ゆうちゃんの家

メンサ・科学者・自閉症スペクトラム。心理学・薬学・医学・アイディア発想・エッセイ等(@UCHAM0410)

90%の人が間違っている?あなたの悩みの「正しい相談相手」の見つけ方!

f:id:yuukoki:20190804174316j:plain

 

今回の記事は「意外と間違いやすい、正しい相談相手の見つけ方」を紹介します。

 

 

自分の悩みを相談する相手がいることは幸せなことです。

また自分の悩みを相談することも大事です。

 

 

(現在進行中の悩みは別ですが)面白い研究報告があって、人間の将来への不安のうち、約80%は的中せず、残り20%も自分や周りの助力で簡単に対処できる、という研究結果もあるぐらいです。

 

なので、不安や悩みはあまり一人で考えすぎず、折に触れて信頼できる人に相談していくというスタンスが一番ストレスのない生き方だとおもいます。相談しただけで心が晴れたり、解決したりすることもありますからね。

 

 

そこで問題になってくるのが、

 

「自分の悩み、誰に相談したらいいの?」

 

です。

 

結論からいうと目的によります。

 

みなさんが、その悩みに対して「現実的な今すぐ使えるアドバイスがほしい」のか、「自分に共感してもらい、一緒に上司に掛け合ってほしい」のかによって、実は相談相手が違うのです

 

 

現実的なアドバイスが欲しい場合は、当たり前ですが、自分と同じ悩みや苦悩を経験し、乗り越えてきた人を相談相手に選ぶべきです。

 

ただし「自分に共感してもらいたい」「自分の味方になってほしい」などの場合は、自分と同じ悩みや苦悩を経験し、乗り越えてきた人を相談相手に選ぶべきではありません。実はこれ、90%の人が間違った相談相手を選ぶという報告があります。

 

 

 

f:id:yuukoki:20190804174413j:plain

以下のような研究があります。

 

研究事例①:被験者を2つのグループに分けて、寒中飛び込みに挑戦してもらいました。

片方のグループには、寒中飛び込みに失敗した男のエピソードを聞かせた後で飛び込んでもらいました。もう片方のグループには、寒中飛び込みをした一週間後に、寒中飛び込みに失敗した男のエピソードを聞かせました。

その結果、自分たちが寒中飛び込みを成功させた後で、寒中飛び込みに失敗した男のエピソードを聞かせたグループの被験者は、もう片方のグループにくらべ、その失敗した男への共感は薄く、軽蔑すらしたのです

 

研究事例②:200人の被験者に、「過去に失業し、必死の努力もむなしく就職できない男の物語」を聞いてもらった。その結果、過去に失業したが乗り越えた人は、そうでない人に比べて、物語の男性への共感は薄く、厳しい評価を下したのです

 

研究事例③:いじめに関する研究です。

被験者に「いじめを受けて、我慢できなくなり暴力を爆発させ、立ち直れなかった少年の物語」と「いじめを受けたがその後立ち直った少年の物語」を聞かせました。その結果、過去にいじめを受けた経験のある被験者は「立ち直った少年」には高い共感を示したが、「立ち直れなかった少年」には共感は薄かった

 

f:id:yuukoki:20190804174827p:plain

まとめると、

「過去につらい境遇にあったが、克服した人」は、「克服できなかった人」に対して厳しく、残酷な見方をする傾向がある

ことが分かったのです。

 

 

なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

 

これは「人間は、つらい境遇を乗り越えた事実は覚えているが、そのときどれだけつらかったかを忘れてしまう傾向にあるから」とされています。

 

 

みなさんも経験はありませんか?

 

受験勉強に取り組んでいる最中はきつかった。

失恋したときは夜通し泣いた。

 

だけど今はいい思い出・良い経験になった・あの失敗や挫折があるから今の私がある...みたいな感じです

 

 

つまり、過去の体験を乗り越えた自負はあるけど、どれだけつらかったか忘れてしまっているのです。

だからこういう人に具体的なアドバイスを求めるのは良いのですが、共感を求めても、

 

「自分だって出来たんだからあなたも出来るでしょ?」

「みんな通る道なんだからなんとか頑張りなさい」

「え?何?なんでそんなこともできないの?」

 

などと思われ、共感が得られない可能性が高いのです。

 

 

あなたが悩んでいて、相談相手がほしいな、と思ったときはぜひ上記のことを思い出してください。

自分の悩み相談の目的が「アドバイス」なのか「共感」なのかで相談相手をきちんと区別していきましょう

 

以上です。

それではまた次の記事で!

 

 

<参考図書>

ハーバード・ビジネス・レビュー編集部 著、「共感力」、ダイヤモンド社

 

プライバシーポリシー