去記事>