ゆうちゃんの家

メンサ・科学者・自閉症スペクトラム。心理学・薬学・医学・アイディア発想・エッセイ等(@UCHAM0410)

【誰でも天才になれる...かも!】過去の偉人に学ぶ天才の要素とは?

【概要】

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今日は「天才」についてです。

かなり漠然とした内容ですね笑。天才の定義にもいろいろあると思います。

IQが高い人、知識量が莫大な人、頭の回転が速い人、世の中での立ち回りの上手い人、運が良いorつかむのが上手い人、クリエイティビティのある人、ギフテッド(特定分野において生まれながらに才能を持つ人)...

もちろん過去の偉人達は、能力が高く、その道の知識・経験も豊富だったでしょう。しかし本当にそれだけで天才になれるのでしょうか?

今回の記事では過去の偉人に学ぶ形で「天才とは何か?」をまとめました。

 

 

【天才は行動力・発信力・アウトプット能力が異常に高い】

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過去の偉人たちを調べてみました。

 

まず作曲家だとベートーベン、シューベルト、バッハなどは小学校の音楽でも習うほどの歴史に名を残す天才ですよね。

しかし意外と知られていないのは、彼らの作曲数です。

実はベートーベンは650曲、シューベルトは600曲、バッハに至っては1000曲も作曲しているのです。

でも実際に世界中の人たちに知られている曲はごくわずかですよね。

事実、彼らが膨大な作曲を行ったにも関わらず、ロンドンフィルハーモニーが選んだ名曲は各々5曲ほどと言われています。

 

誰もが知る天才物理学者アインシュタインはどうでしょうか?

彼は300以上の著作を発表したと言われていますが、このうち大きな評価を受けたのは「一般相対性理論」「特殊相対性理論」「光電効果」の3つくらいです。

 

これも誰もが知る天才画家ピカソはどうでしょうか?

彼も生涯1800以上の大量の絵画を描きましたが、世界中の人々が知る著作はごくわずかです(生前に評価された絵画は2作品のみでした)。

 

つまりどういうことか?

歴史に名を残す偉人・天才たちでさえ数限りない挑戦・トライアンドエラーを行い、失敗し、その結果世界に認められたのはごくわずかなのです。

天才・偉人達はアウトプット量が半端ないわけですね。

 

もちろんエジソンが「99%の努力をしても1%の閃きがなければ意味がない」と指摘しているように、能力も重要でしょう。

しかしいくら頭の中でよいアイディアがあったとしても、それを行動に移さなければ(作品を作る・アウトプットする・世に発表するなど)周りの人は認めてくれることはありません。

 

天才というと常に素晴らしいアイディア・知性を持っていて、映画やドラマで出てくる名探偵のようになんでもすぐに解決するイメージを抱きがちですが違うのです。現実世界の天才とは無数のトライアンドエラーを繰り返す行動力・発信力のある人なのです。

 

 

【天才は変人でマイノリティ?】

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みなさんは病跡学というものをご存知でしょうか?

病跡学とは、過去の天才・偉人たちはなんらかの精神疾患を患っており、そのため健常者には出来ない特殊な物の味方・考え方が出来たため、その結果として独創的な成果を発信できたのではないかという視点から、過去の天才や偉人を考えていく学問です。

 

例をあげましょう。

 

たとえば科学者の分野での天才アインシュタインアインシュタインは子供の頃、言葉を話せるようになる年齢が周りの子供に比べて遅く、また晩年は「自分の中に引きこもりたい」との発言をするなど対人コミュニケーションに問題があったことから自閉症スペクトラム症(旧アスペルガー症候群)ではないかと推察されています。同様の傾向はダーウィンでも見られるようです。他にも万有引力を発見した天才ニュートン神経梅毒であったとも言われています。

 

たとえば芸術家であればゴッホムンクゴッホが自分の耳を切り落としたエピソードはあまりにも有名ですね。彼は統合失調症てんかんであったと言われていますムンクも同様で、彼の有名な作品「叫び」統合失調症患者が感じる世界没落感覚をそのまま絵にしたような作品だという指摘もあります。

 

この他にも森鴎外うつ病であった、芥川龍之介は妄想性障害であったなど、過去の偉人が精神疾患であったのではないかと言う指摘は枚挙にいとまがありません。

 

たしかに普通のことを普通に見て普通に解釈して普通に行動してしまえばただの凡人です。一方で精神疾患にかかる人はマイノリティですが、マイノリティだからこそ普通の人とは違う見方・考え方が出来るから独創的になれるという部分はあるでしょう。

 

 

【まとめ】

①天才の条件の一つとして、行動力・アウトプット能力・発信力がきわめて高いことが挙げられる。

 

②天才たちでさえ多くの作品を発表し、そのごく一部しか世界で認められていない。ましてや凡人である私たちが何かを成し遂げようと思えば、彼らよりさらにたくさんのトライアンドエラーをすべきである。

 

③天才には何らかの精神疾患が多く散見される。そのため、健常者では出来ないような特殊な考え方ができ、それが独創的な作品・成果につながっているのかもしれない。

 

 

以上です。

過去の偉人達は目標に向かって絶えず行動し、発信し、創作活動を絶え間なく継続できる、すなわち「努力する人たち」なんですね。しかも努力するだけでなく、必ずアウトプットする人たちでもあったのです。

また、過去の偉人達は能力や努力、アウトプット能力だけでなく、「変わった人格」を持っている人が多かったようです。精神疾患発達障害はとかく差別や偏見の対象になりやすいですが、彼らは独特の世界観を持つため、健常者にはできない独特な考え方を持つことが出来るのかもしれません。それが独創的な成果に結びつくこともあるのでしょう。

みなさんもぜひどんどん行動し、自分の考えをアウトプットしましょう。過去の天才たちでさえたくさん失敗し、そのうち世に認められたものは一部なのです。失敗や批判など恐れず、ひたむきに努力し行動する、これが成功への王道なのかもしれませんね!

 

 

<過去記事>

 

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【ハロウィン】人は群れになるとなぜ非道徳的で無責任な行動をとるのか?

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【概要】

ハロウィンですね。

昨年のハロウィンも色々と騒動がありました。

また各地でおこるいじめ問題もなかなか解決せず、集団によるいじめはエスカレートしてしまい、最悪の場合、傷害・殺人事件にまで発展するケースもあります。

なぜ集団をなすと危険な行為を行うのでしょうか?

人の道徳感覚や自制心が緩んでしまう要因とは何なのでしょうか?

 

 

【人の道徳感覚が低下する要因】

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①傍観者効果

社会心理学者ビブ・ラネタとジョン・ダーリーの実験です。

一人の学生に、ニューヨークのストリートでけいれんを演じてもらい、その時の通行人の反応を調べました。

その結果、けいれんを演じた学生を助けようとした確率は、通行人が一人であったときは85%だったのに対し、通行人が5人以上いるときは30%まで低下してしまったのです。つまり人は集団になると一人一人の責任感・義務感が低下することが分かったのです。

 

同調圧力

社会心理学ソロモン・アッシュの実験です。

8名の被験者を集めます。実はこのうち7名はサクラです。

彼ら8人にさまざまなクイズ問題を出題しました。答えは選択式の問題で、クイズ自体も非常に簡単な内容でした。問題への回答方式はその場で口頭で答えていくと言うものです。しかしサクラはあえて、明らかに正解な問題に対しても不正解の方を選択しました。そして、残った一人の被験者が、どのくらいの確率でサクラに同調してしまうかを検討しました。

その結果、サクラが正しい答えを選択した場合、サクラでない被験者も堂々と正答を出せたのに対して、サクラが敢えて嘘の答えを回答するとサクラでない被験者も(答えは明らかな問題にも関わらず)それにつられてサクラと同じように不正解になる傾向が見られたそうです。

つまり、人は集団になると、正しい判断が出来るにも関わらず周りの多数派に同調して、誤った行動をしてしまうことが分かったのです。

 

③アルコール

日本の犯罪白書の統計情報によると、日本における傷害事件の約40%が酩酊時に起こっているとされています。アルコールは脳に作用し衝動制御機構を弱めるため、突発的な衝動的行動を誘発します。酔っぱらい集団は特に危険です。

 

④黄昏効果

人間の判断能力は、血糖値や休憩をどれだけとるかにもよりますが、基本的に午前中は判断能力は高く、夜になるに従って低下します。これを心理学の世界では黄昏効果と呼びます。つまり、夜は判断能力が低いため、上述のような同調圧力や傍観者効果が出やすくなってしまうのです。その結果、普段なら到底行わないような行動をとってしまう恐れもあります。

 

⑤匿名性

インターネットなどは匿名性があります。実はこの匿名性が人の攻撃性を高めることが分かっています。面と向かっては到底言えないようなひどい内容のメッセージも、SNSなどを通してであれば発信してしまう傾向があることが分かっています。

ハロウィンのような仮装をしていることもある意味匿名性につながるかもしれません。いつもと違った雰囲気・空気に呑まれ、かぶり物や衣装を付けていると、いつもとは違った行動をとってしまうかもしれませんね。

 

 

【まとめ】

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①傍観者効果や同調効果により、人は単独でいる場合よりも集団でいる方が、正常な判断力を失いやすい傾向にある。

 

②傷害事件とアルコールはある程度関連性がある。

 

③人は夜になると判断能力が鈍くなる傾向がある。

 

④仮装やインターネットなどの匿名性は、人の攻撃性を高めてしまう可能性がある。

 

 

以上になります。

おそらくほとんどの人は単独ではゴミをポイ捨てしたり、町中で急に暴れだしたりはしないはずです。そういういつもはまともな人でさえも、集団になると責任感・判断力・道徳感覚が低下して、危険な行動や非道徳な行動に出る可能性が高まってしまうのです。一種の興奮状態にある群衆は、普段なら非難されてしかるべき行為がお祭りの一環程度としか思えなくなり、エスカレートしていきます。場合によってはそのような危険行為をする人を、「お祭りを盛り上げてくれてる人」のように錯覚してしまい、どんどん煽ったりエールを送ったりしかねません。

 

ハロウィン集団には興味のない人は近寄らず、出来れば参加しないことをおすすめします。トラブルに巻き込まれる可能性もありますし、トラブルを起こす側になってしまうこともあるかもしれませんからね。

どうしても参加するんだ、と言う人も細心の注意を払って参加してくださいね!

 

 

<参考記事>

 

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【心の病】精神科・心療内科に行くタイミングは?

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【概要】

今回の記事は、「精神科・心療内科に行くタイミング」についてです。

精神科や心療内科に行くのは少し心理的なハードルを感じてしまいますよね。

しかしながら現代のストレス社会において、心身症やうつ、身体表現性障害、適応障害不眠症などのいわゆる「心の病」は精神科や心療内科でしか治らない病気です。

どういう基準で精神科や心療内科に行くタイミングを見極めれば良いのでしょう?

 

 

【自覚症状について】

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メンタル疾患も、通常の病気と同様、早期発見・早期治療が大前提です。現在は、うつ病は早期に治療すれば90%が治る時代で、運動療法も併用すれば90%再発を防ぐことが出来る病気です。一方で、安易に精神科・心療内科に通院することに対する心理的ハードルや、怖い薬を処方されるのではないかという不安もあると思います。

 

①身体に症状が出るケース

メンタル疾患にかかると、身体の不調を訴える患者さんがいます。うつ病自律神経失調症、身体表現性障害、適応障害パニック障害など、実にさまざまなメンタル疾患が身体の不調を伴います。

身体に何らかの不調を感じた場合は、まず内科に行くことをおすすめします。出来れば総合診療医の経験のある医師、さまざまな疾患を専門分野に持つ医師が良いです。メンタル疾患と思っていたら実は身体の病気だったということもあります(この場合は精神科・心療内科に行く必要はありませんね)。しっかりと診察を受け、各種検査(胃カメラ大腸内視鏡・脳MRI・全身CT・超音波検査・血液検査など)を怖がらず受けましょう。そして重大な身体疾患である可能性をまず除外しましょう。そうすることで、精神科・心療内科の医師も診断しやすくなります。身体に検査上の異常はないにも関わらず、症状がある場合は精神科・心療内科に行きましょう。

 

②精神的・心理的苦痛のケース

精神的・心理的苦痛とは、うつ傾向・パニック・不安・不眠・イライラなど多岐にわたる、いわゆる「心の不調」です。心の不調でメンタルクリニックに通う前に、「自分が苦痛を感じているか」「健全な社会生活を営むのに障害が生じているか」の二点を自分に問いかけましょう。社会生活が営めるかどうかとはどういう意味かというと、つまり学校に通えているか・会社に通えているか・社会と摩擦を起こしていないか・ギャンブルや衝動買いなどをし過ぎて経済的困窮に陥っていないか、体調が悪いのに深酒などを行っていないか等の、自立した社会生活が送れているかということです。上記二点に全く当てはまらないのなら、無理をして精神科・心療内科に通う必要はありません。どちらか一方でも当てはまるのであれば、精神科・心療内科を受診してみましょう。

 

 

【「良い医者」について】

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精神科・心療内科に通う人がまず感じる不安は、「この医者は自分にあっているかどうか」でしょう。これは人の相性みたいなもので、合う人もいれば合わない人もいると思います。ただ重要なのは合うか合わないかではありません。その医師が自分の病気を治してくれれば良い医者なのです。

 

①まずはホームページを見て、自分の症状に合う医師かどうか決める。

⇒多くのメンタルクリニックにはホームページがあります。そこで医師の略歴や専門領域をチェックしましょう。自分の症状に合っているかを確認しましょう。場合によってはメールで問い合わせなどが出来るクリニックもあるので問い合わせてみましょう。

 

②その医師は、初診で約1時間ほどあなたの話を聞くか?

⇒まずこれをしない医師はダメな医師です。メンタル疾患は身体の病気とは違って、客観的な検査手段が少ないのが現状です。ガンや胃潰瘍などの身体の病気であれば検査して見つかりますが、メンタル疾患は患者本人の話の内容が診断を下す上で重要な判断要素になってきます。逆に言えば、正しい診断・治療が受けられるかどうかは、初診であなたがしっかりと自分のこと・自分の症状を医師に伝えられるかどうかにかかっています。受診する前にメモを作成しておくことをおすすめします。

 

③その医師は、あなたの話を聞いてメモを取るか?

⇒これをしない医師もダメな医師です。前述の通り、患者さん本人の主訴が、メンタル疾患の診断・治療方針の決定には非常に重要です(なので言うべき主訴は臆することなくしっかり伝えてください)。たいていのメンタルクリニックは多くの数の患者さんをさばくので、メモをとらずしてあなたの話を医師が記憶出来ているはずはありません。逆に言えばメモらない医師はあなたの話を翌週の診察時には忘れています。その結果、あなたの訴えは治療に反映されません。あなたの主訴を医師がメモやカルテに書いているかどうかはぜひ観察しましょう。

 

④良い医師かどうかを判断するタイミング

⇒上記をクリアした医師はとりあえず良い医師である可能性があると仮定してよいと思います。このような医師でも「なんとなく合わない気がする...」と思う場合もあると思いますが、しばらくは我慢して通院しましょう。二、三回会っただけでは良い医師かどうか判断はできませんし、医師側もまだあなたを理解していない可能性があります。三ヶ月は通ってみましょう。

もし薬が効かない・副作用がキツいなどの場合は遠慮なく言いましょう。薬を変えてくれるかどうかはケースバイケースですが、薬を変えてくれなくても、変えられない理由をしっかり説明してくれる医師はよい医師です。何度も言いますが、病気を治してくれる医師が良い医師です。あなたと気が合おうが合うまいが病気を治せない医師はダメな医師です。

 

④それでも医師を変えたい人へ

⇒基本的に患者は医師を選ぶ権利があります。よってセカンドオピニオンを考えてみることもダメではないと思います。ただ実は、精神科医は変えてもあまり意味はありません。上記項目をクリアしているのであれば、あなたの精神科医は平均的な能力をしっかり持っています。

メンタル疾患の診断や治療方針の決定は、現在はフローチャート式になっていて、よほどのダメ医師でない限りは、全国一律の治療を受けることが出来ます。逆に言えば精神科医を変えても、結果的には診断・治療方針に大きな変化は基本的にはありません。

(もちろん精神科医によって専門領域というものはあり、例えば発達障害を専門にしている医師やパーソナリティ障害を専門にしている医師などです。こういう情報は事前にしっかりチェックした上で受診しましょう)

 

 

【まとめ】

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①身体に不調が見られる場合は、まず総合内科・総合診療医などの診断のスペシャリストを受診すること。必要な検査はしっかり行い、重大な身体疾患である可能性を除外すること。それでも症状が見られるにも関わらず、検査上異常が認められないならば、すみやかに精神科・心療内科を受診すること。

 

②精神的な不調が見られる場合、「自分にとって苦痛であるか」「その精神的不調により健全な社会的生活が営めなくなっているか」を自問すること。どちらもNoであればあまり心配する必要はない。逆にどちらか一方でもYesなら早めに精神科・心療内科を受診すること。

 

③よい医師は、初診時にしっかりあなたの話を聞き、メモをとる医師である。なぜならば、メンタル疾患は患者の主訴が診断・治療方針の決定に非常に重要なウェイトを占めるからである。逆に言えば、あなた自身があなた自身の話をきちんと伝えられるかどうかも適切な診断・治療方針の決定に重要なので、事前にメモを作成して受診すること。

 

 

以上です。

メンタル疾患を治すためには、早期発見・早期治療と良い医師に巡り会えるかどうかも重要です。ただもっと大切なのは、「自分が治す努力をする」ということも大事です。身体やメンタルに悪影響を与えている環境因子は改めましょう。正しい生活習慣をしているか見直してみましょう。

メンタル疾患の治療には、医師の努力だけでなく、患者自身の努力も重要です。

それではまた次の記事で!

 

 

<過去記事>

 

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【考察】ハンニバル・レクターはサイコパスなのか?

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【概要】

今回は考察記事です。

ちょっと前に見た海外ドラマ版の「ハンニバル」についての心理分析をしてみたいともいます(映画版は見たことがないので今回は海外ドラマ版の考察のみとなっております)。

ちなみに、原作者のトマス・ハリスハンニバルをソシオパスとしてイメージしていると言います。ただ映画などの中では、ハンニバルサイコパスとして描かれているそうです。

 

 

目次

サイコパスとは?

ハンニバルの犯行・言動概要

・考察

サイコパスっぽい海外ドラマのキャラクター

 

 

サイコパスとは?】

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これは過去記事を参照してください。主な特徴は下記の通りです。

・共感能力の欠落(人の気持ちや感情を読み取る能力が低い)

・衝動性が強い(自分の行動や感情をコントロールする能力が低い)

・良心や道徳の欠如

・社会的罰から学べない(なんども同じ悪事を繰り返す)

・不安や緊張、恐怖をあまり感じない 

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ハンニバルの犯行・言動】

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ハンニバルの犯行

シリアルキラー

・犯行現場については隠蔽するどころか、意味なく飾り付けたり、放置したりしていることが多い一方で、証拠は一切残さない

・被害者の一部を調理して食べてしまう

 

まずFBI式プロファイルによると、シリアルキラーは白人の男性が多いとされています(この点は当たってますね)。また犯行現場について、死体の隠匿などを行っていないことから無秩序型にも見えますが、証拠を一切残さないことから秩序型の犯人像も想定されます。このようにプロファイリング像が複数考えられる場合、犯人は複数犯である可能性・犯人は多重人格である可能性・犯人は複数の妄想を患っている可能性・愉快犯的側面がある可能性・混合型(無秩序型にも秩序型にも分類されないタイプの犯人)の犯人である可能性・何らかのアクシデントにより犯行スタイルが変化した可能性などさまざまなケースが考えられます(ただ多重人格、いわゆる解離性同一性障害の場合は、人格交代を自身でコントロールすることは不可能で、対人関係で何らかの違和感を周囲に与えているはずです。またこのようなタイプの犯人が証拠を残さないような計画性のある犯行を起こすことは難しいでしょう)。

以上より、個人的な見解ですが、全く証拠を残さず、長年司法当局の捜査を逃れていることから秩序型に分類されるべきだと思います。つまり、通常の社会的地位を持ち(きちんとした職業についている)、知能も平均かそれ以上、精神疾患というよりは人格障害であること、通常の社会的生活を営んでいることが考えられます。ただ混合型の場合も完全には否定できません。

 

また被害者の一部を食べてしまうという点に関して。これは、尊敬する相手の一部を自分の体内に取り込む「儀式的行為」として行われる文化圏もあります。あるいはただそのような妄想を抱いている可能性もあるでしょう(この場合は妄想性分裂症などが該当しますが、この場合は人格破綻の程度が大きいため、計画的で証拠を残さないような犯行は難しいでしょう)。逆に相手を虐げる目的で食べるという行為を当人が位置づけている場合もあります(この場合は加虐性パーソナリティ、いわゆるサディズム的人格です)。また、妄想性パーソナリティやサイコパスというだけでは食人行為を行うほどの人格破綻は説明はつきません。なんらかの精神疾患を疑わせるような障害を併せ持つ可能性は捨てきれません。

 

ハンニバルの言動

ハンニバルはとても洗練された趣味・嗜好を持っています。さまざまな楽器を弾いたり、整った自宅・クリニックを持っています。食事に対するこだわりも強く美食家といっても良いでしょう。人間関係についても礼儀正しく知的で紳士的な振る舞いをしています。このようなことから明確な人格破綻は見られないため、すくなくとも重度の精神疾患の可能性は低いように思います。あるとすれば人格障害もしくは人格の破綻を伴わない精神疾患でしょう。

ハンニバルの対人関係は、ウィルグレアムやジャッククロフォード、ハンニバルのカウンセラーに対して時折、人心操作的な振る舞いが見られます。また嘘(明確な嘘ではなく、重要な事実だけを伏せていたり、詳細を曖昧化するなどのタイプの嘘)も頻繁に見られ、さらに表面上は魅力的な人間に見えることと裏では連続殺人を犯しながらも平然と振る舞っていることから、他者への共感能力の欠如や捕まることへの恐怖の欠如なども見られます。こういう点はサイコパス・ソシオパスと合致する点ではあると思います。

 

ただサイコパスの特性だけでは連続殺人や食人行為を説明することは出来ません。サイコパス的特性の他にもなんらかの人格の問題があると思われます。

 

 

【考察】

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ハンニバルには目立った人格破綻は見られません。これは生活様式は一貫して秩序があり、一見社会的・対人的に問題がないことから明らかです。人格破綻が見られるようであれば、仕事や生活や対人関係に一貫性のなさやトラブルが必ず現れるはずです。

ハンニバルの対人関係については操作的で、巧みに隠蔽された嘘がちりばめられています。また犯行を行いながらも、平然としている点は、共感能力や道徳・良心の欠如、不安や恐怖の欠落が推察され、サイコパスと酷似していると思わされます。

ハンニバルの犯行様式としては、証拠を残さないという計画性はありながらも、「遺体を飾り立てる」「食人行為」などの快楽殺人的側面があり、サイコパス以外にも複数のパーソナリティ障害や、人格破綻を来さない程度の精神疾患の併存が疑われます。ハンニバル本人はシーズン2で「無礼者は可能な限り食べる」と述べていたり、プロファイラーのウィルグレアムの言葉を借りればハンニバルの犯行は「被害者を豚扱いだ」となっており、これらが正しいとすれば、相手を虐げる目的を持っている「加虐性パーソナリティ障害:サディズム」や「無礼者は食べなくてはならない」という強い強迫観念に支配された強迫性障害、妄想性障害などが該当すると思われます(この場合は幼少期になんらかのトラウマがあった可能性が推察されます)。

いずれにせよ、ハンニバルに象徴的な「食人行為」はサイコパス特性由来の行為ではないと思われます。

 

 

サイコパスっぽい海外ドラマのキャラクター】

ラムジーボルトン

海外ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のキャラです。この人はある王家の子なのですが、嫡男ではなく落とし子なのです。そのため、さまざまな策略を用いて父に認められようと画策します。そのためなら手段を問わず、最終的には父を暗殺して、王の座を射止めます。そういう権力に固執し、人心操作を行う部分はサイコパス的特性があると言えるでしょう。また、捕虜を過剰にいたぶったりする行為からはサディスト的特性もあると思われます。

 

・グレゴリー・ハウス

海外ドラマ「ドクター・ハウス」の主人公です。天才的な診断医である一方、患者の命を救うためなら手段を問わない型破りな医師です。ブラックジョークをいつも炸裂させるユニークな先生ですが、共感能力の欠如・時に見せる冷酷さ・嘘や対人操作能力の高さ・自己中心的...など多くの部分がサイコパスに酷似します。ハウス先生はけっして悪人ではないですが、実際多くのサイコパスも悪人ではありません。私からするとハウス先生のような人こそサイコパスの典型例であり、現実世界にいるちょっと迷惑でめんどくさいけど犯罪を起こさないタイプの「良いサイコパス」だと思います。

 

 

以上になります。

海外ドラマやサスペンスものは、ストーリーを推理しながらみたり、上記のように心理分析をしてみたりと色々な面から楽しめます。

みなさんもためしてみてくださいね!

 

 

<参考記事>

 

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【診断】スキゾイドだと思ってたら自閉症スペクトラムだった件

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【概要】

今回の記事は私の診断についてです。

以前、私はスキゾイドなのでは?と思っていたという記事を紹介しました。

ところが、病院で診断(QEEG検査という脳波測定法と問診による診断)を受けた結果、ASD自閉症スペクトラム)およびADHD注意欠陥多動性障害)だと診断されました。

今日はスキゾイドASDを比較してみたいと思います。

 

 

目次

スキゾイドパーソナリティ障害とは?

自閉症スペクトラムとは?

・似ている点

・まとめ

 

 

スキゾイドパーソナリティ障害とは?】

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スキゾイドパーソナリティについては以前ご紹介しました。

もう一度おさらいしたいと思います。

スキゾイドとは、一貫した孤独を好む傾向のある人です。あまり対人接触を好みません。

回避性パーソナリティの人が人を恐れすぎる結果孤独になるのに対して、スキゾイドは人を恐れているわけでもなく、コミュニケーション能力がないわけでもなく、ただただ人と関わりたいという欲求自体がなく、その結果孤独になりがちなのです。スキゾイドは強い野心や欲求もありません。ただ、外界に何かを求めない代わりに、内界では洗練された趣味や嗜好を持つ場合もあり、強いこだわりを持っている人もいます

スキゾイドの人たちは、外界にあまり興味・関心がなく、その結果あまり注意を乱されないため、比較的淡々とものごとをこなします。

また彼らは、自分の内界を他人に侵害されるのを強く嫌うため、親密な友人や特定の恋人などは作らない・あるいは長続きしない傾向があります。

 

 

自閉症スペクトラムとは?】

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自閉症の主な特徴は二つあり、一つ目は「こだわり行動」、二つ目が「コミュニケーション形態が奇異である」という点です。

「こだわり行動」とは、ある特定のものに対してあまりにもこだわってしまい、他に注意が向かなくなる傾向のことです。一人遊びに集中したり、マルチタスクが人より苦手であったりする傾向があります。

「コミュニケーションが奇異」とは、相手の感情や気持ちを察する能力や非言語コミュニケーション能力(その場の空気が読めないことや、相手の表情・仕草から相手の本音を察する能力)が低いことが挙げられます。この原因はさまざまですが、一説には、上記のように自閉症スペクトラムの人はマルチタスクが苦手なため、相手の言葉を聞きながら非言語コミュニケーションも解釈するということが苦手で、もっぱら相手の話している言葉にしか反応できないのだという解釈もあるそうです。

このように自閉症スペクトラムの人は、「こだわり行動」があり、場合によっては強迫性パーソナリティのような形態も持ちますし、場合によってはある特定の分野では素晴らしい知識・興味・情熱をもって取り組める人にもなりうるということです。また「コミュニケーションが奇異」であるため、周りと反りが合わず、人によっては自己肯定感を傷付けられたり、孤独になってしまうこともあります。

 

 

【似ている点】

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スキゾイド自閉症スペクトラムの似ている点は、以下の二点です。

①こだわりが強い

⇒長所としては、こだわりの強さは独自性の高さにつながることもあると思います。ただ独自性が高すぎて周りの人と意見が合わない・噛み合ないなどのケースが起こると、本人は疎外感を感じるでしょう

②他者との関わり方に特異な点がある

スキゾイドはそもそも他者とかかわり合いたいと思わず、自閉症スペクトラムはコミュニケーションに問題がある結果、他者との関わりが難しくなる部分があります。

 

 

【まとめ】

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スキゾイドは「そもそも他者と関わり合いたいと思わない」というパーソナリティであり、その結果孤独になるが、孤独を好む心理をもつため、孤独だから苦しむということはない。

 

自閉症スペクトラムは強い「こだわり行動」と「コミュニケーションの奇異さ」により孤独になりがちである。

 

 

以上です。

私も孤独で、むしろ孤独が大好きです。無駄な人間関係に付き合う必要もなく、自分の研鑽や、やりたいことに打ち込めるからです。

また私のこだわり行動は、以前のエッセイでも紹介しましたが、「論理性・生産性・合目的性」です。私は意味のない「儀式」「しきたり」が昔から大嫌いでした。

例えば、ある状況では夏でもジャケットを着用しないといけないとかいうしきたりがありますよね。普通の人はこのような社会のしきたりだとか、暗黙のルールをそのまま受け入れることが出来るのでしょうが、私は出来ないのです。私は「上着は寒いときに着るもの。なんで暑い時に着るの?」とか「上着来て汗だくの人とお近づきになりたくない人の方が多いんじゃないの?」とか「そもそもみんな同じような服着てたら相手の印象に残る確率は下がると思うけど」とか「スーツって自宅の洗濯機で洗いづらい印象なんだけど、毎回ちゃんと洗ってる?まさか洗わずに着て来たりしてないよね?」...等々思ってしまうわけです。そういう意味でスーツのおじさんには近づきたくないのです(笑)。ただ今思えば、このように「あるがままを無批判で受け入れる能力」は私にはなく、論理や合理性という「フィルター」を通してしか物事を受け入れられないというのも、自閉症スペクトラムの「こだわり行動」だったのかもしれませんね。

私のコミュニケーション方式は、一方的に話しかけるのは可能です。プレゼンとかは難なくこなせますし、大好きです。ただ相手の言葉を額面通りにしか聞かない傾向はありますね。

 

私の自閉症スペクトラムの話については、またあらためて詳細は記事にしようと思いますが、今回はこのくらいで。

今のところ、自閉症スペクトラムADHDも個性だと思っていますので、治す予定はありません。前述の通り、私は変わり者ではありますが、そのおかげで独自な視点で物事を見ることができ、その点は周りから評価されています。きっと私は出来ることは出来るけど、出来ないことはめちゃくちゃ出来ない子なのでしょうが(笑)、その点は上手に人間関係を構築し、頼れるところは頼って、お互い助け合っていければなと思っています。

それではまた次の記事で!

 

 

<参考記事>

 

 

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【危険な権力者の病】妄想性パーソナリティ障害とは?

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【概要】

今回の記事は妄想性パーソナリティ障害に関する記事になります。

 

妄想性パーソナリティとは、現実から乖離した妄想を中心にして、物事の判断や思考を行ってしまう性格気質のことです。別名、猜疑性パーソナリティ障害とも言われます。

普通の人々は信頼や愛情を介した人間関係を構築することが可能ですが、彼らは猜疑心にとらわれているため常に疑り深く、健全な人間関係を構築することが困難になっています。その結果、彼らは信頼や愛情といった感情を介してではなく、自分への強い忠誠心をもとに付き合う人間を選ぶ傾向があります。その結果、彼らの周りにはおべっか使いのイエスマンだけが溢れかえります(そのイエスマンたちにも常に猜疑心を向け、強い忠誠心を求めるため、すこしでも拒絶を見せるとすぐに冷遇や処罰を与えます)。もし会社の社長などが妄想性パーソナリティなら最悪の組織になってしまいますね。

 

妄想性パーソナリティはしばしば歴史上の権力者にも見られる人格で、「自分を裏切るやつがいるんじゃないか」「あいつは自分の地位を狙っている」などの猜疑的妄想にとらわれます。その結果、部下を何の前触れもなく粛正したり(どこかの国の指導者ですね)、大量虐殺したりすることもあります。たいていの場合、その原因や動機は、我々普通の人が理解するのは困難です(なぜなら動機は彼らの「妄想」になるからです。もはや思考が正常ではないのです)

 

 

【診断】

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診断はDSMによると以下の基準にあてはまるかどうかで決定されます。

 

  1. 十分な根拠もなく、「他人が自分を利用する」、「危害を加える」、「だますのでは?」という強い疑いを持つ。
  2. 周囲の人々の誠実さ・信頼を強く疑い、それが長期に渡っている。
  3. 自分の開示した情報が自分に不利に用いられるという根拠のない恐れのために、他人に秘密を打ち明けたがらない。
  4. 悪意のない言葉や出来事の中に、自分をけなす、または脅す意味が隠されていると考える(いわゆる敵意帰属バイアス)。
  5. 恨みをいだき続ける。傷つけられたこと、または軽蔑されたことを許さない。
  6. 自分の性格や評判に対して他人にはわからないような攻撃を感じ取り、怒りを表出する。または逆襲する。
  7. 配偶者や性的伴侶の貞節に対して、繰り返し道理に合わない疑念を持つ。

 

妄想性パーソナリティ障害の妄想は「根拠のない疑い」を常に持つという点が特徴的です。

妄想が関係する他の疾患に、妄想性障害や統合失調症などがあります。前者は、猜疑心だけではなくより広範囲に妄想が見られます。後者も同様で、さらに幻覚(特に幻聴)などが見られることもあります。これらに比べると、妄想性パーソナリティ障害の患者はある程度は一貫した人格を保っています。

 

 

【問題点】

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彼らは執拗な妄想(不信)を抱くため、知らない間に激しい敵意を向けてくるということが少なくありません。ほんの些細なことでも疑念を感じます。以前、過去記事でご紹介したストーカータイプの一つがこの妄想性パーソナリティ障害です(ほかにはサイコパス型、ナルシシズム型、統合失調型、境界性パーソナリティ型がある)。

妄想由来の敵対心や攻撃ですので、こちらは全く身に覚えがなく、予想もつかないタイミングで攻撃をしてくる危険なパーソナリティでもあります。

 

 

【対策】

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妄想性パーソナリティの人たちは、常にこちらに疑念を持ち、急に敵対的・攻撃的になります。基本的には関わらないのがベストです。下手に親密になると急に依存的関係を強要されたりします。程よい距離感を保ち、親密には決してならず、彼らの視界になるべく入らないようにすることが被害を最小限にする方法でしょう。

 

 

【まとめ】

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①妄想性パーソナリティ障害とは、「不信」を中心としたパーソナリティである。

 

②妄想性パーソナリティ障害の人々は、強い不信感をもつため、信頼や愛情を介した人間関係が築けない。彼らは強い権力や脅迫的な言動による対人操作を介さないと人間関係を築けない。

 

③妄想性パーソナリティ障害の人々は、自分の周囲の人々に過剰な忠誠心や奉仕を求める。それ以外の人は排除しようとする。その結果、彼らの周りにはイエスマンばかりが残る。組織の上位者が妄想性パーソナリティだと組織は破綻する。

 

④妄想性パーソナリティ障害の人々は、急に攻撃的になったり、こちらを冷遇したりすることがある。かなりやっかいなパーソナリティなので近寄らないことが何よりの対策となる。

 

 

以上いかがだったでしょうか?

妄想性パーソナリティは人口の0.5~4%もいると言われます。過去記事で、サイコパスやソシオパス、ダークテトラッドやダークトライアドなど色々と紹介してきましたが、それに並ぶ危険度です。

みなさんもぜひ注意してくださいね!

 

 

<過去記事>

 

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【自分を盛る人たち】演技性パーソナリティ障害とは?

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【概要】

今回は演技性パーソナリティ障害の紹介です。

 

たまにテレビとかでも見かけますよね。

経歴を詐称したり、論文データをねつ造したり、謝罪会見なのに被害者ヅラしていつのまにか自己PRの場にしたりする人たち...。

 

あるいは身の回りにも、ちょっとズレたオシャレをしたり、自分を盛るために嘘を重ねて注目されたがったり、周りにちやほやされたがる人たち...。

 

そういった人たちは演技性パーソナリティ障害かもしれませんね。

 

 

【診断】

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価値観や生きる意味は人それぞれです。自己の研鑽が目的の人、自然現象の探求が目的の人、億万長者を目指す人、幸せな家庭を求める人...。人の数だけ価値観があっていいと思います。

演技性パーソナリティの人たちの価値観・目的は「他者に注目されること」です。注目されることのみが彼らにとってのステータスです。彼らは「他者に注目される」ためになりふり構わない手段に出ます。その手段とは、嘘・演技・性的な挑発・誇張などさまざまです。このような手段をとってしまう結果、人間関係や、社会に被害を与える場合があります。特に影響力のある人の嘘やマスメディアをも欺く嘘・誇張が与える社会的損害は甚大になる場合もあるでしょう。

 

演技性パーソナリティかどうかは以下の診断基準に則って判断されます。

 

①自分が注目の的になっていない状況は楽しいと感じない。

⇒彼らは自分が舞台の中心・主役になっていないと不満・不安を感じます。その結果、騒動を起こしたり、人間関係をかき回すような行動に出たり、虚言を用いたりします。

②他者との交流は、時によって性的に誘惑的な、あるいは挑発的な行動が見られるという特徴がある。

⇒やたら露出の高い服を職場に着てくるとかの特徴が見られます。また異性に対しては、特定の人に対して執着するというよりも、多くの異性に注目されることを好む傾向があります。ちなみに特定のパートナーとは長続きすることは少ないため、結婚には向かないでしょう。結婚して特定の異性へ尽くすという感情は欠落しており、常により多くの異性の注目を浴びていなくてはならないという強迫的とも言える思考を持つためです。

③浅薄ですばやく変化する感情。

⇒これも他者の注目を引くための行動です。

④注目を引こうと、奇妙で派手な外見をする。

⇒その場・立場には明らかにそぐわないような言動・振る舞い・服装を好みます。

⑤印象的ではあるが、中身の乏しい会話をする。

⇒「これからとても大事な話をするけど...」「これ、みんなには内緒なんだけど...」と切り出しておいて、内容が実にくだらない内容であったり、誰でも分かっていることだったりします。会話の中身自体が作り話の可能性すらあります。

⑥演劇的な表現を行う。

⑦被暗示性が高く、環境や流行に影響を受けやすい。

⑧一般基準から考えて非常に馴れ馴れしく、ただの知人を親友と言ったり、一度あっただけの人を友達と考えたりする。

 

他者の注目をモチベーションにしているという点のみ取り上げれば、とくに悪い人格ではありません。状況によっては彼らは大きく成長するでしょう。そもそも今の世の中、誰もが目立ちたい、ユニークでありたいと思って当たり前ですので、どこまでが障害でどこまでが通常かの判断はなかなか難しいでしょう。

例えば芸能人などのテレビ・メディアへの露出の高い人たちは目立ってナンボの世界です。そういう人たちが演技性パーソナリティ傾向であれば、それは強い武器となるでしょう。

問題は前述の通り、なりふり構わない手段をとって目立とうとする点です。嘘・経歴詐称・人間関係をかき回す・他人の悪口や過激な思想を話すなどのさまざまな、普通の人は思いもつかないような手段で彼らは注目されることを追い求めます。その手段によっては社会的制裁を受けることもあるでしょう。芸能界ではプロフィールをごまかしたりするのは当たり前のようですが、政界で学歴詐称などしたら大問題になりますね。

 

 

【彼らの問題点】

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前述のとおり、嘘・過度に目立つ外見(場にそぐわない厚化粧や実際の収入にそぐわない車や家・服を持つ等)・人間関係を操作し目立とうとする・口達者などのさまざまな手段をとります。彼らは確かに目立ってはいますが、実際よくよく観察してみると中身がないことが多いです。特に嘘や対人関係を操作しようとする手法が問題です。その結果、周囲の人と摩擦を起こし、人間関係を悪化させることもあります。

もう一つ問題なのが、彼らの「嘘」「演技」にだまされてしまう人が一定数いることです。彼らが嘘や演技を放つたびに、それを信じる人と信じない人の対立軸が出来てしまい、それがもとで人間関係がギクシャクしてしまうことも問題ですね。

 

 

【類似のパーソナリティ障害との比較】

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単純に嘘や対人操作などの特徴だけに着目すれば、反社会性・自己愛性・境界性パーソナリティ障害などでも見られます。違いは何なのでしょうか?

 

①反社会性パーソナリティとの違い

反社会性パーソナリティは、「目的志向型」つまり何らかの目的があって嘘や対人操作を行います。例えば昇進したい、昇級したい、権力を握りたい、お金をだまし取る、ライバルを蹴落とすなどの目的が先にあって、そのための手段として嘘や対人操作を用います。単に目立ちたい人たちが演技性パーソナリティです。ちなみに反社会性パーソナリティにはあって、演技性パーソナリティにはない特徴は、共感能力(相手の感情や気持ちを汲み取る能力)の欠落、極端な冷淡性などです。演技性パーソナリティに見られるような感情の起伏の激しさなどはほとんどありません。

 

②自己愛性パーソナリティとの違い

このナルシシズムと演技性パーソナリティは非常に似ていて一見同じに見えます。違う点は、ナルシシズムは他者への共感能力が低く、また、「自分はすでに演じるまでもなく全能である」と思っている点です。演技性パーソナリティの人はなんとなく「現実の自己」と「理想の自己」との間のギャップを理解していて、その差を埋め合わせるために目立とうとするのです。またナルシシズムは、「自分は全能なのだから特別扱いされて当然」という尊大で傲慢な態度が特徴的です。

 

③境界性パーソナリティとの違い

この二つも、対人操作性・感情の起伏が激しいこと・一見して社交的なことなどはとても良く似ています。自傷癖の有無で言えば、ボーダーラインの人の方が圧倒的に発生率は高いです。

 

 

【まとめ】

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①演技性パーソナリティとは、「他者から注目されることが自分の価値・ステータスの全て」と過度に考える人たちである。

 

②演技性パーソナリティの特徴は、嘘・対人操作・演技などさまざまである。彼らの嘘や演技・対人操作によりその周囲の人間関係がギクシャクしてしまう。

 

③演技性パーソナリティと、反社会性・自己愛性・境界性パーソナリティには似た部分がある。

 

 

以上です。

誰とは言いませんが、結構テレビなどのメディアで頻繁に見かけるのが演技性パーソナリティです。

人は誰しも自分を少しでも良く見せようと演技をするものであり、そのこと自体は問題にはなりませんが、その手段が逸脱してしまい社会や他者と摩擦を起こしてしまうことと問題です。

また彼らの「嘘」にだまされてしまう人が一定数います。

人を見る時は本質を見ることが重要です。本質を見抜くことが難しいときは、「相手が何をやってきて、何をやってこなかったか」を事実ベースで観察してみましょう。

素晴らしく着飾っていて、聞こえの良い台詞を吐き、素晴らしい経歴を持っていても、事実が伴わなっていなければ、もしかしたら演技なのかもしれませんよ...!

 

 

<参考図書>

*1:牛島定信著、『パーソナリティ障害とは何か』、株式会社講談社

*2:岡田尊司著、『パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか』、株式会社PHP研究所

*3:和田秀樹著、『自分を「平気で盛る」人の正体』、SBクリエイティブ株式会社

 

 

<過去記事>

 

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【心の仮面】アズイフパーソナリティとは?

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【概要】

今回の記事では「心の仮面」についてのお話をします。

実は正常な精神の人たちも、パーソナリティ障害をお持ちの人たちも「心の仮面」を作って日々生きています

ペルソナという言葉をみなさんも聞いたことがあると思います。これは心理学者のカール・グスタフユングが提唱した概念です。人は、周囲の環境に上手く適応するため、その時その状況に適した「正常な心の仮面」を作っているという考え方です。

心の仮面というと、自分の正体を隠していて、なんだか悪いことをしているように聞こえますが、あくまで「環境に適応しようとする心の働き」が心の仮面と呼ばれているだけです。

たとえば、会社では部長として時に厳しく部下を指導し強度のストレスにも毅然と振る舞う人が、家に帰れば家庭思いの優しいパパ・ママになることもあるでしょう。心の仮面を付け替えているわけです。心の仮面の良い効果ですね。

今日はそんな「心の仮面」についてのお話をご紹介します。

 

 

【「心の仮面」を現代心理学的にいうと?】

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上記では精神分析学における心の仮面、すなわちペルソナの話をしました。

現代の心理学では、心の構造とはどのように定義されているのでしょうか?それは以下の3層構造になっていると定義されています。その人の心の核になる部分を『気質』、その上に成り立つものを『パーソナリティ』、さらにそれをとりまくものを『役割的性格』といいます。

 

①気質

⇒生まれながらに持っている心の性質のこと。その人の心の正体である。遺伝的要素が大きく、変化することはない

 

②パーソナリティ

⇒気質を基礎としながら、後天的な要素、つまり家庭環境や友人・人間関係・さまざまな学習や経験などを基礎として構築されている。変化しにくい。

 

③役割的性格

⇒生徒、会社員、母親、父親、部長、医師...などの社会的役割によって規定される心の領域。前述の部長の例で言えば、就業時間内は部長としての仮面をかぶり、部長としてふさわしい行動・判断・思考を行うが、家に帰ればパパ・ママとしての仮面をかぶり、子供と遊んだり、家族団らんを楽しんだりするというかたちである。この役割的性格は簡単に変化する。

 

つまり③の役割的性格は自分の意志で簡単に変化させることが出来るのです。この部分が「心の仮面」になるのでしょう。

また話は少し逸れますが、心の病の原因が気質にある場合は生涯直る可能性は低いでしょう。前述の通り、気質は遺伝的要素が大きく変化させることが難しいからです。遺伝的要素が大きい精神疾患にはADHD統合失調症自閉症スペクトラムなどがあり、遺伝率は70〜80%です。

心の病がパーソナリティに原因がある場合(いわゆるパーソナリティ障害)もなかなか治らないと言われています。パーソナリティ障害が治りにくい原因は、パーソナリティ自体が変化しにくいこと以外にも、診断が難しいこと、重ね着症候群(複数のパーソナリティ障害が混在していること)、診断基準が身体の病気にくらべ曖昧なので治ったかどうかの確認も難しいこと等が挙げられます。

心の病の原因が、役割的性格にあるのなら簡単に治せます。なぜなら前述のように、役割的性格は簡単に自分の意志で変化させることができるからです。部長職の仮面を被ることによる重圧がストレスなら他の任につけば良いですし、その会社の会社員であることが原因なら転職すればいいのです。

役割的性格はある程度までは自分の意志で「演じている」という側面があるため、自分の意志で変えられるのです。

 

 

【アズイフパーソナリティとは?】

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パーソナリティ障害の人たちが作り出す仮面のことは特別にアズイフパーソナリティ(as if personality:かのようなパーソナリティ)と呼ばれています。精神分析家のH・ドイチュが提唱した概念です。

パーソナリティ障害とは「性格特性が極端に偏っていて、それが原因で深刻に悩んだり、社会と摩擦を起こしたり、健全な社会生活を営むことが困難になっている状態」です。誰でも空想・妄想をすることはありますが、それが行き過ぎると妄想性パーソナリティになり、誰でも一時的にキレることはありますがそれが行き過ぎて日常的な暴力や破壊行動に出ると反社会性パーソナリティを疑われます。

彼らは社会に適応しずらい・生きづらいという悩みを抱えています。それでも彼らは社会に適用しようと努力し、その結果周囲に受け入れやすい良く出来た仮面を作り、その仮面を通してなんとか表面上だけでも社会に適応しようとします。つまり擬似的なパーソナリティ(アズイフパーソナリティ)を作り出すのです。

彼らは社会・環境の変化に上手く適応しようと仮面を作るのですが、それは本来の自己を抑圧して周りに迎合することにほかなりません。その結果、彼らは自分が何者なのか、本来の自分は何がしたいのかが曖昧になってしまい、空虚感・抑圧によるストレスを感じるようになってしまいます。また、見境なく周囲と同調できる仮面を作るような習慣ができてしまい、その結果周囲に振り回され、精神的なストレスでぼろぼろになってしまいます(かといって仮面を作らなければ社会と適応できないというジレンマに陥る点も、パーソナリティ障害の苦しい症状です)。

 

 

 

【まとめ】

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①心の仮面を作るという行為自体は異常なことでも何でもない。周囲に上手く適応し、社会との摩擦を極力減らそうとする自然な行為である。

 

②心の仮面は、精神分析学的には「ペルソナ」、現代心理学的には「役割的性格」である。

 

③パーソナリティ障害の人たちの作る心の仮面は「アズイフパーソナリティ」と呼ばれる。これは社会に適応しやすくなるというメリットがある一方で、本来の自己の抑圧してしまうこと、仮面をことあるごとに見境なく付け替えるということが起こり、本人にとっては多大なストレスを感じたり、本来の自分のアイデンティティを見失い空虚感を感じる結果にもなりかねない。

 

 

以上です。

なんらかのパーソナリティ障害に該当する人は、人口の15%はいるという学者もいます。この中には、心の仮面を作るのがとても上手で、パーソナリティ障害であるにも関わらず何の不自由もなく一生を送れる人もいます。

ただそうでない人は、次々と仮面を作っては変える作業に追われ、多大なストレスと自己の抑圧というツラい体験をしなくてはなりません。

ぜひパーソナリティ障害の正しい知識を深めてもらって、彼らにも寛容な社会が出来るといいですね(ダークトライアドやダークテトラッドなどのサイコパスナルシシズムマキャベリズム・サディズムや攻撃性パーソナリティは別です笑)!

それではまた次の記事で!

 

 

<参考文献>

牛島定信 著、『パーソナリティ障害とは何か』、株式会社講談社

 

 

<関連過去記事

 

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【犯罪心理学】犯罪者の8つの兆候、セントラルエイトとは?

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【概要】

今回は犯罪行為と相関関係の高いとされる8つの兆候「セントラルエイト」について解説したいとおもいます。

以前紹介しましたダークトライアドやダークテトラッド、つまりサイコパスマキャベリズム・ナルシシズムサディズム反社会性人格障害(ASPD)などの、いわゆる一部のパーソナリティ障害も犯罪と関係性は深いのですが、実際に犯罪行為を行うかどうかをパーソナリティだけで論じることは不可能です

実際、凶悪犯罪に関わるイメージの強いサイコパスですら、刑務所の15%程度に過ぎません(参考文献*1)。犯罪を行うかどうかはパーソナリティ以外にも要因があるのです

では、犯罪行為を行う人たちを生み出してしまう要因とは一体なんなのかをご紹介していきたいと思います。

 

 

目次

・犯罪の行動分析学的な仮説について

・犯罪と関連性の深い8つの因子とは?

・まとめ

 

 

【犯罪の行動分析学的な仮説について】

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行動分析学にも色々とありますが、ここでは一番簡単なモデルである「SORモデル」をもとに説明したいと思います。このSOR理論はアメリカの心理学者、トールマンとハルによって提唱されたモデルです。SはStimulus(外的刺激)、OはOrganism(有機体。ここでは外的刺激に対する人間の認知・解釈システムのことです)、RはReaction(行動・反応)の略です。つまり、このSORモデルとは、「なんらかの外的刺激・ストレス要因が存在し、その刺激が個人の認知システムによって解釈され、その解釈をもとにその人がある特定の行動を起こす」というモデルです。

後述しますが、犯罪者とそうでない人たちを調査した研究では、上記のO、つまり認知システムになんらかの異常があるということが確認されています。

 

たとえば、あなたが街を歩いていたとしましょう。すれ違った素敵な異性と偶然目が合いました。ただ何事もなくお互いに素通りしていきました。よくある光景ですね。

上記の例だと、普通の人の場合は「ああ、素敵な人だったなあ」とか「素敵な人もいるもんだなあ」という解釈・認知をして素通りして終わりですよね?

ところが、普通でない人は「あの人は私に絶対気がある」「あいつ私を睨みつけていた」「イケメン美女でない私を蔑んだ目つきをしていた」...等々、確信に近い形で歪んだ解釈・認知したりすることがあるのです。その歪んだ解釈をもとに、たとえばあとを付け回してみたり、因縁を付けたり、急に殴り掛かってみたり...等の犯罪行為に及ぶのではないか、ということです。

つまり、普通の人と変人は同じ「素敵な人と目が合った」という体験をしているわけなんですが、変な人はその体験を歪んだ形で解釈・認知してしまい、その結果歪んだ解釈をもとに歪んだ行動をとってしまうことが犯罪行為の本質ではないかということです。

つまりSORの三要素のうち、O(認知・解釈システム)に異常があるということになります。

それでは具体的にどのような歪みがあるのでしょうか?

 

 

【犯罪と関連性の深い8つの因子とは?】

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上記のSORモデルのうち「O」の部分、つまり認知解釈システムには、その人のパーソナリティや生育環境、後天的経験、先天的要因、人間関係...さまざまなものが含まれています。

その中で、カナダの心理学者アンドリュースとボンタが行ったメタアナリシス研究により、下記の8つの要因が犯罪行為と関連があることが明らかにされました。これを「セントラルエイト(Central eight)」と呼びます。特に①〜④は犯罪行為との相関性が高いため「ビッグフォー(Big four)」とも呼ばれます(参考文献*2)。

 

①過去の犯罪歴

⇒多種多様な犯罪歴がある。

②反社会的な交友関係

⇒反社会的傾向を有する交友関係がある(薬物使用者・窃盗集団・暴走族・破壊活動を行う過激な集団、不良グループ...等々)。

③反社会的認知

⇒犯罪行動を合理化する、犯罪行為を美化したり憧れたりする、ルールを守らない、敵意帰属バイアス(なんでもない他人の行動・言動を自分への敵対行動として解釈してしまう傾向)などを有すること。

④反社会的パーソナリティ

⇒過去記事参照。共感能力(相手の感情や気持ちを汲み取る能力)の欠落、自己中心的な思想、残忍で冷酷な考え方、自己の感情や行動を制御する能力(自己コントロール能力)の欠如、遅延価値割引効果(簡単に言うと、長期的な損得勘定よりも目先の利益に着目してしまう傾向のこと)。

⑤家庭内の問題

⇒家庭内不和、しつけが適切でない、虐待やネグレクトなど。

⑥教育・職業上の問題

⇒職場や学校での成績が不良であったり、対人関係に問題がある。無職である等。

⑦物質使用

⇒アルコールや処方薬、違法薬物への依存。

⑧余暇活用

⇒建設的な余暇活動(運動や趣味などでストレスを発散させることや、自分を研鑽する活動など)を有していない。

 

過去記事で色々な「めんどくさい人たち」を紹介してきましたが、上記は犯罪行動に結びつきかねない兆候です。もし周りにこのような人がいたら要注意です!

 

 

【まとめ】

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①パーソナリティだけを見て、その人が犯罪行為を行うかどうかの正確な判断は出来ない。

 

②犯罪行為を行う人たちは「歪んだ認知・解釈」を行うという仮説がある。

 

③犯罪行為と相関性の高い兆候は8つあり、「セントラルエイト」と呼ばれる。

 

 

 

以上になります。

今回は実際に犯罪行為に走ってしまう人たちの特徴を簡単にまとめました。

上記に複数該当する人がいたらご注意くださいね!

それではまた次の記事で!

 

 

<参考文献>

*1:原田隆之 著、『サイコパスの真実』、筑摩書房

*2:原田隆之 著、『入門 犯罪心理学』、筑摩書房

 

 

<関連過去記事>

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【社交的なのに傷つきやすい人たち】サイクロイドパーソナリティとは?

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【概要】

今日はサイクロイドパーソナリティについてご紹介したいと思います。

このサイクロイドは以前はパーソナリティ傷害としてDSMに記載されていたのですが、除外されてしまいました。サイクロイドの症状としては躁鬱状態に似ているのでそちらの方にまとめられたのだと思います。

ただサイクロイドも、多くはないでしょうが日本人にも当てはまる部分があると思われるので今回ご紹介使用と思いました。

 

 

目次

サイクロイドの特徴

サイクロイドのタイプ

・まとめ

 

 

サイクロイドの特徴】

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クレッチマーによるとサイクロイドとは以下の3つの特性が挙げられています。

 

①社交的、善良、親切、温厚

②明朗、ユーモアがあり活発、怒りっぽい

③寡黙、平静、躁鬱、気弱

 

サイクロイドの人の特徴は「社交的で世話好き、人々に慕われ、態度は開放的で、周囲の人とすぐに打ち解ける」という特徴を持っています。一見するととても良い人のように聞こえますね。ただ、サイクロイドの人の上記の特徴の根幹には「強い同一性思考と幼稚な依存性」があるのです。

強い同一性とは「みんなと一緒だと幸せ」という思考回路です。彼らはまさにそれを求めて開放的に社交的に振る舞います。彼らはみんなと一緒の時間を過ごすのが大好きです。一方で、何らかの拍子に孤立すると、彼らのテンションは一気に下がります。

つまり、まずはじめに「同一性への渇望」「他者への依存」という欲求があり、その欲求を満たすための手段として「異常に高い社交性」を発揮している、という心理構造の人がサイクロイドパーソナリティです。

そのため彼らはスキゾイドとは違って孤独に耐えられる能力は低く、孤独・同一化の失敗・他者からの拒絶を受けると抑うつ状態になってしまうこともあります。以前ご紹介したスキゾイドとは真逆の心理構造の人たちがサイクロイドということになるのでしょう。

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サイクロイドのタイプ】

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サイクロイドのタイプには色々ありますが、以下の二つが顕著です。

 

①類境界型サイクロイド

症状は過去記事で紹介しました境界型パーソナリティと似ています。

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感情の波が激しく、自傷行為を行い、暴飲暴食や無謀運転などの自暴自棄な行動を行います。対人関係において、境界性パーソナリティの人との違いは「見捨てられたという不安や怒り」を相手にもつことがない点にあります。類境界型サイクロイドの人は「同一感の欠落による無力感」といった無力感(抑うつ状態)に苛まれます。

 

②依存型サイクロイド

現代のDSM上では、過去記事でも紹介した依存性パーソナリティと同じだと考えられています。

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生育環境で、適度な依存体験が得られなかった場合、サイクロイドの本来もつ社交性が歪んで、依存をコアとした対人関係にすり替わってしまうと言われています。

 

 

【まとめ】

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①かつてサイクロイドパーソナリティという項目がDSMには記載されていた。「社交的・善良で開放的」な性格の持ち主であるが、この一見良い性格は「強い同一性への渇望と幼稚な依存体質」の上に成り立っているものである。よって、同一性が何らかの原因で破綻したり、孤立したりすると、本来の社交性は失われ抑うつ的になる(躁鬱化、循環気質)。

 

サイクロイドの人格コアは「強い同一性への渇望と幼稚な依存体質」である。生育環境によっては過度に同一性を求める「類境界型サイクロイド」や、過剰に依存する「依存型サイクロイド」に移行しうる。

 

 

以上いかがだったでしょうか?

サイクロイドは正常に生育すればやや感情の波は激しいですが、とても善良な人たちです。私の周りにも結構います。

ただサイクロイドの人たちの人格コアは非常に繊細でもろく、躁鬱状態を経験することもあります。

また過剰に正義感や規範意識が強いため、その枠から少しでもそれると激しく怒ることがあります。

基本的には善良で明るい人たちなので、適度な距離を保って仲良く接していきましょう!

それではまた次の記事で!

 

 

<参考文献>

*1:牛島定信 著、『パーソナリティ傷害とは何か』、株式会社講談社

 

 

<過去記事>

 

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