ゆうちゃんの家

メンサ・科学者・自閉症スペクトラム。心理学・薬学・医学・アイディア発想・エッセイ等(@UCHAM0410)

顔・印象・雰囲気はどれだけ人生に影響する?

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今回は「外見ってどれだけ大事なの?」という話です。

(ちなみに今回の「外見」とは、顔や身体的特徴だけでなく、服装や声、雰囲気も含みます)

 

「人は外見ではなく、中身が大事!」というフレーズよく聞きますよね。

私も実際そのとおりだと思います。

人間関係においても、長期的に見た場合は「親切」「誠実」「知性」が重要だということが分かっています。

 

しかし短期的に見た場合、この外見は思いのほかいろいろな影響を持っていることが分かっています。

今回はそんな心理学の小話をまとめてみました。

 

 

①容姿とIQは相関関係がある

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 イギリスの研究です。

 イギリスにおいて、1万7000人の男女を幼少期から成人になるまで追跡調査しました。その結果、容姿が優れている人ほどIQが高い傾向が見られました。イケメン美女はそうでない人よりどのくらいIQが高いのかというと、男性で約13ポイント、女性で11ポイントほど高かったそうです。またアメリカにおいても同様の大規模な研究が行われ、容姿とIQの相関性が認められたそうです。

 なぜこのような結果になるのかの原因は不明ですが、いずれも大規模な統計調査であるため、信頼できる結果でしょう。ただ、以前の記事でも述べた通り、人生の幸福度という観点からは、IQよりもEQが大事であるということが示されています。また、IQは70%が遺伝で決まってしまいますので、あまり気にしてもしょうがないです。逆に、EQは後天的に努力することで上げることができます。IQが高い人も低い人も、EQを鍛えれば人生はより良くなるので大丈夫でしょう。

yuukoki.hatenablog.com

 

 

 

②容姿が優れていると他人の評価が上がる

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 アメリカのロチェスター大学の研究です。

 60人の男性被験者を二つのグループに分け、エッセイを読んでもらいました。片方のグループには著者のプロフィール欄に美人の写真が載せてあります。もう片方のグループには普通の容姿の女性の写真が載っています。ちなみに男性被験者に読んでもらったエッセイはすべて同じ内容です。

 その結果、美人がプロフィール欄に載っていたエッセイを読んだグループは、そのエッセイを「独創的である」「面白い」と評価したのに対して、普通の容姿の写真を見たグループでは厳しい評価を下す傾向があったのです。

 

 またアメリカのハーバード大学の研究において、容姿と収入の研究がなされており、同様の仕事をしているにも関わらず、美人の方がそうでない人よりも収入が高かったことが分かっています(この効果のことをビューティ・プレミアムと呼びます)。

 

 このように容姿が他人の評価に影響するという研究はさまざまな分野で報告されています。例えば就職・転職活動において、面接官は60〜70%は外見(顔の善し悪しだけではなく、服装や雰囲気も含める)で決めているという調査報告もあります

 

 また、容姿がいまいちな男性が容姿の優れている女性と一緒にいた場合、周りの人たちの男性に対する知性・仕事の能力に対する評価は高まる傾向があることも知られています。

 

 心理学の世界では「初頭効果」というものが知られています。これはカンタンに言うと「第一印象がとても大事」ということです。第一印象によって形成されたその人の評価・印象の効果は約半年間続くということも言われています。

 内面も大事ですが、内面の善し悪しは相手にすぐには伝わりません。男性も女性もきちんとした服装をすること、自分に合った髪型を整えること、眼鏡などのアイテムを上手に使って自分を良く見せること(眼鏡のフレームによっても大幅に人の評価が変わることが知られています)などを心がけましょう!

 

 

 

③容姿や雰囲気が、選挙の当選率に影響する

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 アメリカのプリンストン大学の研究です。

 アメリカ上院議員の候補者の顔写真だけを見せて、誰が当選するかを当ててもらうという実験を行いました。その結果、顔写真だけで7割近くの正確さで当落を予測できてしまったのです。もちろん選挙の当落の話ですので、美人かイケメンかというだけでなく、知的に見えるか・タフに見えるか・有能に見えるかなどの側面からも予測されたでしょう。しかし選挙においても外見が非常に重要であることが示されたのです。

 

 また、アメリミシガン大学の研究においても選挙に何が影響するのかが調査されています。選挙に当選あるいは落選した約60人にアンケートを行いました。アンケートの内容は、「選挙に当選するのに重要な要素は、どの党から出馬するか・どういう政策を掲げるのか・候補者の人柄の3点のうちどれが最も重要な要素か」という内容のものです。アンケートの結果、当選した人の65%は人柄が大事だと答えたのに対して、落選した人が人柄を重視していた割合は35%と低かったのです。

 

 さらにアメリカ・ペンシルバニア大学の研究で、選挙においては「雰囲気」も大事であることが分かっています。選挙期間中、自国の今までの政策や将来に対して悲観的なことを演説する候補者はなんと10回中9回も負けていることが分かっているのです。

 また、べつの研究ではまばたきの回数が多い候補者ほど選挙で負けるという研究もあります。

 

 普通、選挙は政策が大事だと思う人が多いでしょう。しかし上記のようにさまざま研究結果が示すのは、有権者は候補者の容姿や雰囲気・人柄で投票先を決めてしまう傾向があるという結果です。

 私たちも日頃の雰囲気や人柄、立ち振る舞いには気をつけたいですね...!

 


 

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以上になります。

人の評価は意外と能力ではなく、容姿・人柄・雰囲気で決まる部分が大きいようですね!

とくに就職・転職面接でもこのように「外見」で決まってしまう部分が大きい以上、私たちの人生への「外見」の影響は無視できません

ご自分にフィットした外見、雰囲気、日頃の言動、立ち振る舞いをもう一度見直して、良い意味で「演じていく」ことを意識すれば、みなさんの人生も良い方向に大きく変わるかもしれませんね...!

参考にしていただけたらうれしいです。

 

それではまた次の記事で!!

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