ゆうちゃんの家

メンサ・科学者・自閉症スペクトラム。心理学・薬学・医学・アイディア発想・エッセイ等(@UCHAM0410)

【ヤバい人たち】ダークトライアドの見分け方

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今回は、何度かご紹介しているダークトライアドの見分け方をご紹介したいと思います。

ダークトライアドとは過去記事で説明させていただいた通り、以下の3つの人格が合わさった人たちです。

 

①脳の機能構造上の問題で人の気持ちが分からない『サイコパス

②合理主義すぎて人の気持ちがわからない『マキャベリズム』

③自分が大好きすぎて人の気持ちが分からない『ナルシシズム

 

ようするに人の気持ちが分からない・汲み取らない人たちです。

関わるとかなりめんどくさいことになります。そんな「めんどくさい人たち」を見分ける方法があります。

 

 

結論から言います。

 

『勘』です。

 

実はダークトライアドはある程度直観で見分けることが出来るのです。

 

 

【①ダークトライアドは直観で見分けられる】

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ワシントン大学で行われた研究です。

209名の被験者たちを集め、顔写真だけを見せて、ダークトライアドかどうかを判断してもらったのです。

その結果、被験者の60%以上の人がダークトライアドを特定することができました

実は人の直観とは意外と正確なのですね!

 

みなさんもなんとなく思い当たる部分はあると思います。

「いい人にみえるけどなんかあやしいな...」

「立派な人に感じるけどやけに押しが強いな...」

「根拠はないんだけどちょっと合わないかも...」

こういう第一印象が後になってみると実際当たっていたという経験ありますよね!

相手にイヤな第一印象を持ったからといって、それで全てを決めてしまうのは得策ではないとおもいますが、直観は60%程度あたります。

第一印象が「コイツヤバめ!」と思った相手とは、とりあえずしばらくの間距離をとってみて、時間をかけてから改めて判断するのがベストだと思います

 

 

【②実は気の合う人も直感で判断できる】

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ブリティッシュコロンビア大学の研究です。

被験者たちに非常に短時間だけ人の顔写真を見せました。その時間はわずか0.1秒です。なので被験者たちはほとんどその人たちの顔を覚えてはないです。その直後に「その人は信頼できるか?」と質問します。被験者はYes/Noで答えます。これを何度か繰り返したそうです。

 

最後、さきほど紹介した顔写真をしっかりと見せ、スコアを付けていってもらいました。そして、わずかな時間写真を見た直後の判断結果と、しっかりと見てスコア付けしてもらった結果を照らし合わせたのです。その結果、その一致率も60%を超えるものでした。

この実験から直観が、じっくり考えた場合と同じ程度正確であることがわかります

 

 

【③ダークトライアドの人格・行動特性から見分ける】

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とはいっても

「外見や第一印象で判断して失敗したコトもあるし...」

という方もいらっしゃるとおもいます。

直観が当たる確率は上記のように60%ですので、直観が外れてダークトライアドと仲良くなっちゃったりすることも否定できないのはそのとおりです。

 

直感的判断と合わせて以下の方法を試してみて、より正確にダークトライアドやダークテトラッドを回避していきましょう。

 

 

サイコパス

サイコパスには以前ロバート・D・ヘア博士の四因子説をご紹介しましたね。この中で反社会性因子(つまりパワハラや脅迫・暴力など)を実際やっちゃう人は論外ですが、その他の因子を見分けるにはちょっとしたコツが必要です。そんな代表的なコツを紹介します。

ただ注意していただきたいのは、サイコパスは「一見して魅力的」「口達者」「お世辞が上手い」傾向にあるので、見破るのはなかなか難しいです。くれぐれもだまされないようにしてください

 

サイコパスはあくびが移りにくい

サイコパスは共感能力(人に感情移入したり・感情に共感したりする能力)が低いです。頭や言語では人の感情を理解しているのですが、共感はしないことが脳MRI(正確に言うとfMRI)でも分かっています。

たとえば普通の人は、「靴」「テレビ」という中性的な単語に対する脳の反応と、「癌」「殺人」などのような感情を想起させる扇情的な単語に対する脳の反応が異なることが分かっていますが、サイコパスは「靴」にも「殺人」にも同じようにしか反応しません。言葉の意味は分かっているのですが、それに伴っている感情的側面が理解できないことが脳科学研究で明らかになっています

よってサイコパスを見分けるには「普通の人より共感能力が低いかどうか」を指標に判断していくことが有効でしょう。

この手っ取り早い方法はあくびがうつるかどうかです。サイコパスはあくびがうつりにくいことが分かっています。ぜひあくびをしてみてうつるかどうかチェックしてみてください。

 

サイコパスは恐怖の表情を認識できない

サイコパスは人の恐怖の表情を認識できないことも分かっています。だからあなたが怖がっているのにズケズケ近づいてきたり、イヤだと顔でも言葉でも言っているのにしつこく誘ってきたりします。こういう相手には気をつけましょう。

 

◎過度に共感能力のない人はサイコパスかも?

さらにサイコパスは全般的に共感能力が低いです。あなたがうれしそうに話しているのに上の空だったり、あるいは急にネガティブな話を持ち込んできて話の腰を折るような発言をしたり。逆に深刻な相談をしているときに急に明るい話題で割り込んできたり、「ビール一杯!」とか言う言動・行動をあまりにも頻繁に繰り返す人たちは、サイコパスかどうかは別にしても、人の気持ちを汲み取る共感能力がなさ過ぎます。そういう人たちは平気で(まさに平常運転で)こちらの意志や感情を踏みにじる傾向があるので気をつけましょう。

 

◎過去がない、過去の友人が全くいない

サイコパスは前述のように、一見魅力的で口達者なので、しばらくはサイコパスであることがバレないことが多いです。ただ、3年くらい経つと周りもなんとなく気づいてきます。その結果、サイコパスは居づらくなって職場を転々としたりします。前の職場でも不審がられたり、何か問題行動を起こして辞めざるを得なくなったケースもありますので、過去を語りたがらないですし、ウソの過去を語るようになり、結果過去の詳細な部分に話が及ぶと言葉を濁します。同様の理由で過去の友人は居ないケースが多いです。

 

 

マキャベリズム

合理主義な人たちです。人を操ろうとする傾向が強く、ウソや演技が上手です。

「みんなにとって」合理的に考えるマキャベリズムは有益ですが、「じぶんにとって」合理主義を貫こうとするマキャベリズムは最悪でわがままです。ここに衝動性の高さが加わると、平気で人を蹴落とす行動にも出ます

サイコパスはなかなか見破るのが難しいのですが、マキャベリズムとナルシシズムを見破るのは実はそれほど難しくありません

 

マキャベリズムはなんとなく「ズレている」

彼らは過剰な合理主義と過度な利益主義に考え方が偏っています。一見すると頭が良いように見えますし、反論できないようなロジカルな発言が多いです。が、マキャベリズムの発言や行動は「正しいか正しくないかで判断すると正しいが、世間一般的にはズレている」ことが多いです。簡単に言うと「論理はあるが道理・道義心がない」のです。この「ズレ」は直感のみにたよって判断したとしても、かなり正確に見分けることが出来るでしょう。

 

例をあげます。

「企業は国じゃないんだから。ボランティア団体じゃないんだよ。企業は利益重視でいいの。いらないやつはばんばんリストラしていいんじゃない?失業者が増えるのは企業の問題じゃなく国・社会全体の問題。一企業の問題じゃないでしょ?」

 

「人は死ぬべきだと思うよ。だって世界の資源は有限なんだから。人が死ななきゃ資源が足りなくなるでしょ。次の世代のためにも老人・両親はいつか死ぬべきだよ」

 

一見正しく、反論するのは容易ではありません。しかし、明らかに一般的な人の感覚とズレていますよね?いくら正しくてもこんな冷徹なことを考えませんし、考えていたとしても口には出さないのが普通の人の感覚です。しかし彼らは「正しければいいじゃん」という子供じみた論理で、人の気持ちを考えない発言を平気でします。彼らは正しさを信じきっていますので胸を貼って正論を振りかざします(罪悪感なんか感じてませんし、周りの人間もそう生きて当然と思っています)。繰り返しますが彼らは「論理・合理性」は重視しても「道理・道義」は重視せず、結果的に人の気持ちを踏みにじります。

このようにマキャベリズムの発言には、「賢さは伴っているが、心から納得できないし、空恐ろしい」行動や発言が多いです。

賢い考え方を持っているので上手にコントロールすれば公益性にかなうとは思いますが、過度に独りよがりの正しさにこだわるわがままな人もいますので気をつけましょう。

 

ナルシシズム

自己愛が強く、自分は讃えられて当然だ・評価されて当然だ・注目を浴びるべきだと思っている人たちです。根拠や実績があってこう思っている分にはだれも文句はいいませんが、根拠なく上記のように思っている場合が多いのがめんどくさいところです。また、ナルシシズムは「認められたい」という自分の気持ちと、「それを認めてくれない周りへの不満」の間で常に揺れ動いており、かなり情緒不安定な人もいます(ナルシシズムの根底にはこのような「不安」があるとする精神科医もいます)。

情緒不安定なナルシシズムは突発的な暴力や暴言に出ることもありますので注意しましょう。要するにキレやすいです。「えっ...キレるところじゃなくない?」という状況でも、何の前触れもなくキレます。

 

ナルシシズムの見分け方は比較的簡単です。以下の2つです。

◎主語に『私(一人称)』が異常に多い

みんなで頑張ったはずのことが、いつの間にかナルシシズム一人でやった成果になっています。話をするときに「われわれは」ではなく「私は」の一人称が圧倒的に多いです。機会があれば、自分をアピールする傾向が高いのです。

 

◎自己評価が高い発言をする

「たぶんみんな私と同じ意見だと思うよ」「ぜったいみんな分かってくれると思うよ」と何の根拠もないのに自信たっぷりに言います。常にそうです。その根拠のない自信たるや、こちらが怯むほどです。ためしにちょっと褒めてみましょう。延々と自分の自慢話を語りだすでしょう。またナルシシズムくさい人に「あなたはナルシストですか?」「自分の能力はかなり高いと思う?」「自分は周りからまだ正当に評価されていない?」と聞いてみましょう。高い確率でYesと答えることが研究で明らかになっています

 

 

以上いかがだったでしょうか?

かならずしもサイコパスだからといって悪いサイコパスばかりではないのですが、ダークトライアドは基本的にめんどくさい人が多く、避けた方がベターだと思っています。

ダークトライアド、ダークテトラッドに出会ってしまった場合は、

①とりあえず距離をおく

②何も与えない

③治そうとしない

④一人で接しない

⑤戦わない・逃げる

の5原則で対処しましょう。

上記の内容や過去記事を参照にして、ぜひ素晴らしい人間関係を作ってくださいね。

 

<過去記事> 

yuukoki.hatenablog.com

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