身近な「あれ」で心の痛みが治るかも?!
みなさんは心の痛みはありますか?
「失恋してこころが痛い...」
「漠然とした不安に押しつぶされそうでこころが痛い...」
「就活が上手くいかなくてこころが痛い...」
こころって何の前兆もなく痛くなったりしますよね...。
でもこれ、実はみなさんの身近にあるもので治る可能性が報告されているのです。
結論から言います。
鎮痛剤です。
......「えっ...」と思った方は多いでしょう。
私もそう思いました。
ただこれ、科学的に研究がされているのです。
【鎮痛剤は心の痛みにも効く?】
研究事例①:ケンタッキー大学の研究
62人の被験者を集め二つのグループに分けました。
片方のグループには鎮痛剤アセトアミノフェンを飲んでもらいました。残りのグループはプラセボ(偽薬)です。
その後、ボールをお互いにパスしあうゲームをやってもらいました。ただこのゲーム、次第に自分はパスをもらえなくなり、仲間はずれにされて疎外感を味わうというゲームになっていたのです。このとき、被験者の脳画像を確認しました。
その結果、プラセボのグループでは疎外感を感じていて肉体的苦痛を感知する脳の部位が活性化していることが分かりましたが、アセトアミノフェンを飲んでいたグループではその働きが弱くなっていたのです。
つまりアセトアミノフェンにより「仲間はずれにされたことに起因する心の痛み」が軽減したのです。
研究事例②:コロンビア大学の研究
この研究も上記と同様で、片方の被験者のグループには鎮痛剤アセトアミノフェンを飲んでもらいました。残りのグループはプラセボ(偽薬)です。
その後、被験者達には「死を連想させる質問する」や「歯医者に行くことを想像させる」などを行って心理的ストレスを与えました。
そして「犯罪で逮捕された人物に対して、どのくらいの額の保釈金を設定するか?」という質問を行いました。
その結果、プラセボのグループはその犯罪者に対して厳しい評価を下しましたが、アセトアミノフェンを飲んだグループは寛大な評価を下す傾向が観察されました。
アセトアミノフェンを飲んだ人は、心理ストレスの影響が軽減することが示唆されたのです。八つ当たりが減ったとの解釈もできますね。
この他にもコロンビア大学の研究で、失恋の痛みにはアスピリンが効くなどの研究報告もあるようです。アスピリンを飲んだ被験者たちは失恋から早く立ち直る傾向があったそうです。
アスピリン・イブプロフェン・アセトアミノフェンはいずれもドラッグストアで簡単に購入できる薬です。どうしてもつらいこころの痛みがあれば試してみてはいかがでしょうか?
(用法用量は守って正しくお使いください)
ちなみにこころの痛みと鎮痛剤の効果の研究報告は、まだまだ論文数が少ないです。
今後、最新の科学情報が更新されていく可能性がありますので、最新情報に注目していきたいですね...!