【健康】身近な「あれ」で糖尿病・認知症・ガン・うつ病...などを予防できる!
【概要】
今回は身近な「あれ」のメリットとデメリットです。
身近な「あれ」と上手に付き合うことで、糖尿病・認知症・ガン・うつ病の発病や自殺の確率を軽減することができます。
さらに身近な「あれ」はダイエット効果や記憶・計算能力を亢進させることができます。
勘のいい人はもうお分かりかもしれませんね。
そう、身近な「あれ」とはコーヒーのことです。
【コーヒーのメリット】
①死亡率を下げる。
有名な医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」に掲載された、アメリカ国立衛生研究所(NIH)による研究です。
14年間かけて、計40万人を調査した大規模な研究では、コーヒーを飲んでいた人たちは、飲んでない人に比べて、死亡率が16%ほど低かったそうです。
②肝細胞ガンのリスクを低減する。
2007年8月に、アメリカ肝臓病学会誌「ヘパトロジー」に、ヨーロッパ・アジア10件の研究結果が掲載されました。
その結果の概略ですが、一日にコーヒーを1杯飲むと、肝臓がんのリスクが23%低下したそうです。さらに2013年にも、アメリカ消化器病学会誌「クリニカル・ガストロエンテロロジー・アンド・ヘパトロジー」に掲載されたメタアナリシスの結果、コーヒーの摂取により肝細胞がんのリスクが約40%低下したそうです。
③糖尿病のリスクを軽減させる。
アメリカ内科学会誌「アナルズ・オブ・インターナル・メディスン」によると、コーヒーを摂取する人は、男性で54%、女性で30%ほど2型糖尿病の発症リスクが低かったという結果でした。
④アルツハイマー病の発症リスクを下げる。
2009年の北欧の研究結果になりますが、約1400人を20年にわたり調査した結果、コーヒーを日常的に飲む人のアルツハイマー病の発症率は、飲まない人に比べて65%も低かったという結果であったことが報告されています。
このほかにも、コーヒーを日常的に飲む人は、自殺率が低く、記憶力も高く、うつ病になるリスクも低かったことが報告されています。またコーヒー中に含まれるカフェインの作用による脂肪燃焼作用も確認されており、肥満の人で10%、痩せている人で23%ほど脂肪燃焼効率が上昇することも確認されています。
コーヒーは、私たちが日常的に触れることの多い嗜好品の一つです。実は上記のように色々な恩恵があるのですね。
ちなみに、上記効果のいくつかの作用はカフェインレスコーヒーでも効果があったり、紅茶や緑茶では効果が見られなかったりするケースがあることが分かっていますので、単にカフェインの効果ではなく、コーヒー由来のなんらかの薬用成分が重要であることが推測されています。
【コーヒーのデメリット】
上記のようにさまざまな恩恵があるコーヒーですが、デメリットもあります。
それはカフェインによって睡眠障害が誘発される点です。
私たちは朝起きて日中活動をしていますが、起床時から時間が経つごとにアデノシンと呼ばれる物質が脳内に蓄積していきます。このアデノシンは眠気を誘発します。起床時からだいぶ時間が経った時、すなわち夜になると、私たちの脳内はアデノシンで溢れています。だから私たちは夜になると眠くなるのです。
ところが、カフェインはこのアデノシンの作用を妨害します。だからカフェインを飲むと眠気がなくなり頭が冴えるのです。
ところがこのカフェインの体内半減期(身体の中からカフェインが半分量除去されるまでにかかる時間)はだいたい6〜8時間と言われています。よって夕方6時に飲んだカフェインは、夜12時になってもまだ半分は身体に残っていて、入眠を妨害したり、睡眠の質を下げたりしてしまう恐れがあるのです。以前ご紹介したとおり、不眠になるとうつ病の発症リスクは40倍になるという研究報告もあります。コーヒーを飲む時間は、みなさんの寝る時間に合わせて調整しましょう。午後2時以降は飲まない方がいいかもしれませんね。
以上です。
コーヒーは身体に良いのですが、あまり飲み過ぎると吐き気などを誘発する場合があります。カフェインに対する感受性は体質によります。みなさんご自身の体質にあった摂取の仕方を心がけてくださいね!
<参考文献>
*1:サンジブ・チョプラ、デビッド・フィッシャー著、『ハーバード医学教授が教える 健康の正解』、ダイヤモンド社
*2:ショーン・スティーブンソン著、『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』、ダイヤモンド社
<過去記事>