ゆうちゃんの家

メンサ・科学者・自閉症スペクトラム。心理学・薬学・医学・アイディア発想・エッセイ等(@UCHAM0410)

巷のウワサは本当?科学的に検証してみた!

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みなさんはこのようなうわさを聞いたことはありませんか?

 

「酒は百薬の長」

「玄米は身体に良い」

「炭酸水はダイエットに良い」

「外見より中身が大事」

「卵は1日一個まで」

 

みなさんはこれらのうわさは正しいと思いますか?

結論から言います。間違っているか、ほとんど科学的根拠がないです。

検証していきましょう!

 

 

①酒は百薬の長ではない

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よく聞くのは「大量の飲酒は身体に悪いけど、少量なら身体によい」という話ですね。

結論からいいます。これは嘘です。飲んだアルコール量に比例して脳にダメージが起こります。

つまりアルコールを少量飲んだら身体へ軽いダメージが、大量に飲めば多くのダメージが起こります。

 

なぜ少量のアルコールは身体によいなどという噂が広まったのでしょうか?

 

昔の研究報告では、健康状態の良さは

「お酒を少量飲む人>全く飲まない人>大量に飲む人」

という順になっていました。

だから、少量のお酒は身体によいと言われていたのです。

ただ実はこの研究、間違っていたことが証明されたのです。

 

イギリスのオックスフォード大学の研究です。

彼らの研究の重要な点は、全くお酒を飲まない人の中には、「そもそもお酒を飲まない人」だけでなく「身体に問題があって飲めない人」も含まれていることに気づいたことです。

そこで、お酒を全く飲まない人の中から「身体に問題があって飲めない人」のデータを差し引いて再解析を行いました。

その結果、身体の健康状態は以下のようになりました。

「お酒を飲まない人>少量飲む人>大量に飲む人」

つまり、お酒は少量でも身体にダメージがあることが統計学的に証明されたのです。

 

具体的にお酒による身体へのダメージとは、海馬の縮小(脳の部位のことで、記憶を司ると言われています)、脳出血のリスク上昇、心臓疾患のリスク上昇、睡眠の質の低下などです。

 

お酒は合法ですので、飲むなとは言えません。飲むのは自由です。

ただお酒は百薬の長というのは科学的に否定されていますので、自己責任で飲みましょう。

 

 

②玄米は身体によい?

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自然食を大事にする人は少なからずいらっしゃると思います。

玄米は身体によい、無農薬野菜のほうがよい...などですね。

 

結論から言うと、玄米は適度に食べる分には健康によいが食べ過ぎは逆効果です。

 

玄米の中にはフィチン酸という物質が含まれています。このフィチン酸は、発がん性のある重金属を身体から排出してくれる効果があります。なので適度に玄米を食べるのは良いことです。しかし食べ過ぎると、銅や亜鉛、鉄分などの健康に必須な重金属まで排出されてしまうのです。その結果、貧血をはじめとしたさまざまな体調不良が起こります

 

食べ物は適度にバランス良く食べることが重要です。いくら身体によい食べ物だからといって、偏食すると思わぬ健康リスクを抱えることになります

 

 

③炭酸水はダイエットによい?

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炭酸水ダイエットというのがありますよね。

「乳酸が減って疲労回復につながる」

「血管が拡張して血行がよくなる」

こういうことをよく聞きます。

 

結論からいうとデタラメです。

 

確かに炭酸水により血管が拡張して血行が良くなるという研究データは存在します。

しかしそのデータ、炭酸水をマウスの腹腔に注射したらそうなったという実験なのです。

炭酸水を口から飲んで、血行が良くなったというデータは存在しないのです。

 

また乳酸が疲労物質の正体であるという噂もよく聞きますが、これは現在は科学的に否定されています

 

ただ、炭酸水を飲むと一時的に満腹感が得られます。なので食欲を抑える効果は人によってはあるかもしれませんね。

 

 

④外見より中身が大事?

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これは前の記事で触れましたね。

長期的に見た場合、その人の知性や誠実性が重要です。

ただ短期的に見た場合や広く浅い人間関係にとっては外見は非常に重要です。

イケメン美女は収入が高く、出世も早い傾向があることが分かっています。

また多くの人は外見で人を判断することも研究で分かっています。

下記の過去記事に詳細がありますので、参照してください。

yuukoki.hatenablog.com

 

 

⑤卵は1日一個まで?

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コレステロールが心配だから、このような噂が広まっているのだと思います。

たしかに過剰のコレステロールが体内にたまると、胆石やアテローム(動脈の一部にコレステロールが溜まり、動脈が狭くなる現象)などの原因になります。

 

こんな研究があります。

ウサギに卵を大量に食べさせて、その後血液を採取しコレステロール値を測りました。その結果、たしかに血中のコレステロール値は上がっていたそうです。この結果をもって「卵は危険だ」と主張した研究者がいるそうですが、この研究者は思い違いをしています。

ウサギは草食動物、人間は雑食動物です。

草食動物であるウサギに動物性タンパク質をむりやり食べさせた結果が、雑食動物である人間にも当てはまるはずだと考えるのは明らかな論理の飛躍です。

 

たしかに卵にはコレステロールは多く含まれてはいます。

しかしながら卵には、レシチンというコレステロールを身体の外に排出してくれる物質も多く含まれているのです。なので卵を食べても余分なコレステロールが身体にたまることはほぼありませんので、ご心配なく

 

ちなみにレシチンは大豆製品、つまり納豆や豆腐にも豊富に含まれています。

 

 


以上になります。

今回の記事を通して気をつけていただきたいのは、以下の3点です。

・巷の噂にはエビデンスがないものも多い。

・研究がすべて正しいわけではない。中には質の悪い研究もある。

・メーカーの研究機関は、データを誇大に解釈したり、いいかげんな研究をすることがある。

情報を正確に判断することが重要です。

気をつけてくださいね!

 

これからも巷の噂を科学的に検証していく予定です。

お楽しみに!!

 

 

 

あなたのその成績・性格・癖は遺伝?家庭?友人関係?遺伝の影響を徹底リサーチしてみた!

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今回は、「人間ってどこまで遺伝で決まるの?」を徹底的にリサーチしてみました

今回は記事というより一覧表みたいな内容です。

 

ちなみに以下「遺伝率」を示していきますが、遺伝率という言葉には誤解がつきものなので念のため解説しておきます。

遺伝率とは、特定集団において見られる個人差に対する遺伝的要因の占める割合のことです。また、遺伝率は前述の記事通り(参考記事1)、一卵性双生児の研究から算出されています。よってその国・その時代の時点での結果ということになります。国が変われば、状況が変われば数値は変動するでしょう。

たとえば、体重の遺伝率は90%なのですが、だからといって体重70kgの人のうち63kgの重量が遺伝で決まっていると言うわけではありません

国語の成績の遺伝率は47%ですが、これも日本のような義務教育がしっかりしていて、テレビやインターネットが普及していて、勉強に困らない時代で計測してみたらそういう遺伝率だったということです。A君とB君の国語の成績の差が20点だったとして、そういう個人差のうち47%が遺伝の割合ですよ、と言う意味です。「なんだ。47%が遺伝で決まるなら勉強しなくても半分くらいの点数とれるじゃん」とかではないです。A君が何にも努力しなければ国語の点数は当然ですが0点になります

 

それではいってみましょう!

 

 

<知能指数(IQ)の遺伝率>

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①児童期...41%

②青年期...55%

③成人期...66%

幼ければ幼いほど遺伝の割合が小さいですね。IQを高めたければ、大人になって努力するよりも、子供のころの環境・習慣が重要であることが示されています。

IQを上げる方法は下記の過去記事をご参照ください。

yuukoki.hatenablog.com

 

 

 

<学業成績(小学生)の遺伝率>

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①国語...47%

②社会...49%

③算数...25%

④理科...38%

⑤音楽...40%

⑥図工...55%

⑦体育...48%

だいたいほとんど50%以下の遺伝率のようですね。環境の割合が多いようです。

ちなみに環境的要因は共有環境(家族環境など)と非共有環境(学校・友人などの家族以外の環境)の二つに分けられるのですが、小学校の成績は共有環境がだいたい30〜50%を占めます。非共有環境の割合は10〜15%と小さいのです。つまり小学生の成績は家族環境の影響が大きいということです。

お子様をお持ちの方で、小学校の成績を上げたければ、学校や塾にばかり任せきりというのはおすすめしないです。ご家庭での勉強環境の構築、勉強の大切さを教えるなどが重要だということになります。

 

 

<性格の遺伝率>

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これは以前の記事でお伝えしましたね(参考記事2)。

だいたい性格も50%くらいが遺伝で決まります

では残りの環境は、共有環境・非共有環境どちらで決まるのでしょうか?(つまり家庭環境が重要なのか、それ以外の環境が重要か、ということです)

実はなんと、性格における共有環境の占める割合はたった2%程度なのです。ほとんど親の影響とかはないってことなんですね。(虐待があるとかネグレクトがあるとか親が亡くなっているとか、そういう極端な例は別です)

性格は半分が遺伝子で決まり、のこり半分は家族以外の人間関係で決まります

お子さんの性格は遺伝と人間関係で決まりますので、ご家庭で指導するのも大事かとは思いますが、良い環境(治安のよい場所に住み、環境のよい学校や友人関係)に配慮していくほうが大事です。

 

 

<精神・発達障害の遺伝率>

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統合失調症...81%

自閉症...82%

ADHD...80%

うつ病...40%

うつ病以外は遺伝の影響がきわめて大きいです(ちなみに身長の遺伝率がだいたい80%です)。いずれも難しい精神疾患ではありますが、家族歴のある方は要注意です。

 

 

<物質依存の遺伝率>

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アルコール中毒...54%

②タバコ...58%

③コーヒー...46%

まあまあ遺伝するようですね。喫煙は共有環境が25%ほどありますので、ご両親がタバコを吸われている方は80%近く遺伝することになります(私もそうです笑)。

 

 

<問題行動の遺伝率>

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①けんか...37%

②家出...0%

③動物虐待...21%

④うそをつく...41%

⑤窃盗...0%

⑥ルール違反...52%

⑦攻撃的行動...50%

⑧金銭不履行...38%

⑨不倫...31%

特にルール違反、攻撃性は50%の遺伝率となっており、突出して高いですね。

またこの項目の場合、共有環境の影響はほぼ皆無で、非共有環境の要素が大きいです。上記の問題行動の有無は、親や家庭環境による影響は少なく、お子さまの周囲の人間関係や環境で決まります。

前述の性格の項目もそうですが、良い人間関係・よい環境(近所の治安が良いか悪いか、学校が荒れていないかなど)を整えてあげることがきわめて重要になります

 

 

 

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以上いかがだったでしょうか?

遺伝の割合を知ることは重要です。

また環境は、「家庭環境」と「その他の環境」に分けられるのですが、「その他の環境」が思いのほか大事です。

住む場所の治安、学校が荒れていないかどうかに注意を払ってください。お子様をお持ちの方は上記の環境をしっかり整えてあげることが、お子様の性格や問題行動を改善するのに大いに役立ちます。

 

今回のように、遺伝率、共有環境、非共有環境の割合を知ることで、どういう努力が有効でどういう努力が無駄なのかが科学的に分かります

 

参考にしていただければ幸いです。

 

それではまた次の記事で!

 

 

<参考図書>

小栗世嗣著、『努力で決まるか 生まれながらなのか?行動遺伝学が教える 学力、性格と「遺伝」のホント』、ダイヤモンド社

 

<参考記事>

yuukoki.hatenablog.com

 

yuukoki.hatenablog.com

 

 

「俺の勘は当たるから!」があてにならない理由。

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たまにいますよね...。

 

「俺だって家事やってんじゃん!」

「俺だって頑張ってるんだよ!」

「大丈夫!俺の勘は当たるからさ!」

「まあ俺だったら余裕だったと思うけどね!」

 

こういうとても自信満々の人。

根拠や実績・事実データ・ロジックがあれば信じてあげてもいいと思います。

ただ、もしそれらがない場合、信じた方がバカを見る可能性が高いことが科学的に分かっています

このように、人は自分の実力を高く見積もる傾向があるのですが、その現象のことを「平均以上効果」と言います。

 

 

<人はどれぐらいうぬぼれるのか?>

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スウェーデンストックホルム大学の研究です。

アメリカとスウェーデンの大学生に「あなたの運転技術はどれくらいですか?」と質問をし、100点中何点くらいか自己申告をしてもらいました。

その結果、自分の運転技術は平均より上と答えた学生は、アメリカの学生で93%、スウェーデンの学生で69%でした。

みんな自分を正当に評価していれば50%と答えるはずです。

それが93%と答えてしまうのです。

恐ろしいほどうぬぼれが起こってしまうのですね...!

 

またアメリカの高校生を対象にした調査です。

自分は平均以上のリーダーシップを持っていると答えた学生は70%、平均以下だと答えた学生はわずか2%でした。

 

またある調査では、複数の家庭における夫と妻の家事への貢献度を調査しました。

その結果、夫は50%、妻は90%貢献していると自己申告しました。

 

また、コーネル大学の心理学者ダニング教授の研究は有名で、ダニング=クルーガー効果として知られていますね。

学生達に自分のテストの点数を事前に予測してもらい、実際の結果と比較しました。その結果、テストの点数が低い学生ほど自己評価が高かったのです。実際のテストの点数が高い学生ほど自己評価とテスト結果の乖離は少なかったといいます。

カンタンにいうと知性の低い人ほど自己評価が高いのです。

 

この「平均以上効果」を防ぐにはどうしたら良いでしょうか?

結論からいうと他人の意見を聞くです。

ある研究によると、研究論文を仕上げるまでにどれだけ時間がかかるか自己申告させた場合、実際かかった時間よりも短い時間を申告しました。平均以上効果ですね。一方で、「他人がこの研究論文を仕上げるまでにどれくらい時間がかかるか」と予測させたところ、その予測結果と実際にかかった時間はあまり乖離がなかったのです。

人は自分のことは過大評価するのですが、意外と他人の評価は冷静に行っているようです。

 

 

<年功序列社会だと、うぬぼれ屋さんが上司になる確率が増える>

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会社などの組織で、ある一定以上の成果を出した人は出世していきますよね。

でもどんどん出世していくと、いつか自分の実力を超えた地位まで上り詰めてしまうのです。

その結果、その人は自分の職務を十分に果たすことができない「無能な上司」になってしまうのです。これをピーターの法則といいます。

 

こうして無能な上司が増殖していくわけなのですが、これに拍車をかけているのが年功序列です。

無能なのに余程のことがない限り降格させられませんし、本人は無能なため実績をあげられずモチベーションが低下し、さらに無能になっていきます

ここまで来てしまうと、余程の問題意識をもったリーダーが出てこない限り、組織は適材適所とは真反対の方向へ突っ走っていきます。

 

 

<楽観的なのは良いことか?>

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平均以上効果とピーターの法則で組織はダメになっていくわけですが、ある意味では平均以上効果は楽観主義とも言えます。

本人的には楽観的なのは良いことなのでしょうか?

楽観的な人は、そうでない人に比べてストレス耐性や不安耐性が20%ほど高いという研究報告もあります。ただ一方で長期的に見た場合は、寿命が短く、社会的地位や年収も低い傾向があるそうです(過度の楽観主義はリスク管理ができないため、衝動的・無計画に判断してしまうためと言われています)。

一方で、自分の実力も発揮し、社会的地位も年収も高く、寿命も長い傾向にある人は、誠実性スコアが高い人だということがビッグファイブ分析(過去記事参照)で分かっています。やはり、まじめにコツコツ頑張る人が特をするということですね。

 

 

<まとめ>

①人はかならず平均以上効果を持っていて、自分の実力を高く見積もる傾向があります。ある人が根拠もロジックもデータもなく、大言壮語している場合は要注意です。

 

②自分を自己評価せざるを得ない状況になった場合、信頼できて、あなたに悪意もないし辛口評価もしてくれる信頼できる友人の評価を聞きましょう。人は自己を過大評価しますが、他人の評価は冷静に下す傾向があります。

 

③その上で、ビッグファイブの誠実性スコアを重視しましょう。誠実性スコアの高さは一般的な意味での社会的成功や年収の向上と相関関係があります。

 

 

以上になります。

自己評価はあまり信用しないようにしましょうね!

それではまた次の記事で!

 

 

<過去記事>

yuukoki.hatenablog.com

 

超カンタンで科学的根拠あり!「抗うつ薬」以上の効果があるうつ対策とは?

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うつ病はだれでもなる可能性のある病気です。

人間が一生のうちにうつ病にかかる確率は、10%といわれています。

つまり10人に一人はうつ病にかかる可能性があるのです。

 

うつ病はなかなか厄介な病気です。

まずメンタルが病んでしまいます。仕事や日常生活が困難なほどに意欲の減退などが起こります。また自殺率の統計結果によると、うつ病の人の自殺率は、健常な人の数十倍にものぼります

治療法は薬物療法が中心なのですが、まず一言でいって治りにくいです。抗うつ薬というものもありますが、この効果は良くても60%くらいで決して効果が高いとは言えません。しかも抗うつ薬は副作用がひどく、飲み続けること自体が苦しいです。しかも、抗うつ薬で一時的にうつ病を治すことができても、約30%程度が再発します

 

なんとか日常生活を改善することでうつ病を改善できないのでしょうか?

今回はカンタンな方法をご紹介します。

それは運動・瞑想・コーヒーを飲む・快眠です。

 

 

<運動>

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デューク大学の研究です。

重度のうつ病と診断された人を三つのグループに分けて治療を行いました。

一つ目のグループは抗うつ薬ゾロフトで治療を行います。二つ目のグループは運動療法で治療します。三つ目のグループはその混合療法です。4ヶ月経過を観察しました。

その結果、ゾロフト投与で65%、運動療法で60%、混合療法で69%の人がうつ病から回復しました

運動と抗うつ薬がほぼ同等の効果を示したのです(*1)

 

またアメリカで行われた別の研究では驚くべきことも分かっています。

抗うつ薬ゾロフト運動療法で治療を行い、うつ病の治療効果だけではなく再発率も比較しました。

その結果、うつ病の治療効果は前述のとおり同程度だったのですが、再発率はゾロフト投与で38%だったのに対して、運動療法を行ったグループはわずか8%だったのです(*2)

 

結論をまとめると、抗うつ薬運動療法うつ病治療効果は同程度である。一方で再発率は抗うつ薬で治療したほうが高く、運動療法の場合は低かった」という結果です。

運動がいかにメンタルにいいかが分かりますね。

 

 

 

<瞑想>

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ジョンズ・ポプキンス大学の研究です。

3515人を対象にしたメタ分析の研究結果です。

この研究の目的は、不安・うつ・ストレス・苦悩・注意力・睡眠などの多項目にわたり、いわゆるマインドフルネス瞑想が効果をもたらすかを調査することです。

その結果、不安・うつ・苦痛の軽減に瞑想が有効であることが示されました(*2)

 

 

 

以上になります。

このほかにも不眠を改善すればうつの発症率が40分の1になることや、コーヒーを飲むと20%ほどうつの発症率リスクが低減するなどの研究報告があります。

また抗不安薬であるワイパックス(一般名ロラゼパム)などのようなベンゾジアゼピン系薬剤などと同程度の抗不安効果があるサプリメントなども過去記事で紹介してありますので、ぜひぜひ参考にしてくださいね!すべて科学的根拠ありです!

 

 

<過去記事(うつ・不安・ストレス・不眠対策)>

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yuukoki.hatenablog.com

 

yuukoki.hatenablog.com

 

yuukoki.hatenablog.com 

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yuukoki.hatenablog.com

 

 

yuukoki.hatenablog.com

 

 

 

 

 

<参考図書>

*1:サンジブ・チョブラ、デビット・フィッシャー著、『ハーバード医学教授が教える健康の正解』、ダイヤモンド社

*2:アンダース・ハンセン著、『一流の頭脳』、サンマーク出版

「泣く」ことは身体に良い!不安やうつも改善されるかも?

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今回の記事は「泣くこと」の健康への効果についてです。

 

映画に感動したり、うれしい夢をみたときに涙が出たことはありませんか?

またくやしい思いをしたとき、つらい思いをしたときなど...。

 

泣くと気分がすっきりした経験をお持ちの方も多いと思いますが、このような現象を心理学ではカタルシス効果」と呼びます。

 

今回は「泣く」ことの効果を脳科学的にご紹介します。

 

 

 

<涙には3種類ある>

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①基礎分泌

 目の表面を潤すために、常に分泌されている涙。まばたき動作により刺激されて分泌されます。

②反射分泌

 目に異物が入ったときの刺激で分泌される涙。

③情動性分泌

 喜怒哀楽などの感情の刺激により分泌される涙。

 

このうち、リラックス効果や抗うつ効果があるのは、情動性分泌です。

 

 

 

<情動性分泌の涙の効果>

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情動性分泌とは感情の刺激による涙です。

この感情刺激が原因で「泣く」ことによるメリットは下記のとおりです。

 

①ストレスホルモンが涙と一緒に排泄されるので、ストレス軽減効果が期待できる。

②苦痛を和らげる物質エンドルフィンがつくられるため、幸福感を感じたり、さまざまな苦痛に耐える力が増すことが期待される。

③副交感神経が優位になるため、リラックス効果が期待できる。

 

ちなみに悲しいときや悔しいときに泣くことも上記の効果が期待できますが、より効果が高いのは「感動」「共感」の涙だということが科学的に分かっています

 

 

 

<科学的根拠:泣くとメンタルが安定しストレスが軽減する>

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POMS心理テストというものがあります。

おもに「不安・緊張」「抑うつ」「怒り」「活力」「疲労」「混乱」などの心理状態を測るテストです。

とある研究報告です。

被験者に映画を見せてました。そして涙を流した人を集め、映画を見る前と後のPOMS心理テストのスコアを確認したところ、上記6項目のいずれも半分程度の改善が見られました。

 

またアメリカの研究でも同様の結果が得られています。

被験者に映画を見せて流した涙と、タマネギによって流した涙の成分を比較しました。

その結果、映画を見せて流した涙にはストレスホルモン(ACTH)が含まれていましたが、タマネギ刺激が原因の涙には含まれていませんでした

 

さらに血液中のストレスホルモンも測ったところ、感動などの情動変化が原因で泣いたグループの血中ストレスホルモンは有意に低下し、この現象はタマネギ刺激で泣いたグループでは認められなかったのです。

 

また脳の部位に内側前頭前野という場所があります。

この部位の機能低下はうつ病の患者でよく見られます

感動で人が涙を流し場合、この内側前頭前野の血流の上昇が起こることが確認されていますので、このような生理現象も「抑うつ」の改善に役立っているのではないかと推察されています

 

 

以上です。

定期的になくことは、みなさんのメンタルをケアする上でも重要そうですね。

泣きたいときは無理せず泣くことも大事です。

泣くことでカタルシス効果が得られ、すっきり吹っ切れます。

良ければ参考にしてください。

それではまた次の記事で!

 

 

「最近時間がたつのが速いなあ」という感覚の正体は?

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みなさんはこんな感覚はありませんか?

 

「最近時間たつの速いなあ」

「子供のころは毎日が新しいことの連続だったのに」

「最近は毎日同じことの繰り返し...」

 

時間がたつのが速いとなんとなくもったいない気がしますよね...。

もっと毎日を新鮮に感じたいと私も思います。

 

この問題は解決できるのでしょうか?

結論から言いますと、部分的には解決できるそうです。

 

 

 

<なぜ「時間がたつのを速く感じる」のか?>

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この感覚の原因を研究したのが、フランスの心理学社、ピエール・ジャネ先生です。「ジャネ」の法則といいます。

「生涯のある時点における、心理的時間感覚の長さは、年齢の逆数に比例する」というものです。カンタンに言うと、年をとればとるほど時間が速く流れるように感じてしまうということです。

 

原因にはさまざまな仮説が唱えられています。体内時計がそういう風にできているからという仮説。年長者の方が脳内ネットワークが充実しており、その分新しさを感じにくくなっているからという仮説。さまざまです。

 

以下の項目では日常生活で改善可能と思われる2つの方法を紹介します。

 

 

 

<毎日を新鮮で、長く感じられるには?>

スマホ・パソコンの利用時間を減らす

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 心理的時間感覚を早める原因が一つ特定されました。

 ジェームズクック大学シンガポール校の研究です。

 日常生活のなかで、スマホの利用時間が長い人と短い人を集めました。そして、時計を見ずに過ごしてもらって、「今どれくらい時間が経ちましたか?」と訪ねました。その結果、スマホの使用時間が長い人の方が、時間がたつのを速く感じたのです(50分しかたってないのに、1時間たったと答えた人の割合が多くなったそうです)。

 デジタルデバイスのおかげで私たちの仕事や生活の生産性は上がりましたが、反面、時間がたつのを速いと感じてしまい、あわただしい毎日・毎年を過ごしているのかもしれません

 

②何でもいいので新しいことを行う

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 年をとればとるほど「一日・一年が速く感じる」わけなのですが、その原因の一つに「脳内ネットワークの充実化」があげられます。

 カンタンに説明します。

 小さい子供はまだ知識も経験も少ないです。そのため目にするもの・体験すること全てが新しく感じられます。その結果、「今日もたくさんのことがあった」と感じ、新鮮で・新しいことだらけの一日だったように感じるのです。その分その一日の一つ一つのことが鮮明に強く記憶に残ります

 一方で年長者は知識も経験も豊富なため、あまり自分が経験したことのないものごとに遭遇する確率が低いのです。その結果、「今日も昨日と同じような一日だった」と感じてしまいます。毎日同じような一日の連続なので当然時間は速く流れているように感じてしまいます。さらに一日一日が鮮明に記憶に残らず、毎日を新鮮に感じられなくなってしまうのです

 

 これを改善するには「意識的に新しいことを導入する」ことです。

 これはなんでもいいです。いつもとは違う道を通って帰るとか、新しい分野の本を読むとか、いつも飲んでいるお酒の銘柄を変えるとか、部屋の模様替えをするとか、違う人と話してみるとか、新しい趣味を始めてみるとか...。いつもとは違ったことをはじめることにより、予想外のことに遭遇する確率や新しい人間関係や体験をする確率が上がります。新しい経験や体験・感動は記憶に残ります。その結果、そんな一日は「昨日とは違う一日だった」と思えるようになるでしょう。このような毎日を繰り返せば、新鮮な毎日を感じられるようになりますし、いつもとは違う充実した一年だったと思えるようになるでしょう。

 

 

 

以上いかがだったでしょうか?

時間感覚とは意外と心理的な影響が大きいです。

心理的な影響が大きいということは、生活習慣や感じ方を変えることで改善できるということです。

みなさんもぜひ試してみてくださいね...!

それではまた次の記事で!!

 

 

心理学的に考える「ライク:Like」と「ラブ:Love」の違いによるトラブル!

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心理学を勉強していると、恋愛関連の話にも多々遭遇します。

個人的にはあまり興味はないのですけどね(笑)。

 

ただ、男性と女性が同じ場(たとえば学校や職場)で過ごすことは避けられませんし、そこから発生するトラブルもあるでしょう。

そのトラブルの一因が「尊敬」と「恋愛感情」をごっちゃにしてしまうことにあります。

具体的にどう違うのでしょうか?

 

 

<ライクとラブのちがい>

心理学者ルービンによると以下のような感情分類がなされています。

 

ライク:人間的に好ましい、共通点が多い、尊敬・信頼できる

ラブ:独占したい、一緒にいたい、欠点が全く気にならない、世話をしたい

 

なんとなく分かってもらえると思います。

ただこの「なんとなく」の感覚、男性と女性でかなり認識が異なることが分かっています。

特に男性の多くは、このライクとラブの違いがあいまいです。

その結果、ライクをラブと勘違いして、好きでもない人と深い仲になったり、ほんのちょっとした好意を感じただけで浮気をしてしまったりします。

一方で女性はライクとラブの区別が明瞭にできている場合が多いため、上記のようないいかげんな男性の行動は当然許せませんし、理解もできないのです。

 

ライクとラブに対する男性と女性の区別の明瞭さがいろいろなトラブルを引き起こすのですね。

 

 

<今の自分の感情はラブかを判定する>

あなたがなんとなく気になっている人がいるとします。

その感情はラブなのか、簡単なチェックリストがあるそうです。

以下紹介します。

 

①ひとめぼれのような感情をいだくか?

 一目見て、「好き」という感情がわき起こるかです。

②相手の欠点すら美化できるか?あるいは可愛らしいと思えるか?

 基本的に相手に恋愛感情を抱くと、客観的に評価を下すことが困難になります。一説によると、恋愛対象を目の前にした場合、脳のさまざまな部位が同時に活性化してしまい、判断力が大きく低下することが示唆されています。その結果、相手の欠点も見えなくなったり、美化してしまったりするそうです。また、恋愛対象に対しては「世話をしたい」欲求もわき上がってくるため、「欠点を補ってあげなくては」「(僕が私が)助けてあげなきゃ」という感情も起こるそうです

③執着心・独占欲があるか?

 これも本能的欲求ですね。ただの「いい人」「気が合う人」「話が合う人」を独占したいとは思わないと思います。一方で、好きな人が他の異性と仲良くおしゃべりしていると、なんとなく落ち着かない気分になりますよね。それは「独占したい欲求」がみたされていないことに対する焦燥感です。そういう感情がわいてくるかわいてこないかで(自分のあるいは相手の感情を)判定できます。

④同調効果が現れるか?

 相手と趣味や癖、口調が似る傾向があるという研究があります(私自身はあまり経験はありませんが)。また身体症状(ドキドキする、声がいつもよりすこし高くなる、ジェスチャーがオーバーになるなど)の発生も特徴の一つのようです。

 

上記の4項目を使って自分の、あるいは相手の気持ちを推し量ってみるのも良いかもしれませんね。ちなみにその予測が外れても私の責任ではありません笑。

 

 

 

 

以上になります。

相手の、あるいは自分の気持ちをチェックしてみてくださいね。

ライクとラブを混同するとトラブります。

お役に立てていただければ幸いです。

それではまた次の記事で!

あなたの足を引っ張る人たち!身近な異常人格者『ダークテトラッド』について

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今回は『みなさんの足を引っ張る人たち』についてご紹介します。

 

みなさんの周りにはいませんか?

人の幸せをなぜか喜べない人たち。

人の陰口ばかり言う人たち。

人が失敗したり、不幸になったりすると喜ぶひとたち。

人の足を引っ張る人たち。

 

彼らの人格にはある特性があります。

それを心理学や精神医学の世界では『ダークテトラッド(暗黒の四要素)』と呼びます。

前回の記事で『ダークトライアド』については簡単に解説いたしました。

yuukoki.hatenablog.com

 

情動障害があり人の気持ちが分からない「サイコパス」。

合理性のみを重んじて人の心や気持ちを汲み取らない「マキャベリズム」。

自分が大好きすぎて人の気持ちが分からない「ナルシシズム」。

これが組合わさった人がダークトライアドといい、(凶悪犯罪を起こすことはまれですが)とにかく人の気持ちを無視した言動に出るため、とてもめんどくさい人たちです。

 

このダークトライアドに、さらに『サディズム的傾向』が加わったものを『ダークテトラッド』と呼びます

サディズムとは、相手を攻撃したり、相手が不幸になったり苦しむ様子を見て快感を覚える人格です。

サイコパスマキャベリズム場合は「目的志向型」つまり、何らかの目的があって、その手段として攻撃や嘘・人心操作を行うわけですが、サディズムの場合は攻撃そのものが目的です。人を痛めつけたり、不幸にするのが大好きなのです

 

 

 

<身近なダークテトラッドは普段何をしている?>

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彼らはサディズム的傾向があるため、常に誰かを攻撃したり、不幸にしたりしたくてたまりません。

そんな彼らが手っ取り早く、自己のゆがんだ欲求を満たせる行為は何だと思いますか?

それはSNSで相手の悪口を書き込む」です。

下記のグラフをご覧ください。

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 (http://karapaia.com/archives/52174258.htmlより引用)

 

ネット上でチャットや議論をする人のダークテトラッド(サイコパスマキャベリズム・ナルシシズムサディズム)スコアは高くないのに対して、いわゆる「ネット上での荒らし行為」をする人たちはスコアがダントツで高かったのです。

 

ほかにも人の陰口を叩いたり、根も葉もない嘘を広めたり、とにかく彼らは必死にみなさんの足を引っぱり、不幸におとしいれ、いじめてくる人たちです。

 

SNSに議論などではなく、ただの悪口を書き込んで喜ぶ人の割合は約5%と報告されています。つまり20人に一人は相手にしてもどうしようもない人格でかつ暇人なので華麗にスルーしましょう。

 

 

<ダークテトラッド特徴一覧>

サイコパスの特徴

 彼らはまず情動障害があるため、人の気持ちが分かりません(*1)。また衝動性も強く、普通の人とは違い、自分の感情や欲求・行動をコントロールするのがあまり得意ではありません(*2)。さらに不安・緊張・恐怖を司る脳の部位(扁桃体といいます)の機能構造異常があり、あまり怖がらないのです(*3)。また自己の利益は認識できますが、罰を認識する能力が低いことも分かっています(*1)。

 つまりまとめると以下のようになります。

 ・人の気持ちが分からない⇒道理的な説得は無駄。

 ・衝動性が高い⇒一度改めたとしても、再度同じ悪事を働く。

 ・不安や恐怖を感じない⇒脅しても言うことを聞かない。

 ・罰を認識できない⇒罰を与えても治らない。

 

 説得は無駄・何度も同じ悪事を繰り返す・脅しても無駄・罰を与えても治らない。よって彼らサイコパスを「治してあげなきゃ」「救ってあげなきゃ」「同じ人間なんだから話し合えば分かるはず」という考えは捨てましょう。

世の中には一定数の割合で分かり合えない人たちがいるという現実を受け止めましょう。

 

マキャベリズムの特徴

 人を操る傾向があり、平気で嘘をつきます。合理主義で、正しければ何でも良いという人格ですので、ルールや専門知識・権力・論理的正しさを振り回し、みなさんの気持ちに寄り添うことなどありません。さらにその合理主義的傾向が、「みんなにとって」合理的であれば良いのですが、「じぶんにとって」合理主義を貫いた場合、それは単なる利己主義であり、周りに多大な迷惑をかける結果となるでしょう。

 かれらもサイコパス同様、自己の利益には敏感です。

 

ナルシシズムの特徴

 過剰な自分への期待と、それを認めてくれない周りへの不安・不満を常に持っています。そのため非常に精神的に不安定な存在で、そういう意味では危険度は高いです(突発的な行動に出る場合があります)。またサイコパスは共感能力が低いため、あまり特定の人に思い入れを持つことはないですが、ナルシシズムはある特定の人へ執着する傾向があります。目を付けられるとやっかいなことになります。

 

サディズムの特徴

 前述のとおり、人をいたぶるのが大好きな人格です。人の苦しみを見るのが好きなので、中途半端に反撃したり、オーバーリアクションしたりすると相手の攻撃性をエスカレートさせる傾向があります。

 

 

<対策>

対処法はまず以下の5原則を守ってください。

①握るところを握っておく

②スルーする

③治そうとしない

④あなた一人で接しない

⑤逃げる・戦わない

前述の通り、「説得は無駄・何度も同じ悪事を繰り返す・脅しても無駄・罰を与えても治らない」傾向があります。彼らは普通ではありません。可能な限り関係性を断ちましょう(SNSに悪口書き込んで喜んでいる人なんてただの暇人です。みなさんの大切な時間を、そんな暇人の為に使う必要はありません。もっと有効活用しましょう)。

彼らが実際に暴言・暴力・ストーカー行為など過度な行動に出てきた場合は、迷わず関係当局に相談してください。その後、警察沙汰になる場合でも、すでに関係当局(法律事務所など)への相談実績がある場合は、ない場合に比べて警察が動いてくれる可能性がはるかに高まります

 

もうすでに身の回りにいたり、同じ組織に属していたりした場合はどうでしょう?上記5原則は難しいかもしれませんね。

その場合は、複数の人(できれば対象のダークテトラッドよりも権力の強い人)とともに対抗してください。

たとえばサイコパス。彼らは罰の認識はできないのですが、利益は認識できます。

よって罰ではなく利益をちらつかせてコントロールするという手段はあるでしょう。

実際ある程度成功例も出ています(*4)。

彼らに罰だけではなく利益を与えられる人物を味方につけて、集団で対抗しましょう。一人では戦おうとしないでくださいね。

 

 

 

以上になります。

残念なことですが、この世に分かり合えない人が一定数います。

変な人たちを回避する手法として、今回の記事を参考にしていただければ幸いです。

それではまた次の記事で!

 

 

 

 

 

<参考図書>

*1:ジェームズ・ブレア、デレク・ミッチェル、カリナ・ブレア著、『サイコパスー冷淡な脳ー』、株式会社 星和書店

*2:ロバート・D・ヘア著、『診断名 サイコパス』、株式会社 早川書房

*3:中野信子著、『サイコパス』、株式会社 文藝春秋

*4:ナショナルジオグラフィック日本版、2018年2月号(第24巻 第2号 通巻275号)、日経ナショナルジオグラフィック

 

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頭も良くなりポジティブに!科学的根拠のある「笑い」の効果!

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今回は「笑い」が及ぼす効果をご紹介します。

 

みなさんも「笑うこと」が健康に良いということはよくご存知だと思います。

よく笑う人は、そうでない人と比べて、心臓発作や脳卒中うつ病にかかるリスクが低く、寿命も長い傾向があるそうです。

とはいっても「作り笑い」の効果は残念ながら限定的で、ある報告ではメンタルにとってはストレスとしても作用しうることが知られています。

 

本当の笑いのことを専門用語で「デュシェンヌ・スマイル」といいます。この本当の笑いを毎日の生活に取り入れれば、頭も良くなり、考え方も前向きになることが科学的に証明されています。

 

今回は「笑い」についての研究報告を二つご紹介したいと思います。

 


 

 

『笑うと頭がよくなる』

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アメリカのボルチモア大学の研究です。

被験者を下記の5つのグループに分け、指示してある行動をとってもらいました。

その後、閃き度を試すテストを行ってもらい、5つのグループの正答率を比較しました。

すると下記のような結果になったのです。

 

①なにもしない...16%

②数学の講義の映像を見る...11%

③甘いものを食べる...25%

④軽い運動をする...26%

⑤コメディを見て心の底から爆笑する...58%

 

 

大笑いしたグループは、何もしないグループに比べて、閃き度がなんと3倍にまで跳ね上がったのです。


眉間にしわをよせて考え込むのも大事かもしれませんが、それで行き詰まってしまった場合は、コメディ映画やギャク漫画を見て大笑いした後で取り組めば、意外と良いアイディアや解決策が浮かぶかもしれませんね!

 


 

 

『笑うとポジティブ思考になる』

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ネガティブな気持ちには誰もなりたくないですよね。

心理学の世界で「気分一致効果」という現象が知られています。

これは、人はポジティブなときはポジティブな考えや記憶が定着しやすくなったり、ポジティブに周りの人や物事を解釈しようとする傾向があるという現象です。

逆にネガティブだと、イヤな記憶や考えが次々定着したり浮かんできたり、周りの人がイヤな人に見えてしまい、ついツラく当たったりしてしまいます

つまりネガティブな気分でいるとどんどんさらにネガティブな影響を受けたり・ネガティブなことを引き起こしてしまったりする悪循環にハマってしまうのです。

 

また世の中にはたんに、自分の意見を持たないくせに批判ばかりして、人の足を引っ張る人もいます。そういう人がチームの中にいると、雰囲気も悪くなり、生産性も下がります。もちろんそういう「イヤな人」に自分がなるのなんて避けたいですよね。

 

こう考えるとやっぱりポジティブな気分でいたいですよね!!

このポジティブな気持ちになることも「笑い」で叶えることができます。

 

フランスで行われた研究です。

被験者を2つのグループに分けました。

片方には割り箸を歯でくわえてもらいます(笑顔を作るときの表情筋が使われます)。

もう片方には割り箸を唇でくわえてもらいます(唇がとんがる感じですね。笑顔を作るときの表情筋は使われません)。

その状態で両方のグループに新聞マンガを読ませました。

その結果、割り箸を歯でくわえていたグループ(笑顔になっていたグループ)は、そうでないグループよりも、新聞マンガに対して「面白い」と評価する人数がはるかに多かったのです。

 

笑顔で接すると、その対象に対してポジティブな気分で接することができることが示されたのです。

ちなみにこの実験では割り箸を使って無理矢理表情筋を刺激しているだけで、心の底から笑っているわけではないですね。

つまり「作り笑い」でもこのポジティブ効果が期待できる可能性があるのです。


みなさんの毎日も、素敵なこともあればイヤなこともあると思います。でも笑顔を作れば、イヤなことにもイヤな人にもポジティブに接することができるようになるかもしれませんね!

 

 

 


以上です。

笑いの効果をご紹介しました。

「笑う問には福来る」は科学的に証明されています。

ぜひ笑いを上手に使いこなして、人生を少しでも楽しくしていきましょう!!

それではまた次の記事で!

 

 

<参考図書>

*1:トラヴィスブラッドベリー、ジーン・グリーブス著、『EQ 2.0 EMOTIONAL INTELLIGENCE 2.0 「心の知能指数」を高める66のテクニック』、株式会社サンガ

*2:メンタリストDaiGo著、『2秒で最高の決断ができる直観力』、株式会社リベラル社

男性でもつわりが起こる?!

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女性のつわりは大変ですよね...!

長期間続きますし、薬も安易に飲めないし...。

でも大切な赤ちゃんのために無理してでも食べないといけない...。

 

しかしこの「つわり」、実は男性にも起こるケースがあるのです。

原因は精神的な共感です。

 

 

 

<クーヴァード症候群とは>

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すべてのケースで起こるわけではありませんが、妻がつわりに苦しむのと同時期に、夫にもつわりに似た症状が出ます。これをクーヴァード症候群と言います。

主な症状は、吐き気・食欲不振・頭痛・味覚の変化・感情の不安定化などです。とてもつわりに似ていますね。

 

原因は現在のところ不明ですが、以下のような仮説が考えられています。

①つわりに苦しむ妻に過度に共感・同情してしまう。

②つわりで家事が出来ない妻に代わり、夫が家のことをこなし、そのストレスが原因で起こる。

③立派な父親になれるのか?という不安。

 

この病気は妻のつわりの症状がひどいほど出やすいそうです。

対処法は、夫の場合は薬を飲むことに制限はないので、服薬療法になります。

クーヴァード症候群は深刻な病気ではなく、妻のつわりが軽減されたり、無事出産できると症状はなくなることが多いそうです。

しかし、妻の苦しみが夫にも共感・同情を通してうつるかもしれない...人間の脳や心って不思議ですよね...!

 

 

 

<転換性障害>

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心に原因があって、痛みや体調不良などが起こる病気がほかにもあります。

転換性障害です。若い人が発症しやすい病気です。

症状は実にさまざまで個人差があります。声が出なくなる・麻痺が起こる・嚥下困難(のどの奥に塊のようなものを感じる)・視覚や聴覚の障害・歩行困難などです。

要するに神経学的症状(神経や脳の病気)のような症状が出るのですが、転換性障害の患者さんは、たとえば脳のMRIを観察しても当然異常はありません。

 

原因は多くの場合、ストレスで、発症は急に発症するそうです。

 

人の心と身体が予想以上に密接につながっている事例ですね!

 

 

 

<幻肢痛>

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事故などで手や足を失っているにも関わらず、その手や足に痛みをはじめとしたさまざまな感覚異常が起こる現象を、幻肢痛といいます。

これも原因は不明です。一説によると、手足を失っていることが脳内で認識・処理されておらず、それが原因なのではないかとも言われています。

やっかいなことに、痛みを感じている手足の部分は存在しないので、多くの場合痛み止めや麻酔の効果がないのです。

現在のところ、治療法は見つかっていません。

 

 

 

以上になります。

人間の心と身体は予想以上に深くつながっていることを感じさせる不思議な3つの病気を紹介いたしました。

心の不調がいつしか身体の不調となる場合もあれば、身体の不調が心の不調となることもありえます。

みなさんもお気をつけ下さいね。

それではまた次の記事で!

 

 

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