ゆうちゃんの家

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【心の病】精神科・心療内科に行くタイミングは?

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【概要】

今回の記事は、「精神科・心療内科に行くタイミング」についてです。

精神科や心療内科に行くのは少し心理的なハードルを感じてしまいますよね。

しかしながら現代のストレス社会において、心身症やうつ、身体表現性障害、適応障害不眠症などのいわゆる「心の病」は精神科や心療内科でしか治らない病気です。

どういう基準で精神科や心療内科に行くタイミングを見極めれば良いのでしょう?

 

 

【自覚症状について】

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メンタル疾患も、通常の病気と同様、早期発見・早期治療が大前提です。現在は、うつ病は早期に治療すれば90%が治る時代で、運動療法も併用すれば90%再発を防ぐことが出来る病気です。一方で、安易に精神科・心療内科に通院することに対する心理的ハードルや、怖い薬を処方されるのではないかという不安もあると思います。

 

①身体に症状が出るケース

メンタル疾患にかかると、身体の不調を訴える患者さんがいます。うつ病自律神経失調症、身体表現性障害、適応障害パニック障害など、実にさまざまなメンタル疾患が身体の不調を伴います。

身体に何らかの不調を感じた場合は、まず内科に行くことをおすすめします。出来れば総合診療医の経験のある医師、さまざまな疾患を専門分野に持つ医師が良いです。メンタル疾患と思っていたら実は身体の病気だったということもあります(この場合は精神科・心療内科に行く必要はありませんね)。しっかりと診察を受け、各種検査(胃カメラ大腸内視鏡・脳MRI・全身CT・超音波検査・血液検査など)を怖がらず受けましょう。そして重大な身体疾患である可能性をまず除外しましょう。そうすることで、精神科・心療内科の医師も診断しやすくなります。身体に検査上の異常はないにも関わらず、症状がある場合は精神科・心療内科に行きましょう。

 

②精神的・心理的苦痛のケース

精神的・心理的苦痛とは、うつ傾向・パニック・不安・不眠・イライラなど多岐にわたる、いわゆる「心の不調」です。心の不調でメンタルクリニックに通う前に、「自分が苦痛を感じているか」「健全な社会生活を営むのに障害が生じているか」の二点を自分に問いかけましょう。社会生活が営めるかどうかとはどういう意味かというと、つまり学校に通えているか・会社に通えているか・社会と摩擦を起こしていないか・ギャンブルや衝動買いなどをし過ぎて経済的困窮に陥っていないか、体調が悪いのに深酒などを行っていないか等の、自立した社会生活が送れているかということです。上記二点に全く当てはまらないのなら、無理をして精神科・心療内科に通う必要はありません。どちらか一方でも当てはまるのであれば、精神科・心療内科を受診してみましょう。

 

 

【「良い医者」について】

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精神科・心療内科に通う人がまず感じる不安は、「この医者は自分にあっているかどうか」でしょう。これは人の相性みたいなもので、合う人もいれば合わない人もいると思います。ただ重要なのは合うか合わないかではありません。その医師が自分の病気を治してくれれば良い医者なのです。

 

①まずはホームページを見て、自分の症状に合う医師かどうか決める。

⇒多くのメンタルクリニックにはホームページがあります。そこで医師の略歴や専門領域をチェックしましょう。自分の症状に合っているかを確認しましょう。場合によってはメールで問い合わせなどが出来るクリニックもあるので問い合わせてみましょう。

 

②その医師は、初診で約1時間ほどあなたの話を聞くか?

⇒まずこれをしない医師はダメな医師です。メンタル疾患は身体の病気とは違って、客観的な検査手段が少ないのが現状です。ガンや胃潰瘍などの身体の病気であれば検査して見つかりますが、メンタル疾患は患者本人の話の内容が診断を下す上で重要な判断要素になってきます。逆に言えば、正しい診断・治療が受けられるかどうかは、初診であなたがしっかりと自分のこと・自分の症状を医師に伝えられるかどうかにかかっています。受診する前にメモを作成しておくことをおすすめします。

 

③その医師は、あなたの話を聞いてメモを取るか?

⇒これをしない医師もダメな医師です。前述の通り、患者さん本人の主訴が、メンタル疾患の診断・治療方針の決定には非常に重要です(なので言うべき主訴は臆することなくしっかり伝えてください)。たいていのメンタルクリニックは多くの数の患者さんをさばくので、メモをとらずしてあなたの話を医師が記憶出来ているはずはありません。逆に言えばメモらない医師はあなたの話を翌週の診察時には忘れています。その結果、あなたの訴えは治療に反映されません。あなたの主訴を医師がメモやカルテに書いているかどうかはぜひ観察しましょう。

 

④良い医師かどうかを判断するタイミング

⇒上記をクリアした医師はとりあえず良い医師である可能性があると仮定してよいと思います。このような医師でも「なんとなく合わない気がする...」と思う場合もあると思いますが、しばらくは我慢して通院しましょう。二、三回会っただけでは良い医師かどうか判断はできませんし、医師側もまだあなたを理解していない可能性があります。三ヶ月は通ってみましょう。

もし薬が効かない・副作用がキツいなどの場合は遠慮なく言いましょう。薬を変えてくれるかどうかはケースバイケースですが、薬を変えてくれなくても、変えられない理由をしっかり説明してくれる医師はよい医師です。何度も言いますが、病気を治してくれる医師が良い医師です。あなたと気が合おうが合うまいが病気を治せない医師はダメな医師です。

 

④それでも医師を変えたい人へ

⇒基本的に患者は医師を選ぶ権利があります。よってセカンドオピニオンを考えてみることもダメではないと思います。ただ実は、精神科医は変えてもあまり意味はありません。上記項目をクリアしているのであれば、あなたの精神科医は平均的な能力をしっかり持っています。

メンタル疾患の診断や治療方針の決定は、現在はフローチャート式になっていて、よほどのダメ医師でない限りは、全国一律の治療を受けることが出来ます。逆に言えば精神科医を変えても、結果的には診断・治療方針に大きな変化は基本的にはありません。

(もちろん精神科医によって専門領域というものはあり、例えば発達障害を専門にしている医師やパーソナリティ障害を専門にしている医師などです。こういう情報は事前にしっかりチェックした上で受診しましょう)

 

 

【まとめ】

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①身体に不調が見られる場合は、まず総合内科・総合診療医などの診断のスペシャリストを受診すること。必要な検査はしっかり行い、重大な身体疾患である可能性を除外すること。それでも症状が見られるにも関わらず、検査上異常が認められないならば、すみやかに精神科・心療内科を受診すること。

 

②精神的な不調が見られる場合、「自分にとって苦痛であるか」「その精神的不調により健全な社会的生活が営めなくなっているか」を自問すること。どちらもNoであればあまり心配する必要はない。逆にどちらか一方でもYesなら早めに精神科・心療内科を受診すること。

 

③よい医師は、初診時にしっかりあなたの話を聞き、メモをとる医師である。なぜならば、メンタル疾患は患者の主訴が診断・治療方針の決定に非常に重要なウェイトを占めるからである。逆に言えば、あなた自身があなた自身の話をきちんと伝えられるかどうかも適切な診断・治療方針の決定に重要なので、事前にメモを作成して受診すること。

 

 

以上です。

メンタル疾患を治すためには、早期発見・早期治療と良い医師に巡り会えるかどうかも重要です。ただもっと大切なのは、「自分が治す努力をする」ということも大事です。身体やメンタルに悪影響を与えている環境因子は改めましょう。正しい生活習慣をしているか見直してみましょう。

メンタル疾患の治療には、医師の努力だけでなく、患者自身の努力も重要です。

それではまた次の記事で!

 

 

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