ゆうちゃんの家

メンサ・科学者・自閉症スペクトラム。心理学・薬学・医学・アイディア発想・エッセイ等(@UCHAM0410)

【パワハラ・いじめ】加害者の手口と対処法

f:id:yuukoki:20190913214757j:plain

今回の記事はパワハラ・いじめについてです。

パワハラ・いじめの問題は職場や学校、ママ友のなかなど色々なところで問題になります。

今回は加害者側の手口と対処法をまとめました。

 

 

目次

・なぜ彼らは「加害者」となってしまうのか?

・狙われやすい人

・加害者側の手口と対処法

・まとめ

 

 

【なぜ彼らは「加害者」となってしまうのか?】

f:id:yuukoki:20190913214813j:plain

人格障害が原因のケース

加害者側の心理には、以前過去記事でお知らせしたダークトライアド・ダークテトラッドといった、サイコパスマキャベリズム・ナルシシズムサディズムの他に、潜在的攻撃性パーソナリティや受動攻撃性パーソナリティなどのいわゆる人格障害がある場合があります。それぞれで対処法が異なるのですが、今回はあえて記載しません。理由は、目の前のパワハラ上司が果たしてサイコパスなのか、潜在的攻撃性パーソナリティなのかという正確な鑑別が我々素人には困難だからです。なんとなく「コイツヤバイな」くらいなら私たちでも分かりますが、鑑別までは専門家でも難しいようです。受動攻撃性パーソナリティと見なして対策をしてみたら実はサイコパスだったというようになれば、被害は逆に拡大する可能性すらあります。加害者側の心理プロファイルを安易に行って、対策を練るのは危険です。

 

②集団心理が原因のケース

人格障害以外にも、パワハラ・いじめの原因は考えられます。同調圧力や群集心理です。人は集団をなすと、個人個人の責任感や道徳観が低下することが明らかになっています(*1)個人レベルではいじめを行ってはダメであることが分かっているにも関わらず、集団になるとやってしまうのです。その結果、集団によるいじめやパワハラエスカレートします。さらにその集団に権威的な者がいて主導している場合、これはミルグラムの実験(過去記事参照)でも明らかになっているように90%の人が「ダメだと分かっていてもその行為を行ってしまう」のです。その「権威的な者」が前述のサイコパスなどであったら大変なことになります。

 

またサンクションやシャーデンフロイデという感情が原因の場合があります。

サンクションとは「ルールに違反した者に対して制裁を行う」という、もともと誰にでも備わった感情・行動です。たとえば「みんな一緒」というルールが強すぎる組織や学校では、個性的で独自な能力・抜きん出た成績や優れた容姿を持つだけで、周りから「みんな一緒というルールを破った」と見なされ、いじめやパワハラが行われることもあります。サンクションは正義の名の下に悪人を叩く、世の中にとって必要な感情でもあるのですが、その組織が採用しているルールによっては、歪んだ正義のもと善良でなんの罪もない人たちが叩かれるという恐ろしいことがおこります

またシャーデンフロイデとは「他人の不幸を見て快感を覚える感情」のことです(*2)。この感情も多くの人に備わった感情のようです。著名人が薬物を行っていたという記事や報道が連日のように行われることがありますよね。本来、記事・報道として取り上げるべき問題は「なぜ薬物乱用がなくならないのか・拡大するのか・今後どう対処するべきか」であるはずなのに、なぜか著名人の場合は個人の問題であるかのように取り上げられます。そしてその著名人の現在やその後を報道しつづけます。なぜそのようなことが起こるのかと言えば、当然数字(視聴率や週刊誌の売り上げ)が伸びるからなのですが、なぜ数字が伸びるのかと言えば、著名人のようなスポットライトを浴びていた人が失墜していくのに過剰なまでの関心を持つ人が多いからです。シャーデンフロイデと言う感情により、人の不幸を喜ぶ傾向が生まれることもいじめやパワハラの一因なのかもしれません。

 

この他にも原因は色々とあります。よくありがちなのがコミュ障の人の攻撃です。彼らは自分の気持ちや考えを上手に説明できずフラストレーションがたまり、その結果攻撃をする場合があります。この場合、彼らは決して異常人格ではないので、ゆっくりじっくり対話をすることで解決できることがあります。

 

 

【狙われやすい人】

f:id:yuukoki:20190913214844j:plain

何の罪もなく狙われやすい人は以下の通りです(毎日遅刻してくる人とか、人の悪口を言う人とか、ネガティブ発言ばかりする人とか、明らかに嫌がらせされて当然の人は除外してあります)。

・反撃しない人

・ナメられている人

・友達が少ない人、孤立している(マイノリティ側の人)

・地位・経験の低い人

・ナイーブな人

・優しい人や過度に良心的な人

・個性的な人

・何らかの意味で弱い人

・依存性の強い人

誤解のないように言っておきますが、攻撃される側が悪いわけではありません。悪いのは攻撃側、つまり加害者です。

 

 

【加害者側の手口】

f:id:yuukoki:20190913214902j:plain

いじめやパワハラを行う加害者側の手口はさまざまです。

SNSで悪口を書き込む、集団で無視をする、根も葉もない噂を流す、怒鳴る、暴力を振るう、否定する、あなたが近づくと急にみんなが無口になる...等々本当にさまざまですが、いわゆるそのような「攻撃行動」は3つのタイプに分けられます。能動的攻撃・受動的攻撃・その他です。

 

①能動的攻撃

暴力を振るう、暴言を吐く、怒鳴る、脅迫する、SNSで悪口を書き込むなどの、客観的に見て分かる攻撃行為を能動的攻撃と言います。これに対する対処法は簡単で「証拠を握っておくこと」です。能動的攻撃の大半は違法行為です。法的措置をとる前提で準備を進めて、相手と対峙しましょう。一人で不安な場合は弁護士に同席してもらいましょう。この手のあからさまな違法行為が横行している場合、自然に相手が直ることはありません。断固とした措置をとるという姿勢を見せましょう

 

②受動的攻撃

SNSで悪口を書くのだがだれのことかは一見わからないように書く、専門知識を利用して「そんなことも分からないの?」と言ったそぶりや言動を行う、悪い噂を立てて孤立化させる、「あなたのため」「みんなのため」という一見美辞麗句を使って攻撃する・操作してくる、小さなことまで事細かに否定する、罪悪感を抱かせるようなそぶり・言動、言葉の置き換えによる操作(実際はあなたを奴隷のように使っているのに、それを「献身」「みんなのため」という美しい言葉を使い、自分の本性を隠す)...等々挙げたらキリがありません。この受動的攻撃はなかなかやっかいで、証拠が残らないのですが、じわじわあなたの精神を蝕んでいく攻撃です。

 

まずはあなたが「ここまでは許す、これ以上は許さない」という態度・姿勢を伝えることです。この防波堤がなければ、攻撃性人格者は延々と攻撃してきます。あなたを攻撃するのはハードルが高いこと、利益がないこと、場合によっては激しい反撃することをさりげなく周知させておくだけでも効果があります。受動攻撃者は能動的攻撃者と違い、意外と気弱です。少しでもあなたが手強いと感じるだけで攻撃をためらいます


次に、受動的攻撃への対処法に関しては、以下の5原則で対応できないか考えましょう。

・距離をとる(関わらない)

・逃げる

・相手を治そうとしない

・一人で立ち向かわない

・直接戦わない

つまりスルーするということです。これで対処できるのであればこれでOKです。

特にサディズムタイプの攻撃者は相手が反応すると喜びますので、攻撃がエスカレートします。こういうタイプにはスルーが効果てきめんです。またシャーデンフロイデが原因の攻撃行為の場合も、あなたがスルーすれば、彼らはあなたの不幸な様を見れないので次第に攻撃意欲がなくなります。スルーすることは受動的攻撃に関しては比較的広範囲に使える安全で簡単な方法ですので、まず上記5原則で対応できないか考えてみてください。

注意してほしいことは、「相手を直そうとしないこと」。残念ながら世の中には一定数の割合で、何をしても分かり合えない人たちがいるという現実を受け止めましょう。

 

上記5原則を実行しても対処できない場合は、以下の対応策をとりましょう。

②−1:相手の心理を読んで対処する。

 相手の狙いと攻撃動機・手口・心理状態をよく考えましょう。能動的攻撃ではなく受動的攻撃を採用している理由は、面と向かってあなたと戦いたくないこと、自分の悪事が露見するのを恐れていることなどが考えられます。つまり彼らは悪事を行いながらも不安なのです。この場合は、彼らが何をやったかを明るみに出しましょう。あるいはわざと大騒ぎにしてみるのも良いかもしれません。「あの人こんなことを言って来たんだけどどう思う?」と周りに聞きまくっても良いかもしれません。相手は小さな領域でこそこそ戦うつもりだったのでしょうが、大騒ぎになってしまい混乱するでしょう。

②−2:マジョリティ側に属する

 集団単位で考えた場合、いじめやパワハラをされる側は何らかの意味でマイノリティ側あるいは弱者側であることが多いです(逆にマイノリティなのにマジョリティを攻撃しているタイプの加害者に対しては一致団結して反撃すれば終わりなので楽です)。マイノリティ側に属さないように注意してポジションをとりましょう。

②−3:表面化・具体化させる。

 前述の通り、能動的攻撃ではなく受動的攻撃を採用している時点で、彼らは面と向かってあなたと戦うのは怖いこと、自分の悪事が露見するのを恐れていることなどが考えられます。彼らの受動的攻撃をエスカレートさせて能動的攻撃に持っていくのも一つの作戦です。そうすれば証拠をつかんであとは当局に任せれば良いのです。また前述のとおりわざと大騒ぎして、隠れた悪事を表面化・具体化させてしまいましょう。「みんなのためと思って頑張ってくれ」と毎日サービス残業を押し付けてくる上司には、「その『みんな』に私は入っているのですか?」「じゃあみんな上の人もサービス残業するんですか?」「みんなのために今日は早く帰ってゆっくりやすんで明日頑張りましょう!」とか言うのもありです。そうそう容易く操れる相手ではないということを相手も感じ取り、以後気安くあなたを操作しようとしてこなくなるでしょう

②−4:更なる一般化

 受動的攻撃の弱点の一つに「誰を攻撃しているかが不明確」という点があります。本当は彼らはあなたを攻撃したいのですが、攻撃しているとは思われたくないので、カテゴリーを攻撃してくると言う手段を使う場合があります。

たとえばあなたが20代の女性だったとします。最近めでたく結婚しました。しかしあなたの上司は面白くないようです。そこで「女は子供が出来るといなくなるからな」という嫌みを言って来たとします。つまり「結婚した女」というカテゴリーを攻撃することで、あなたを間接的に攻撃しているのです。前述のとおり彼らはあなたを攻撃してもおおごとにはしたくないのです。それを逆に利用しましょう。「そういえばxx部のxxさんも、ooちゃんも最近ご結婚されたのですよね!」みたいなことを言ってやりましょう。彼らは受動攻撃という卑怯な攻撃手段でしかあなたを攻撃できない激弱メンタルです。他の部のxxさんやooちゃんまで敵に回す度胸はありません。自分の一言が多くを敵に回すかもしれないことに気付き攻撃意欲を削ぐことが出来るでしょう。

 

受動性攻撃は色々な方法で巧みにその攻撃意図が「隠蔽」されています。上記のように「みんなのため」とか「あなたのためを思って」とか「正義・良心・道徳・理想」など美辞麗句を用いてあなたのガードを剥がしていきます。

受動性攻撃に関しては、あなたが事実として実害を被った・嫌な気持ちになった・傷付けられたのか否かを認識してください。あなたが実害を被ったなら、相手が「あなたのためを思って」などと美辞麗句を言っていようがいまいが関係ありませんし、ましてやご自分を責める必要もありません。攻撃されているのはあなたです。上述の5原則を守って、適切に対応しましょう。

ただし即反撃に出るのはおすすめしません。今回は省略しましたが、相手が危険な人格である場合もあります。特に一人では立ち向かわないようにしてください。必ず味方を作って複数で対処することを忘れずに!

 

 

【まとめ】

f:id:yuukoki:20190913214924j:plain

①攻撃が起こる原因は、ある特定の人物の人格障害に原因がある場合と、集団心理が悪い方向に働く場合とがある。

 

②攻撃のターゲットにされやすい人にはある特徴がある。

 

③攻撃者の手口には、能動的攻撃と受動的攻撃がある。能動的攻撃には証拠を押さえ当局に早急に相談したり、弁護士を伴い改善を要求するなど毅然とした対応を行う。受動的攻撃はスルーが一番良い。

 

④受動的攻撃者は自分の攻撃が表沙汰になるのことを不安に思っているケースが多い。よってスルーで対処しきれない場合は、毅然とした態度・反撃の用意があることを示すこと(その際一人ではなく複数の味方とともに伝える)により、解決することも考えられる。

 

 

以上です。

今回はパワハラ・いじめの表面的な内容のまとめになりました。

各論はまた後日まとめる予定です。

それではまた次回の記事で!

 

 

 

<参考文献>

*1:ゆうきゆう監修、『「なるほど!」とわかる マンガはじめての心理学』、西東社

*2:中野信子 著、『シャーデンフロイデ 他人を引きづり下ろす快感』、幻冬舎

 

 

<過去記事>

 

yuukoki.hatenablog.com

yuukoki.hatenablog.com

yuukoki.hatenablog.com

yuukoki.hatenablog.com

yuukoki.hatenablog.com

yuukoki.hatenablog.com

yuukoki.hatenablog.com

yuukoki.hatenablog.com

yuukoki.hatenablog.com

yuukoki.hatenablog.com

yuukoki.hatenablog.com

 

 

プライバシーポリシー