ゆうちゃんの家

メンサ・科学者・自閉症スペクトラム。心理学・薬学・医学・アイディア発想・エッセイ等(@UCHAM0410)

自然と無駄遣いが減る?お金と心理学の話!

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みなさんはこんなご経験はありませんか?

 

「給料は上がってるはずなのになぜか貯金が増えない...」

「大きな買い物をした覚えはないのに出費が多い...」

 

今日はそんな悩みを解決する、お金と心理学の小話を紹介していきたいと思います。

 

 

さっそく行ってみましょう!

 

 

 

<あなたは現金派?カード決済派?>

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みなさんはお金を支払うときどうしますか?

 

現金で支払いますか?

それともカードやスマホ決済をよく使いますか?

 

実はどちらを選ぶかだけでも、人の金銭感覚は大きく異なることが研究により明らかにされています。

 

マサチューセッツ工科大学の研究です。

研究の対象となったのはMBAコースの学生たちです。

彼らにとあるオークション実験に参加してもらいました。

プロバスケットボールチームの試合観戦チケットに対していくらまでならお金を

払いますか?」という実験です。

被験者を二つのグループに分けます。一つ目のグループは現金で支払うよう指示されたグループ、二つ目はカード決済するように指示されたグループです。

 

この結果、驚くほどの差が出ました。

 

現金で支払うグループは平均28ドルまでなら支払っても良いと提示したのに対して、カード決済グループの提示額はなんと平均60ドルでした

 

カードで支払うと2倍以上お金を多く使っても良いという心理状態になるのです。

 

他にもカード決済をした場合、

「モノを買う際の迷いが少なくなる」

「思考様式が変わる」

「いくら払ったか覚えていないことが多い」

「チップを払う確率が上がる」

などの研究報告がされています。

また、人間は現金を使う場合、脳の痛みを感じる部位が活性化されるとの研究報告もあり、おそらくこの現象が現金を使いすぎないようになることに一役買っていると思われます。

カード決済だとこの「迷い」が生じないんですね。

 

カード決済やスマホ決済は無駄遣いしてしまう傾向にあるので、貯金を増やしたい方・無駄遣いを止めたい方は、現金支払いに切り替えてはいかがでしょうか?

 

 

 

<死について考えるとお金を貯め込むようになる>

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ポーランドで行われた研究です。

心理学者は被験者に「自分の死を想起させる質問」を行いました。

このあと、参加者のストレスレベルを測るため、身体の中のストレスホルモンを測定しています。

このあと、被験者を二つのグループに分けました。

片方は本物の札束を渡され、もう片方のグループは数字が書いてあるだけの紙の束を渡されました。

そしてそれを数え、額面ないしは数字を合計してくださいと指示されたのです。

その後、参加者のストレスレベルを計測したところ、本物の札束を数えたグループは、ただの紙の束を数えたグループよりもストレスレベルが5分の1まで低下していたのです。

 

お金は死への恐怖さえも軽減させることが分かったのです。

 

この実験を行った心理学者によると、お金にはある種の麻薬性があるのではないかという考察がなされています。その結果、お金に触れることで死への不安を回避しようとする心理が働いたからこういう結果になったのではないかと考えられています。

 

他の研究でも、あらかじめ被験者に死への恐怖を想起させたグループの方が、そうでないグループよりも、「貯金」にお金を回す配分が多くなったとの報告もあります。

 

みなさんも貯金を増やし、無駄遣いを止めたくなったら、自分の死や健康問題について考えてみたりするとよいかもしれませんね!

 

 

 

<金銭感覚も狂わせるプライミング効果>

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とある研究が行われました。

トレーナーの横にCDが並んでいます。

トレーナーの値段はあるときは10ドルと値札が付いており、あるときは80ドルと書いてあります。

このとき、通行人に「CDの値段はどれくらいだとおもいますか?」と質問をしました。

その結果、トレーナーの値段が10ドルのときはCDの値段は7.29ドル、トレーナーが80ドルのときはCDの値段は9ドルと答えたそうです。

となりに並んでいるまったくCDとは関係のないトレーナーの情報に通行人は惑わされてしまったのです。

 

このように「はじめに与えられた情報をもとに、次に入ってきた情報を処理する人間の心理傾向」のことをプライミング効果と心理学の世界では呼びます。

 

 

 

<まとめ>

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まとめます。

①カードやスマホ決済は、現金支払いよりも2倍以上無駄遣いをする傾向がある。

②死への不安を想起しただけで、人はお金を貯金する傾向が増える。

③人はモノの値段を常に正しく評価できているわけではない。はじめに提示された情報でたやすくコントロールされてしまう。

 

貯金や無駄遣いに気をつけたければ、カード・スマホ決済は止めて、自分の死への恐怖や健康問題を常に考え、さらにこのモノには「私だったらこの値段なら買う。それ以上だったら買わない」とはじめからしっかり決めておくことが重要です。

 

お金はしっかり貯めておくと心の安心にもつながりますし、貯金が少ないと不安になりますよね。

お金は自分の心理状態も安定にしてくれます。

お金と上手につき合っていきたいですね...!

 

以上です。

それではまた次の記事で!!

 

 

 

<参考図書>

クラウディア・ハモンド著、『MIND OVER MONEY 193の心理研究でわかったお金に支配されない13の習慣』、株式会社あさ出版

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